戦後日本の関係修復外交:国際政治理論による歴史分析 (MINERVA人文・社会科学叢書250)

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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623087495

作品紹介・あらすじ

戦後日本外交は、冷戦下、アメリカとの同盟関係に配慮し、戦争と植民地化の被害国の不信感と向き合いながら、旧敵国との関係を修復するという難題に直面した。日本はこの二重の困難をどう克服し、近隣諸国との外交を立て直したのか。本書は、その全体像を体系的に明らかにする。歴代政権による台湾、ソ連、韓国、中国との国交正常化の歴史を、政策決定者の認識と判断に着目した外交理論により分析していく。国際政治理論と日本外交史を架橋し、外交力学と国内政治、経済利益と歴史認識の複合作用に平和への道筋を見出す画期的研究。

感想・レビュー・書評

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  •  やや難解なので流し読み。対中韓ソ国交樹立に関し、国際情勢や米の意向、多国間外交と二国間外交の連関といったマクロ要因は前提とするものの、本書では国内政策決定者の認識(認知心理)に一層着目する。
     やや単純化すれば、安保重視の吉田政権と、経済重視の河野農相が対ソ接近を進めた鳩山政権の対比。安保重視で米が支持する韓国との関係修復に取り組んだ岸政権と、経済重視で「経済協力」方式で韓国と合意した池田政権の対比。安保重視で中国とは経済面での接触から始めた佐藤政権と、経済重視で謝罪に柔軟な態度だった田中政権の対比。
     国内要因も重要、というのはそのとおり。それでもややすっきりしないのは、政権ごとの政策の違いが、どこまで政策決定者の認識に由来するのかということだ。「官邸一強」ではない時代の自民党政権という点は共通。また日本では、官僚機構には継続性がある。ということは政権ごとの違いに見えても、外部要因による違いということはあるのではないか。
     たとえば鳩山政権時の対ソ接近には米ソの緊張緩和があったことは本書でも触れている。また、米中接近がより早ければ、佐藤政権で対中国交正常化が可能だったかもしれない。更に、池田・田中政権の対韓・対中合意は、それぞれ前政権での一定の成果の上にあったのではないか。

  • 東2法経図・6F開架:319.1A/F84s//K

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著者プロフィール

2021年6月現在
東京大学大学院総合文化研究科学術研究員

「2021年 『戦後日本の関係修復外交』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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