ウメサオタダオが語る、梅棹忠夫 アーカイブズの山を登る (叢書・知を究める)

  • ミネルヴァ書房 (2017年4月30日発売)
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 25
感想 : 3
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (284ページ) / ISBN・EAN: 9784623080083

作品紹介・あらすじ

国立民族学博物館(みんぱく)にある梅棹アーカイブズ。梅棹忠夫が残した膨大な資料がそこにある。そのアーカイブズ資料に残された過去と現在は、過去からも現在からも往還をし続ける。本書は、「ウメサオタダオ展」の実行委員長を務め、その往還を肌で感じた著者が、梅棹忠夫自身とも言えるアーカイブズが語る梅棹忠夫に接近する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 梅棹忠夫アーカイブスから読み解く若かりし頃のことや、亡くなる前後のことなどが書かれている
    梅棹忠夫がどんな人だったのかを知ることができる

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687749

  • 小長谷(こながや)さんは現在民博の理事。ぼくが初めて知ったころはまだ助手だったから、(お互い)年をとったということか。小長谷さんは梅棹さんとはモンゴル研究で共通点はあるものの、直接の弟子ではない。梅棹さんがまだ目が見えていたころに会ったのはわずか一度だけだという。その小長谷さんは梅棹さんの死後、すぐに「梅棹忠夫展」の委員長を命じられた。しかも、準備期間はわずか半年。彼女がまずやったことは梅棹さんの著作集22巻を通読して、面白い箇所を抜き出すことだった。彼女はそれを一月でやっている。梅棹さんはよく知られているように、膨大なメモ、ノート、写真を残している。それはきちんと整理されていて、それがゆえ、梅棹さんは失明後も「月刊梅棹」と言われるほど著作を出し続けることができた。(実際は月間以上だったが)そうして残された資料=梅棹アーカイブスをもとに小長谷さんが梅棹さんの世界をフィールドしたのが本書である。ここにはもちろん、モンゴルでの調査、登山記、女性論(小長谷さんが「女問題」と呼ぶのは?)を初め、万国博やのちの民博につながる活動なども出てくるが、それよりぼくが面白かったのは、ハガキなどを通して梅棹さんと友人、師たちとの関係が浮き彫りになっていることである。とりわけ冒頭に置かれた今西錦司さんとのあつれきの話は刺激的で、これを冒頭に置いたのはちょっとねらったかと思った。ちなみに、ぼくは梅棹さんの密かなファンで、著作中22巻もいまだに売らずにもっているし、2011年に民博で開かれた「梅棹忠夫展」も友人と見に行ったりしている。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

人間文化研究機構理事。京都大学文学部助手を経て、1987年より国立民族学博物館でモンゴル研究に従事。主な著書は『モンゴルの春――人類学スケッチ・ブック』(河出書房新社、1991年)、『モンゴル草原の生活世界』(朝日新聞社、1996年)、『モンゴルの二十世紀――社会主義を生きた人びとの証言』(中央公論新社、2004年)、『人類学者は草原に育つ――変貌するモンゴルとともに』(臨川書店、2014年)など。

「2014年 『現代モンゴルを知るための50章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小長谷有紀の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×