小野妹子・毛人・毛野 唐國、妹子臣を號けて蘇因高と曰ふ (ミネルヴァ日本評伝選)
- ミネルヴァ書房 (2017年12月10日発売)


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本 ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784623081684
作品紹介・あらすじ
小野妹子・毛人・毛野(7?8世紀初頭)
古代の豪族・貴族近江の一地方豪族でありながら遣隋使に登用され推古朝で活躍した小野妹子。そしてその衣鉢を継ぐように重要な地位を占める子の毛人、孫の毛野。本書は文献史料および考古資料を駆使してその事績を読み解くと同時に、奈良時代から平安時代に活躍したその後の小野氏の群像までを追う。
感想・レビュー・書評
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遣隋使として著名な妹子とその子・孫の事跡と一族の動向を明らかにし、古代における小野一族の特質を示す内容。出自である和邇氏の系譜分析も詳論されており、古代氏族の成り立ちを考えるにも興味深い点が多かった。
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著者の言う通り、妹子や毛人、毛野に関する史料がないのだなと実感。妹子は遣隋使で知られる。遣隋使の派遣回数には様々な見解がある。我が国と中国側の史料に差異があり、濃淡がある。
彼ら三代についてはわずかで、近江滋賀郡小野やその周辺の渡来系一族と古墳、同族の和邇一族、毛人の墓碑、平安時代の子孫(篁、小町、好古や関係が分からない一族たち)に関する記述が大部分だった。
小野という地名は近江の他に山城にもあり、広い地域で影響力をもったか。近江小野には小野神社、小野道風神社があり、今も祭礼が行われている。確証はないが妹子の古墳らしきものがあるという。小野氏は平安時代中期以降歴史の闇に埋もれていった。 -
表題の小野氏三代の伝記を期待して読むとガッカリする人もいそう。
個人の評伝ではなく、ほぼ古代氏族本。小野氏とはなにか、どのように生まれたのか、限られた史料を活かし遠回りに、考古学の成果なども援用しつつず非常~~ッに遠回りに論証して絞り出した推論は、筋道が通っていてクオリティが高い。
特に小野氏の母体になったと結論される近江国滋賀郡の和邇部氏(壬申功臣・和邇部君手の一族)について詳論されていて、小野氏の本であることを読んでて忘れるほど。和邇部氏メインの単著が今後出版されるとは思えないので、その意味でも珍しい本といえる。
安土城考古博物館に勤めて近江をフィールドにしてきた著者大橋氏にしか書けないものに仕上がっている -
東2法経図・開架 289/Mi43/176/K
著者プロフィール
大橋信弥の作品





