日本の洋食 洋食から紐解く日本の歴史と文化 (シリーズ・ニッポン再発見 9)

  • ミネルヴァ書房 (2018年5月18日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784623082919

作品紹介・あらすじ

洋食の奥深さを味わう

カレーライスもスパゲッティナポリタンも日本の料理? では、とんかつは?



日本で独自に発展した西洋風の料理を指す「洋食」。たとえばとんかつは、フランス料理のコートレットにヒントを得て生まれたといわれる。そのほか、この料理はどこにルーツがあり、あの料理はどこでうまれて……などを知ることはもちろん、その土地の風土や食材とともに発展してきたようすを知ることは、まさしくニッポン再発見! 本書では、日本独自の料理としてさまざまに発展してきた歴史を紐解き、文化的背景やそのルーツをさぐる。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の「洋食」はどのようにして食べられるようになったのか。
    歴史や地域、文化との関わりから紐解いてゆく。
    中・高校生でも読み易い文章と内容です。
    1 日本料理と和食
    2 牛肉を食べる
    3 全国各地で発展した「日本の洋食」
    4 パンもラーメンも日本の食文化
    最初に「日本料理」と「和食」の違いについて。
    「牛鍋」と「すき焼き」は文明開化。
    そして、カツレツ、カレー、スパゲッティ・・・パンやラーメンなど。
    その洋食の成り立ちと地域性、歴史の関わり。
    その起源かもしれない料理と国についてを詳しく辿っています。
    例えば、ピロシキ。ロシアと日本の違い。モノクロでもよくわかる。
    誰が春雨入りを考案したかなど、興味深い話が多くて楽しい。
    関わる国と料理についての年表やプラスワン情報(コラム)も
    面白い。現在でも営業中の店のリストがあるのも親切です。
    その「洋食」のルーツを想いながら、その地域へ行って、
    味わってみたくなりました。

  • 1.日本で洋食がここまで普及した理由を知りたくて読みました。

    2.日本に洋食が普及したのは明治以降ではあるものの、それ以前にちょこちょこ取り入れられてました。例えば、戦国時代のポルトガル人による金平糖などが代表的な例です。しかし、鎖国により日本全国で広がることはなく、長崎だけで広がりをみせます。
    時代は明治へ流れ、すき焼きが高級料理として広まるとともに、ヨーロッパの料理が普及し始めます。決定的なのは戦後の米国による小麦戦略によって加速的に欧米色が広まったことです。さらに、戦後は貧しかったためない材料は日本の材料で補うという形で乗り越えていったことから、「洋食」は日本独自の文化として発展し、日本人の食卓に馴染んでいきました。これにより、日本各地での味の違いなども出てきます。本書では、あくまでも有名な洋食がどこでどのように生まれたのかのみ書いてありますが、とても勉強になる本となっております。

    3.食品の仕事に携わっていてもなお知らないことを学べたので非常に面白かったです。ミートソースの発祥は新潟県というド頭からの衝撃発言によって一気に引き込まれました。洋食を作る際、見本として作ってくれる外国人は自国から持ってきた料理ではなく、日本で調達した材料を使っていることで、ここまで日本の文化として馴染んできたというところがとても納得出来ました。
    さらに、章末にその章で取り上げたジャンルの洋食の老舗リストを提示してくれています。自分が気になった店が数件あったので行けるところから行こうと思います。

  • 海外の料理が日本で独自の進化を遂げ、日本の料理として定着したものを「日本の洋食」と呼んでその発祥や地域性を紹介している。

    様々な理由で日本にいた外国の料理人が伝承していったものもあれば、「おそらくこれが起源だろう」と言われるものなど発祥も様々。狭い国土ながら四季や地域性も取り込んで、元からあった和食以外にも発展していった洋食がダイジェストで知れて面白い。

  • 洋食について平易に解説。分かりやすい。
    影響を与えた各国料理ごとに章立てて記されている。
    事前知識なしでも十分おもしろいはず。

  • 洋食がどのようにして日本に取り込まれていったのか、歴史・文化・地域性と関連付けながら紹介されており面白かった。
    洋食メニューの成り立ちや起源が端的にまとまっており読みやすかった。

