評伝 小室直樹(上):学問と酒と猫を愛した過激な天才

著者 :
  • ミネルヴァ書房
4.38
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本棚登録 : 70
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (768ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623083848

作品紹介・あらすじ

橋爪大三郎編著『小室直樹の世界』から5年。もう一つの日本戦後史がここにある!「小室直樹博士著作目録/略年譜」の筆者・村上篤直が、関係者の証言を元に、学問と酒と猫をこよなく愛した過激な天才の生涯に迫る。
 会津士魂に生きた日本伏龍・小室直樹。上巻は征夷大将軍に憧れた柳津国民学校時代を皮切りに、サムエルソン成敗の誓い、社会科学の方法論的統合を目指した情熱と憂国。伝説の「小室ゼミ」の誕生から拡大までを描く。

感想・レビュー・書評

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  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=336072

  • 東2法経図・6F開架 289.1A/Ko69m/1/K

  • 小室直樹の前半生を膨大な関連書籍と関係者への聞き取りをもとに丹念に綴る評伝。夏目漱石の『坊っちゃん』や『三四郎』を思わせる読後感であった。超人的な頭脳を持ちながら決して利口に生きることのできない青年・小室直樹の青雲時代を著者は驚くほどやさしさに満ちた平易な文章で記す。あえて生硬な文章を避けたのは小室直樹を徹底的に調べ尽くしたという著者の矜持ではないか。大傑作である。

  •  
    ── 村上 篤直《評伝 小室 直樹(上)学問と酒と猫を愛した過激な天才 20180918 ミネルヴァ書房》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4623083845
     
    ── 村上 篤直《評伝 小室 直樹(下)現実はやがて私に追いつくであろう 20180918 ミネルヴァ書房》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4623083853
     
    【書評】20181104 京都新聞
     
    https://twitter.com/minervashobo/status/1059377029215268864
     
    (20181106)
     

  • 小室直樹博士がお亡くなりになりもう8年。博士から直接薫陶を受けた愛弟子たちや編集者の方々、同級生、親族からの取材により、著作群だけからは垣間見ることのできない舞台裏までをも開陳する形で、博士の毀誉褒貶な人生を1500ページもの大著で活写した超絶おすすめ本です。

    会津時代(1930~40年代)の神童ぶりや極貧ぶりは、著作群からも断片的には分かるものの、時系列にドラマチック感満載で伝わってきます。大言壮語な物謂いなど生涯変わらないのだなと痛感します。一方で、子育てをする身となり、父親としての「権威」を示す努力、「甘え」の本来の意味など、実践のヒントになるはずです。また、博士の出生や系譜などの謎解きについても興味深い内容となっています。

    京都・大阪・海外時代(1950~62年)このあたりは余り著作群になかった市村先生や平泉先生などを介した博士の思想根幹部分の醸成や、破天荒なエピソードなど面白おかしく綴りながらも、一流教師陣から可愛がられる天才ぶりも多分に伝わってきます。

    その後の田無寮・藤美荘ー小室ゼミ時代は、不遇エピソードやハチャメチャな言動振舞いのオンパレード、一方で優秀なゼミ生たちによる社会科学の再建に向けた不断の努力や先生から吸収しようという情熱など読むほどに、その空間にいたかった羨望と、とても続かなかっただろうというアンビバレントな思いも過ります。

    社会科学者になるわけでもない私には難解であった方法論の数々を、著者が改めて交通整理してくれていて、その中でも、第20章の夏期講座で博士が行なった「構造機能分析の使い方」は圧巻。橋爪先生との質疑応答での予定調和説と因果論について、これに一番しびれた。

    その後の旧約時代や新約時代について、酒と病院と執筆と、少しゼミというサイクル期になるかと思うが、そこでのエピソードもある程度は知っていたものの、執筆については、編集者との関係性を種明かしされてしまったようで少し落胆。編集者という職業について無知・無理解を反省。

    各著作本についてはコンプリートしているつもりの自分も、著者の整理によりエッセンスを分かりやすく取り出してくれていて、新たに読書する人には、大いなる指南書にもなるでしょう。

    最後に、振り返れば、小室本を読み始めて30年以上経つのだが、自分でモデルを作って、自分で社会分析できているのかについては、まだまだ小室門下生としては落第点であろう。
    改めて、博士の本を再読して、自家薬籠中のものとして、自分なりのモデルづくりをしていくきっかけにしたい。

