よくわかる教育課程 第2版 (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)

  • ミネルヴァ書房 (2018年8月28日発売)
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本 ・本 (242ページ) / ISBN・EAN: 9784623082698

作品紹介・あらすじ

本書は、教育課程をはじめて学ぶ学生や教師、教育課程の編成・組織・運営等に携わるスクールリーダー等を対象として、教育課程に関する基本的な知見を広くわかりやすく解説する。教師が主体的にカリキュラムを組み立てていくために必要な基本的な知識や考え方を一冊で学べるテキスト。初版の刊行から8年を経て、2017年版学習指導要領などを踏まえて最新の知見を盛り込み、執筆担当者や項目を大幅に修正・再構成した改訂版。

感想・レビュー・書評

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  • Ⅰカリキュラム概念の範囲と射程
    Ⅱカリキュラムと教育目標
    Ⅲ内容選択の基準
    Ⅳカリキュラムの編成原理
    Ⅴ子どもの発達とカリキュラム
    Ⅵ学習指導要領と教科書
    Ⅶカリキュラムの社会学
    Ⅷカリキュラムを支える教育環境
    Ⅸカリキュラムと評価
    Ⅹカリキュラムと評価
    Ⅺ教科のカリキュラム
    Ⅻ教科外のカリキュラム
    XIII近年のカリキュラム改革の動向
    XIV日本の教育課程改革の歴史
    XV学習指導要領の変遷
    XVI世界のカリキュラム


    XII教科外のカリキュラム
    XVI世界のカリキュラム
    10.国際バカロレア
    に問題点が書かれているのでもう一度チェックすること。


    2019年5月20日
    13:09
    Ⅰカリキュラム概念の範囲と射程
    1.カリキュラムとは何か
    根本原理として、家庭編成の主体(中央集権か地方分権化)、家庭編成の原理(平等成果卓越性か、生活・経験重視か科学・学問重視かなど)を解明室津、以下のようなことを検討します。

    学校論(学校・学校・学級経営のあり方、社会や地域連携のあり方など)
    共通・選択論(共通必修、選択必修、選択などの区分など)
    領域論(教科と教科外、道徳化と総合的な学習の位置づけなど)
    教科論(それぞれの教科の存在理由と新しい教科の可能性など)
    編成論(各教科の内容の系統性など)
    進級論(履修原理、新旧・卒業原理など)
    接続論(各学校階梯のカリキュラムの接続、入試制度など)
    施設・設備論(学校建築、校具・教具の設置など)

    中内敏夫(1988)『教育学第一歩』岩波書店

    Ⅱカリキュラムと教育目標
    1.教育目的と教育目標
    P12「教育目標という用語は、教育実践の主体が教区活動を通して実現しようと意図する価値内容を指します。「目標」という用語はとくに、教科・学年レベルや単元・授業レベルで学習者に習得させたい内容、およびだてないのうりょっくを表現するものです。これに対し、「民主的な人格を形成する」「生きる力を育む」といった具合に、学校教育全体を通じて実現したい全体的・究極的な教育理念を表現する際にヒア、「目的」という用語が用いられます。

    教育目標を明確に認識したうえで課題となるのは、指導と評価の有効な指針となるよう教育」目標を叙述することです。こうした目標叙述の形式として、タイラーは、教育目標を「内容的局面」と「行動的局面」とで規定することを提案しました。たとえば、「三平方の定理(内容的曲面)を応用することができる」という形で目標は叙述されなければならないというわけです(「行動目標」)すなわち、「(教師の側で)糸された学習成果、いわば教育活動の出口の学習者イメージとして教育もk樹氷は明確化されなければならないのです。こうして、「何を教えるか」を示す内容面のみならず、「教えた内容を子どもがどう学んだか」を示す行動。認知過程面にも着億することで、子どもの視点から、その思考過程に即して教育実践を想像し吟味することが促されます」

    2.学力モデル
    学力モデルとは、教師が授業実践を行う際に想定する望ましい学力の姿であり、教育目標としての学力が学習者の中に定着した様子やそのプロセスをモデル化したものです。

    Ⅲ内容選択の基準
    2.社会の要求を重視するカリキュラム
    「公教育の成立と切り離せない関係にあるという点には留意が必要でしょう。現代においてもキャリア教育や情報教育、プログラミング居育といった内容、そしてコンピテンシーの育成を重視すsる考え方は、現代社会からの要求を踏まえるものととらえることができるでしょう。たしかに、既存の社会に適応することも大切ではありkますが、めざすべき社会を構想し、既存の社会を変革しうる子どもを育成することも、学校に求められている役割だと言えるでしょう。

    4.人間性を重視するカリキュラム
    ・全米教育協会が掲げた人間ちゅしんカリキュラム
    ・教育学者グッドラット

    Ⅳカリキュラムの編成原理
    2.系統主義
    P29「系統主義は、教えたい脅威か内容はいったい何で、どうすれば学習者が習得できるかを、教師が意識的に考えるように促します。原則として学問の体系を重視するとはいえ、実際には子どもの生活経験や思考の発達も踏まえて内容を構成しなければなりません。学習者がどのように考えるかを踏まえて、系統をつくることが求められているのです。