  • ふむ

  • 日本料理とは明治時代に初めて記された言葉、それまではそういう言葉が不要だった。和食は日本料理+明治時代になって入ってきて独自進化を遂げたとんかつころっけ・すき焼きなどを含むのが普通。
    日本は当初無形文化遺産への登録にあたり、会席料理をアピールしようとしたが、それは「一部のひとだけのもの」という意見があり、WASHOKUで登録をめざした。何をもって日本の食とするのか、という議論がでて、WASHOKUは洋食にたいする概念であり、一汁三菜が基本的な献立、すき焼きなども含むとされた。
    以上のことが1.日本料理と和食 に記載があり、WASHOKUとは何か?が気になっていたので腑に落ちた。
    それから先は、各洋食の成立の由来と現状、老舗の店名も具体的に記述があるので、気になるところには食べに行けるのが嬉しい。
    金平糖がキリスト教の布教に使われたのにはびっくり。ボルシチ、ピロシキなども独自進化と遂げていた。

    紹介されている料理:
    すき焼き、南蛮漬け、チキン南蛮、てんぷら、卓袱、カスドース、ひりょうず、とんかつ、エスカロップ、かつ丼、トルコライス、オムライス、ハヤシライス、ドリア、カレー、肉じゃが、ボルシチ、ピロシキ、ビーフストロガノフ、ナポリタン、ハンバーグ、ハンバーガー、アメリカンドッグ、パン、ラーメン


    1 日本料理と和食
    2 牛肉を食べる
    3 全国各地で発展した「日本の洋食」
    4 パンもラーメンも日本の食文化
    さくいん

  • <目次>
    第1章  日本料理と和食
    第2章  牛肉を食べる
    第3章  全国各地で発展した「日本の洋食」
    第4章  パンもラーメンも日本の食文化

    <内容>
    二本料理の原則は盛り込まれた感じ。ある程度知っていたことだが、証拠や店舗名を出して紹介しているので、基本を知ることができる。古くからのレストランやラーメン屋なども載る。そういう点でも役立つ。

  • 古い本かと思いきや、「シリーズニッポン再発見」
    というシリーズの中の一冊で、2018年5月に発行
    されたばかりです。

    洋食の歴史やその発展などは、他の本ですでに
    語られ尽くされている感がありますが、
    この本は明治初期に日本が開いた港の各地から
    歴史を紐解いています。

    なかなかそれは面白く、例えば「肉じゃが」は
    東郷平八郎がイギリスで食べたビーフシチューを
    海軍の食事として提案したものが始まりと言われて
    いるそうです。

    洋食好きにはたまらない一冊です。

  • 「すき焼き」と「牛鍋」の違い、ドリアの誕生など興味深い話が盛りだくさんで楽しめました。
    本編冒頭で引用されていた森鴎外『牛鍋』は、Cook DoのCMを彷彿とさせます(個人の感想)。
    描写の細かさがすごい、さすが森鴎外。

    「昔ながらのスパゲッチ」とうたうボルカノスパゲッティ(国産スパゲッティの第一号)の存在をこの本で知り、猛烈に食べたくなりました。
    もっちりとした太麺ですと…想像しただけで涎が…

    バウムクーヘンを日本に初めて紹介したのが、広島の似島収容所にいた元ドイツ兵捕虜のカール・ヨーゼフ・ヴィルヘルム・ユーハイム氏。
    のちの『ユーハイム』の創業者。
    似島にはその昔何度となく行っていたので、久々にその地名を目にしてとても懐かしい気持ちになりました。

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著者プロフィール

■青木 ゆり子(アオキ ユリコ)
e-food.jp 代表、各国・郷土料理研究家。
調理師のためのハラール研修有識者会議委員(厚生労働省国庫補助事業)、内閣官房 東京オリンピック・パラリンピック推進本部ホストタウン事業「世界のおもてなし料理プロジェクト」「世界のおもてなし料理レガシープロジェクト」講師、NHK文化センター講師、NHKラジオ第1「ちきゅうラジオ」料理ナビゲーター。
雑誌記者等を経て、2000年に世界の料理総合情報サイト「e-food.jp」を設立。
国内外の伝統的な郷土料理を守り、未来につなげるスタンスでサイトを運営。
自ら世界や日本各地を取材し、背景にある歴史や文化とともに郷土料理を紹介している。
著書に『しらべよう!世界の料理 全7巻』(監修・執筆、ポプラ社 )、『日本の洋食』(ミネルヴァ書房)、『世界の郷土料理事典』(誠文堂新光社)、図鑑NEO『せかいのりょうり』(監修、小学館 )。

「2021年 『食文化・郷土料理がわかる 世界の国旗弁当』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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