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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784623088324
作品紹介・あらすじ
日本列島では、古代から現代に至るまでいかなる思想が展開してきたのか、そして日本思想史という学問領域は何を明らかにするのか。本書では、立体的な日本思想史像の構築を目指し、広くアジアやヨーロッパなどにも視野に入れて特色を浮き彫りにするべく、哲学・歴史学・文学・宗教学・民俗学などの周辺領域にも目配りする。最新の研究成果を踏まえ、新たに平成思想史にまで対象を広げた、待望の増補版。
感想・レビュー・書評
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日本の思想史、およびそれに関連する制度などについて概略を紹介した本です。この本一冊で日本思想史における流れは概ね把握できるような内容となっています。
【こんな人におすすめ】
日本思想史について広く浅く、かつ専門的に学びたい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本思想を、仏教やキリスト教といった外来思想を除外して論じることはほぼ不可能である
海外の思想と比較・対比することが、日本人たちの発想の独自性を明らかにする手がかりとなる
思想史の研究においては、文字資料が非常に重要である
律令法が提示した国制のプランは、あるべき目標、建設すべき国家の設計図であって、施行とともにただちに実現したわけではなかった
小天下(日本の支配領域)を創出した者の考え方、理想や理念を色濃く反映してまとめられた
もう一つの天下の支配者からの使節と位置づけたかった
『古事記』や『日本書紀』の思想は、中国の天下観念に対してもう一つの天下を打ち立てるという意図を色濃く反映したもの
神祇と並列の、現世利益祈願に応える呪術宗教として受け入れられた
日本では仏教と在来神祇を平等に崇拝・奉斎する信仰が広く見られた
和漢両様の絵画が必要とされた
和漢の二つの様式を並べて挙げる例が目立つ
漢風と和風の両文化が併存していた
日記や物語が歴史叙述という「公」の領域であった分野にまで進出してきた
無数の「カミ」がこの世の至る所に地を占めているという世界観
此土と断絶した遠い彼岸や他界の世界観
他界・他界の二元構造を持つ中世的世界観
万人が固有する内なる聖性(仏性、本地神など)
彼岸世界への通路
冥界もまた、ことあるごとに人間界に様々な情報を提供しようとし
日本を神々の君臨し神の守護する地であるとする神国思想
三国(インド・中国・日本)
正法(インド)→像法(中国)→末法(日本)という時間的な推移
遁世者でありながら世俗との関わりも持っていた
民間の宗教者たちの布教活動
本地垂迹説
自力聖道門に対する他力浄土門
救済神へと変身する
神々や神事などを仏教思想によって意味づけする動き
地方武士たちが京都に上洛して交流する
権力と文化が未分化なまま一つの空間に収められている
宗教は身分や立場に応じた個別化・細分化
寄合(会議)や多数決による決定方法
世俗生活の意味を決定的に大きくし
人間らしい肯定的な意義を持つ生き方として強く肯定された
イエの平安のための祈り
家業・家産や家名などの維持と発展を目的とする経営体としてのイエ
同性愛(男色)は異端の世界に追いやられる
政治的な制度として良民から隔離され社会の底辺に留められた存在
「理」は、物の理の探求という意味で近世の学術・思想の根幹を支え、心の理の探求という意味で人々の自己形成を促した
政治的な決断とそれに伴う責任が無限に上位者に遡っていき、結局は悠久の「国体」なるものに還元され、誰も責任を問われない無責任の構造 -
日本史と並行して,日本思想の変化を網羅した教科書。
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東2法経図・6F指定:121.02A/Sa85g/Nakada
東2法経図・6F開架:121.02A/Sa85g
著者プロフィール
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