「医療的ケア」の必要な子どもたち 第二の人生を歩む元NHKアナウンサーの奮闘記 (シリーズ・福祉と医療の現場から)

  • ミネルヴァ書房 (2018年8月9日発売)
3.86
  • (1)
  • (10)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 81
感想 : 14
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784623083985

作品紹介・あらすじ

近年、何らかの医療処置が必要でも退院できる人が増えています。「医療的ケア」とは、病院などでおこなう「治療行為」とは区別して、退院後の暮らしを維持するために欠かせない処置のことを総称する表現です。NHKアナウンサーだった著者が、退職して選んだ第二の人生の働き場所は、「もみじの家」という子どもの医療的ケアをおこなう福祉施設でした。ハウスマネージャーとして奮闘するその視点から、医療的ケアとはどういうものなのか、その現実と問題点などを考えていきます。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これより先に読んだ同著者の「53歳の新人」のように著者自身のエピソードかと思って読んだのだけれど、どちらかというと障害のある子や親のエピソード、もみじの家のあり方などが主体の本になっていた。

    本書にあるような医療的ケアが必要な子などは、既存の施設やサービスなどでは、数が少なくそもそも地域になかったり、対象外だったりと利用することができなくて、困った親族(というか親御さん)が自身や同じように悩んでいる家族のためにサービスや組織を作っちゃうというのを耳にすることしばしば。個人差がとても大きいため、一番その子に必要なものが分かるのは主治医や家族であり、既存のものが使えない時その子にフィットするケアを、となるとそういったかたちになりがちなのかなと思う一方で、やはりもともとの負担が大きい中、そういったことをするとなると相当なバイタリティが求められることは想像に難くなく。
    となったときに、もみじの家のような、家と同じようなケアを専門家が子どもに行ってくれ、医療機関がすぐ近くで何かあった時の安心感もあり、外に出づらい子どもたちが他の子とふれあったり、いろんな体験をすることができる場所というのはとても貴重でありがたいものなのだろうなと感じた。とは言えやはり金銭面ってとても重要で、施設が安定運営出来て、利用者サイドも継続的に利用出来るような体制って補助金無しには難しいんだろうな。

  • 開発目標3:すべての人に健康と福祉を
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50119104

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00651199

    近年、何らかの医療処置が必要でも退院できる人が増えています。「医療的ケア」とは、病院などでおこなう「治療行為」とは区別して、退院後の暮らしを維持するために欠かせない処置のことを総称する表現です。NHKアナウンサーだった著者が、退職して選んだ第二の人生の働き場所は、「もみじの家」という子どもの医療的ケアをおこなう福祉施設でした。ハウスマネージャーとして奮闘するその視点から、医療的ケアとはどういうものなのか、その現実と問題点などを考えていきます。
    (出版社HPより)

  • この本を知ったはだいぶ前。読んでみたい本リストに入ってからもたぶん4年くらいたっていると思う。ようやくこのたび読むに至った。ある意味、もっと早々に読まず、いまこのタイミングで読めたのがよかったんじゃないかな。
    何がよかったかというと、いままでと全然違う仕事に変って右往左往、試行錯誤、てんてこ舞いしている様子を予期実感的に読むことができたから。励みになった。

  • 元NHKアナウンサーが、第二の人生として福祉の現場に挑むお話。

    医療的ケアという言葉自体に聞き馴染みがなく、手にとって読んでみた。

    <内容>
    医療技術が進歩したことにより、新生児や幼児の生存率は飛躍的に上がった。

    しかし生存率と比例して、退院後も生き続けるために医療的なケアが必要な子どもの数も増加。

    医療的ケアを行う主な担い手は家族になり、さらに福祉サービスの制度に守られない状況では、家族の負担が大きいという。

    少しずつ、行政や民間で医療的ケア児への支援が広がってきているものの、受け入れ体制は依然として不十分だそう。

    そんな状況下で、元NHKアナウンサーの内多勝康さんの運営するもみじの家の取り組みについて、詳細に述べられている。

    <感想>
    医療的ケア児が全国的に増えていること、また福祉の制度に守られず、ケアをする側が追い詰められてしまうことや、ケア児の未来の選択肢の少なさが問題になっていることなど、知らないことだらけだった。
    高度先進医療で救われた小さな命を、その先どう育んでいくのか。
    社会が、自分が出来ることはないか、問い続ける必要性を感じた。



  • 369-U
    閲覧

  • 【OPACへのリンク先】【講座選定:看護学講座(小児看護学)】https://lib.asahikawa-med.ac.jp/opac/opac_details/?lang=0&amode=11&bibid=2000114929

  • 医療的ケア もみじの家のマネージャーが著者。母親の声、子供の声をインタビューし、医療的ケアの必要な子供たちの現状を書いた本。

    -医療的ケアとは: 身体に気管切開部がある、人工呼吸器 を装着している、痰の吸引が欠かせない、在宅酸素療法を受けている、胃や腸な どから経管栄養を受けている、などがある。これらのケアは生きる上で不可欠な ものであり、ケアの内容はそれぞれの疾病や病状に応じて異なる。
    -医療的ケア児は平成 28 年に約 1.8 万人と推計。平成 18 年からの 10年間で約2倍

    -医療の進歩で救命率は世界トップ、しかし一生涯医療的ケアに頼らなければいけない子供達。生活環境が家庭と学校に限られる。母親はつきっきりで献身的なケアをし、兄弟との時間、自分の時間は二の次に。
    そうした病児の受け皿となるサービス、担い手は不足している。
    -子供の自立、親の負担の軽減のための十分な政策、技術なしに命を救い続けてもいけない。

    -声なき声とされる子供、そして親の声を拾い上げ、就学前〜社会参加までの切れ目のない支援体制をつくること。もみじの家、大阪のturimiホスピス、フローレンスのようなホスピス、病児保育の建設の動きもある。

    -母親も、子供も、人間らしく生きていけるようにすること。そのための技術や制度づくり

  • 医学

  • 戦闘機を百機以上買う金があるんだったら、社会福祉に使って欲しい。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

*本情報は2018年8月現在のものです1963年、東京都生まれ。東京都立竹早高校卒業後、東京大学教育学部に入学。1986年、同大学を卒業後、アナウンサーとしてNHKに入局。高松→大阪→東京→名古屋→仙台局などに赴任。これまでに「首都圏ニュース845」「生活ほっとモーニング」のキャスターを務めるなど、多くの番組に出演。2011年、社会福祉士の資格を取得。2016年3月に退職し、国立成育医療研究センターの「もみじの家」ハウスマネージャーに就任。

「2018年 『「医療的ケア」の必要な子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内多勝康の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×