  • 傑作。小室直樹の出生の秘密からプライベートまで含めあまりに魅力的な人物像と学識に圧倒される。平泉澄の塾にいたとは驚き。小室直樹の本で時折触れられた話(猫を食べた軍人を殴る)はやはり本人のことだったのかと驚く。ドラマ化出来そうな面白さ。

  • 【版元】
    著者:村上篤直
    ジャンル:社会  評論・自伝
    出版年月日:2018年09月刊行予定
    ISBN:9784623083848
    判型・頁数:4-6・762ページ
    予価 本体2,400円+税

    橋爪大三郎編著『小室直樹の世界』から5年。もう一つの日本戦後史がここにある!「小室直樹博士著作目録/略年譜」の筆者・村上篤直が、関係者の証言を元に、学問と酒と猫をこよなく愛した過激な天才の生涯に迫る。
     会津士魂に生きた日本伏龍・小室直樹。上巻は征夷大将軍に憧れた柳津国民学校時代を皮切りに、サムエルソン成敗の誓い、社会科学の方法論的統合を目指した情熱と憂国。伝説の「小室ゼミ」の誕生から拡大までを描く。

    [ここがポイント]
    ◎ ミネルヴァ書房創業70周年記念出版。
    ◎ 貴重なインタビューと資料が明らかにする伝説の学者の素顔とは。これまで多く語られることがなかったその生涯を描き、 人生のすべて を学問のために献げた小室直樹の足跡をたどる。
    ◎ 橋爪大三郎編著『小室直樹の世界』に掲載された「小室直樹博士著作目録/略年譜」を拡充再録。
    http://www.minervashobo.co.jp/book/b373098.html
     下巻
    http://www.minervashobo.co.jp/book/b373099.html

    【上巻 目次】
    はしがき
    第一章 柳津国民学校 ――征夷大将軍になりたい
    第二章 会津中学校 ――敗戦、ケンカ三昧の日々
    第三章 会津高校 ――俺はノーベル賞をとる
    第四章 京都大学 ――燃える“ファシスト”小室と“反戦・平和”弁論部
    第五章 軍事科学研究会と平泉学派 ――烈々たる憂国の真情
    第六章 大阪大学大学院経済学研究科 ――日本伏龍 小室直樹
    第七章 米国留学、栄光と挫折 ――サムエルソンを成敗する!
    第八章 東京大学大学院法学政治学研究科――社会科学の方法論的統合をめざして
    第九章 田無寮 ――学問と酒と猫と
    第一〇章 社会指標の研究 ――福祉水準をどう測定するか
    第一一章 小室ゼミの誕生と発展 ――君は頭がいいなぁ、素晴らしい!
    第一二章 一般評論へ――日本一の頭脳、四四歳、独身、六畳一間暮らし
    第一三章 小室ゼミの拡大 ――橋爪大三郎の奮闘
    第一四章 瀕死の小室 ――すべては良い論文を書くために
    第一五章 出生の謎 ――父はマルクス、母はフロイト


    あとがき 小室直樹試論 ――なぜ小室直樹はソ連崩壊を預言できたか
    小室直樹著作目録
    人名・事項・猫名索引

    【下巻 目次】
    はしがき

    第一六章 おそるべし,カッパ・ビジネス――俺はマスコミに殺される
    第一七章 ‟旧約”の時代と‟新約”の時代――奔走する担当編集者たち
    第一八章 田中角栄――検事を殺せッ!
    第一九章 対話――危惧、矜持、疑問、痴態、怒号、憧れ、感動
    第二〇章 小室ゼミの終焉――最高のティーチャー
    第二一章 スナック・ドン――野良でも、血統書つきでも、猫は猫
    第二二章 日本近代化と天皇――方法論学者(メソドロジスト)の本領発揮
    第二三章 誰も書けなかった韓国――‟新約”編集者たちの活躍
    第二四章 昭和天皇――神であり、英雄である
    第二五章 結婚――おれの嫁、覚えててくれ
    第二六章 死、訣別、そして再会――寄る年波に抗えず
    第二七章 『原論』の時代――いい本は、最低限一〇回は読みなさい
    第二八章 晩年――人生は短い
    第二九章 会津彷徨――ある会津藩士の記録
    第三〇章 没後――学恩に報いる道


    あとがきにかえて――私にとっての小室直樹とは
    小室直樹略年譜
    人名・事項・猫名索引

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著者プロフィール

2018年7月現在弁護士

「2018年 『評伝 小室直樹(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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