本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (268ページ) / ISBN・EAN: 9784623076840
作品紹介・あらすじ
子育ての主役ではなかったオトコたちに必要なのは気付きと行動である??オトコは育児をすることで父親になっていく。
迷いながら奮闘する〈オトコの育児〉を社会学的に考察する。
[本書のポイント]
◎ 育児を例に社会学の理論や手法を学ぶ
◎ 具体的な場面を多数取り上げた親しみやすい記述
感想・レビュー・書評
-
子どものために、日本人男性が何を考え、どう行動しているのかが分かる本。
現在は大学で教鞭をとる15名の執筆陣が、自らの体験談をもとに、それを社会学的な手法で分析・発展させている。
「習うより慣れよ」 これが日本の子育てや仕事の底流にある考えなのだと、この本を読むことで更に強く感じた。そして、「慣れる」ほどの時間を費やさない・費やせない現代の子育て環境の中で、その心意は何処に生まれるのだろうか、と。
私としては、本書の中で例示されたような、『競争の激化を肌で感じる』父親が子育てや教育へ参加する姿や、『家事をきっちりしてきりきりするか、家事を手抜きしてにこにこするか』と子どもに問う母の姿など、家族で自分の強み・弱みを伝え合い、コミュニケーションすることに、その答えがあると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書は育児に対して社会学的にアプローチするものである。
第Ⅰ部は第1章から4章で夫婦間の育児、第Ⅱ部は第5章から8章で親子間における育児、第Ⅲ部は第9章から終章(第14章にあたる)もので社会における育児について考察する。
全てにおいて、「けいけんする」「ひろげる」「かんがえる」「ふりかえる」からなり、執筆者本人の体験から育児を考えている。
そのため、似たような題材を扱っていても育児を通して人間や社会の多様性が浮き彫りになる。
社会学の教科書としての使用にも耐えうるよう、アリエス、ミード、ハーバーマス、デュルケム、ゴフマン、フーコーなどが登場する。
それぞれの詳細はまた別の教科書に譲るとしても、この学者たち、そしてその理論は過去ではなく今に生きている!と興奮した。
知らなかったことも多かった。
フレーベルが幼児教育に関わる人名であり、出版社の「フレーベル館」に結びついた時は体が震える興奮であった。
この知識が結びつく瞬間というものは何物にも代えがたい。
性別役割分業、ベビーカー論争、子育て支援、育児雑誌、ライフイベント、社会規範.......。
どれも興味深く、こういった視点から育児を見たことがなかったので、とても新鮮だった。
本書はテキストとして耐えうる作りではあるが、非常に読みやすい。
何より<オトコ>と名打つことで男性諸氏にとっても手に取りやすいのではないだろうか。
こうしなければ、という説教めいた作りではない。
男性だからこその視点、論理展開は、男女ともに良い「育児本」にもなりうるだろう。 -
◆きっかけ
2016.9.9電気新聞書評
===qte===
◆「子育てと社会」より良い関係探る
◇<オトコの育児>の社会学-家族をめぐる喜びととまどい/工藤保則、西川知亨、山田容 編著/ミネルヴァ書房/2400円+税
<評者>京都大学大学院教授 稲垣恭子
イクメンという言葉を聞くようになってからずいぶんたつが、現実には「オトコの育児」が、必ずしも当たり前のこととして定着しているというわけではない。
本書の企画にも「オトコが育児をすると(それだけで)本になるのですね」といった意見や「はやりのイクメン本で売れそうですね」などの反応が研究者からあったというように、まだ特別なこととみられることは少なくない。
本書は、そうした目線を意識しつつ現在進行形の「オトコの育児」について、啓蒙(けいもう)的でもハウツー的でもなく、育児の現実から程よい距離感をもった社会学の視点で書かれたアンソロジーである。
扱われているのは夫婦関係、父子関係、レジャー、子育て支援、ワークライフバランスなどさまざまだが、共通のトーンとして印象に残ったことがある。それは文明化された世界に子どもという野生が闖入(ちんにゅう)することへの戸惑いと喜びである。
子どもと向き合う育児の現実は、職場や社会といった公的な空間を主な活動の場とするオトコの生活パターンを、いや応なく家庭の雑然とした私的空間へと引き戻す。野生と理性が混在する状況への戸惑いとそのギャップを埋めていく作業が、自分と社会をあらためてふりかえる契機となる。
例えば「イクメン」は初めから「良いこと」として期待される点では女性より楽にみえる。
しかし現実には、職場や社会つまりオトコ領域での承認が関門になっている。また、公(おもて)の顔と私生活(うら)の顔を使い分けずに済むような、より流動的でオープンな空間をつくることが、「イクメン」をしやすくするといったことがみえてくるのである。
母親たちが育児を通して「女同士の絆」をつくっていったのとは逆に、「オトコの育児」は、「オトコ同士の絆(ホモ・ソーシャル)」からオトコを解放するきっかけになるのかもしれない。
また、本書には「オンナの育児」の視点に立った「コラム」も掲載され、それが「オトコの育児」に厚みと深みを与えている。
===unqte=== -
本書の特徴は著者が全員、育児に関わっている(いた)父親であることである。
よってタイトルに「オトコの育児」とあるが、内容は父親に限らない。母親を含めた育児の歴史、現状や理想について、統計や言説をあたりながら考察、記述されている。
例えばベビーカーについては、畳まずに電車等に乗車することが公的に認められたのはつい最近で、
”国土交通省は2013年から2014年にかけて「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」を設置し、「交通機関内でベビーカーをたたまずに乗車することを基本的に認める指針」が示された。”
とある。
一方、本書の問題点は「育児に関わっている父親」である著者が、全員「大学教員」という特殊な職業に就いていることである。
よって、一般のサラリーマンと異なる感覚が元になって記述されているように思える。
資料や社会学の本としての価値は高いが、「一般の父親の感性に基づいた生々しさ」では『妻に言えない夫の本音』(朝日新書)が優れている。 -
東2法経図・6F開架:367.3A/Ku17o//K
-
367.3||Ku
「集合意識と医療化」
経済学科 高山龍太郎教授
著者プロフィール
工藤保則の作品
本棚登録 :
感想 :
