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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784623086047
作品紹介・あらすじ
北条義時(1163?1224)鎌倉幕府執権
源氏将軍が途絶えた後、実質的に権力をふるう。政治の主導権をめぐる朝廷と幕府の関係悪化から発生した承久の合戦では、幕府軍がはじめて武力で朝廷を制圧した。戦後、後鳥羽上皇ら、三上皇を配流し、その後の朝幕関係を大きく変えた。本書では時代により評価が揺れる義時の実像にせまる。
感想・レビュー・書評
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この人物や周辺の人物について、非常に詳細な分析で、驚きの発見が多かった。そもそも義時は兄・宗時が戦死した後は、江間義時として江間家を創設し、北条を嗣いでいなかった。時政は弟の時房を後継として派手な元服式まで行っていた!また美人の誉れが高い比企朝宗の娘に懸想し。頼朝が仲立ちし30歳で結婚した。時政には軽んじられていたが、頼朝には非常に信頼されていたということ。義時が死んだ後も、泰時が北条の後継と決まっていたわけでなく、弟・時房や義時の末子・政村の可能性があったなど。そして義時は執権と名乗っていなかった、得宗とも当初はされていなかった…等々。神皇正統記や太平記、また尊氏の評価では義時に好意的な記載だったとのこと。新井白石以降、評価が昭和に至るまで悪化したそうだ。後鳥羽上皇などを流罪にしただけではなく、数々の暗殺事件などの張本人とされたからのようである。それにしてもこの鎌倉時代の初期はミステリアスな興味をそそられる時代である。「北条義時」の著者・安田元久は恩師とのこと。58年ぶりの著作は新しい知見にも富んでいた。
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後鳥羽上皇が、倒幕ではなく義時追討である理由に感銘を受けた。
また、承久の乱後や義時死後まで記されており、大変興味深かった。 -
目立たない前半生を過ごし最終的に権力掌握に至るものの、生涯を通してその積極性の低さが印象的。執権としての北条氏の権力が確立していく過程や、一族内における後継争いの実情、時代や研究上における評価の変遷など興味深い内容が多かった。
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東2法経図・6F開架:289/Mi43/194/K
著者プロフィール
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