    西岡加名恵『教科と総合学習のカリキュラム設計ーパフォーマンス評価をどう活かすか』図書文化社、2016年、94頁
    ☜本質的な問いの入れ子構造☜IBぽい。

    3.スコープとシークエンス
    P30「スコープとしての「社会生活の主要な機能」
    ヴァージニア。プランでは、生活改善と社会適応を担える「人格の統合」を教育目的として設定し、それに即応するために、子どもをとりまく社会生活を直接的に学習対象にするコースを構想しました。そしtえ、学習対象をどのようなまとまりで教えるのかという課題にたいし、ヴァージニア
    プランが採用したのが、「社会生活の主要な機能」という還元でした。この観点をもとにして、このコースは、生活。財産。天然資源の保護保全、生産と分配、消費、交通・輸送、余暇などの11領域に区分さrました。これをスコープと呼びます、日本では「領域」や「範囲」などと訳されています。

    「以上の余蘊い、もともとは経験カリキュラムの開発に用いられた指標がスコープとシークエンスでした。しかし、現在ではそれぞれの意味内容はかなり一般化し、各教科のカリキュラムでの教える内容についての一定のまとまりをスコープ、その学年系列をシークエンスと呼ぶこともしばしばあります。

    なお、戦後日本のカリキュラム開発の歴史的展開の中では、とりわけシークエンスのほうに注目が集まった観があります。1947年にはじめて設置された社会科では、ヴァージニア・プランでの「興味の中心」シークエンスをさらに徹底し、子どおの身近で具体的な社会生活を起点にする「同心円拡大法」が導入されました。

    4.領域論
    P32「大別して、学校には二つの機能的な側面があると言われています。

    「知識や技能という形で実体化した文化財を教え学ぶという教育的営みは、教育学の言葉で「陶冶」と呼ばれています。
    「その社会の中で正しいとされている価値観道徳化kンや、社会的行動のための基準や能力を教え学ぶことは、訓育と言われています。

    「おもに「陶冶」を担当するのが教科カリキュラム(教科教育)であり、おおに「訓育」を担当するのが教科外カリキュラム(教科外活動)です。

    「このように、学校のカリキュラムは、①特徴的な指導と学習の質、②固有な指導計画、③一連のまとまった学習時間数を負った「領域」をいくつか有しています。

    「学習指導要領における領域論の展開
    「日本で最初に作成された学習指導要領(1947年版)は、教科外カリキュラムを設定していませんでした(ただし、「自由研究」は教科として位置づけられていたものの、その活動のうhし「クラブ活動」「自治活動は、実質的イには教科外活動に相当)
    「教科ー教科外の2領域がはじめて明確に規定sれたのは、1951年改訂の学習指導要領においてです。ここで、「自由研究」の活動内容に学級活動や児童会活動などが加えられて、「教科以外の活動」という領域が成立しました。このときは、教科と教科外とからなるシオンプルな教育課程が編成されていたことがわかります。

    「しかし、学習指導要領が改訂される中で、各時代の教育課題に応じるかたちで、教科外カリキュラムの領域が「各k長」していきます。1958年改訂では「道徳」が、1998年改訂では「総合的な学習の時間」が、そして2008年改訂えは、小学校に「外国語活動」が設置されました。さらに、2015年の小・中学校学習指導要領の一部改正に伴って、教科外の①領域であった「道徳」が「特別の教科 道徳」(いわゆる道徳科)として再編されるとともに、2017年改訂では、「外国語科」の新設に十成って「外国語活動の配当学年が変更されることになりました。

    「学習し小津要領の展開と並行しtえ、それ以外の領域論も様々に提案・実施されています。たとえば、私立の和光小学校では、教科―総合学習―自治文化行事活動という3領域論を長く採用しています。また、近年えはm、研究開発学校や教育課程とクリエ港において、新しいカリキュラムの開発が積極的に進められています、。たとえば、「総合的な学習の時間」とj各教科とを「市民性」「探究」「協働」の視点であみなおした「探究的市民課」や「総合的な学習の時間」「特別活動「生活科」の一部を組み替えて「生きる力」や「ふるさと創生」に関する資質・能力の育成をめざす「ふるさと科」など、教科等の各領域を横断した教育課程を編成する取り組みが全国各地で試みられています。

    Ⅳカリキュラムの編成原理

    1.カリキュラムの類型とは

    P38
    「カリキュラムの設計にあたっては、設計者が学習をどのようにとらえているかという思想が反映されます。そのため、知的文化の伝達を目的とするのか、認識に変化をもたらすことを目的とするのか
    学習者の興味関心を探り伸ばすことを目的とするのかなど、大きくいつくかの類型に分けることができます。

    8.タイラー原理
    ☜工学的アプローチ

    10.構成主義的学習観にたちカリキュラム設計

    素朴概念をイェン用することに向けてかりきゅらうを編成する上では学問の論理だけでは不十分であり、子どおの発送の根底にある考え方を考察し、単元等を展開することが必要です。

    Ⅶカリキュラムの社会学
    5. 社会・文化的再生産

    Ⅷカリキュラムを支える教育環境
    1.開かれた学校づくり

    Ⅹカリキュラムの履修スタイル
    1.カリキュラムの共通化
    3.必修科目と選択科目
    8.生涯学習のカリキュラム

    XI教科のカリキュラム

    XII教科外のカリキュラム
    XVI世界のカリキュラム
    10.国際バカロレア

  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/298517

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著者プロフィール

佛教大学教授,京都大学名誉教授

「2024年 『新しい時代の教育方法〔第3版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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