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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784623081844
作品紹介・あらすじ
本書では、教育とは何かを考えたうえで、コメニウス、ルソー、デューイ、イリイチ、フーコーらの教育思想をわかりやすく解説する。思想家の生きた時代背景や書物の新しい読み方まで楽しく学べる。さらには、不登校、いじめ、異文化間コミュニケーションなど、多様な問題をはらむ現代の教育と教育現場が抱える課題についても考察し、これからの教員養成のあり方まで探る。教職課程の大学生に必読の一冊。
感想・レビュー・書評
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(☆追記:デューイ学会編『民主主義と教育の再創造』が発売されました。ぜひ買って読んでほしくはありますが、これは学会編の専門書なので一般の人には読みにくい(買いにくい)と思います。『民主主義と教育』の全体構造図についてはそちらにも載せましたp.311。20201231)
【教育学への入り口】
「第7章 デューイ教育哲学――近代教育学の展開(2)」を私がまとめています。デューイ教育哲学入門ですが、本格的に教育学を学びはじめる入りやすい入り口(入門)になっていると思います。講義を待たず、自分で勉強・研究していくのによいガイドになっていると思います。私は「教育原論」を担当していませんが、これをテキストに指定されている人は(うらやましい)予習のつもりでどんどん読みましょう!
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第7章の出だしはこうです。
「1 デューイを読むと何が変わるか
(1)一人一人が選択・決断するために
教育はとても複雑で,様々な要因がからみあってすすんでいる。完全な根拠をもった「正しい教育」はあるのだろうか。
赤ちゃんでいうと,母乳がいいのかミルクがいいのか,ミルクだとだめなのか,予防接種はどれをどううけていったらいいのか……,育児書はたくさんあるが,根拠がしっかり書いてあるわけではない。ときには正反対のものも含む様々な選択肢のなかから〈選択・決断〉することが続いていく。」p.115
自分で考えること(リフレクション)から出発します。新型コロナの緊急事態の中、いろいろなことを考えているでしょう。そこからの出発です。卒業論文の第一歩にもなっています。
この章を読んだら、本気で学びたい人は、もうデューイの本『民主主義と教育』『学校と社会』を入手して読み始めてください。『民主主義と教育』は120ページの全体の構成図がよいガイドになると思います。『学校と社会』もpp.126-127の図がよいガイドになります。これと新学習指導要領を照らすと、今の日本の教育について、いろいろなことが見えてくると思います。大学のゼミやサブゼミ(死語か)研究会で読んでいくと理解が深まると思います。
『学校と社会』は一応安いので岩波文庫版を推しておきます。文章が少し古いですが、正確です。原著の第4章(学校の状況)が訳されていないのが残念ですが、他の本でざっと見ればよいでしょう。
それぞれの本のガイドは、ブクログのレビューで書いていきます。
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『民主主義と教育』(岩波文庫版)
上巻 https://booklog.jp/users/lifedevelop2020/archives/1/4003365232
下巻 https://booklog.jp/users/lifedevelop2020/archives/1/4003365240
『学校と社会』(岩波文庫版) https://booklog.jp/users/lifedevelop2020/archives/1/4003365224
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他の章も休み中に読めますね。山内清郎さんの第4章コメニウス論も力作です。
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----------以上20200421新規投稿。以下Amazonのレビュー(3/15)----
新型コロナ対策で、休校になって2週間がたちました。
今までの教育が何だったのか、また4月から小学校で新しい学習指導要領全面実施される中、これからの教育はどうすればいいのか、この3月で何を準備すればよいか悩んでいるところでしょう。
ぜひ第8章(イリイチ脱学校論・辻敦子)、第9章(フーコー学校監獄論・井谷信彦)からお読みください。
今の休校状態は、偶然、脱学校状態、脱監獄状態になってしまっているととらえると、ふだん気づかなかった「学校にかかっている力」が見えてくると同時に、いま子どものもっている関心(何で休校か、感染症にはどうすればいいか、自分は何をすればいいか・何がしたかったのか)が学びになるよう、手伝うことが、次の教育をつくる確かな一歩になるように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すごく分かり易かったです。
著者プロフィール
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