戦後日本と道徳教育 教科化・教育勅語・愛国心

  • ミネルヴァ書房 (2020年5月28日発売)
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本 ・本 (348ページ) / ISBN・EAN: 9784623089802

作品紹介・あらすじ

「戦後」における道徳教育とは何か。道徳教育にとっての「戦後」とは何か。道徳の「教科化」は決して「平成」の時期における固有の課題ではなく、その起点は、1945年8月の敗戦と占領期の教育改革(戦後教育改革)にあったことは明らかである。これは、「教科化」だけの問題ではない。道徳教育が対峙した教育勅語、愛国心といった歴史的な課題は、やはり1945年8月が端緒となっている。ある意味では、これらの課題に何らかの結論を見いだした時に、道徳教育における「戦後」がようやく終わりを告げることになるといえる。

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  • 371.6||Ka

  • 東2法経図・6F開架:371.6A/Ka21s//K

  • 著者:貝塚茂樹
    ジャンル 教育
    出版年月日 2020年06月10日
    ISBN 9784623089802
    判型・ページ数 4-6・348
    定価 本体3,800円+税

    「戦後」における道徳教育とは何か。道徳教育にとっての「戦後」とは何か。道徳の「教科化」は決して「平成」の時期における固有の課題ではなく、その起点は、1945年8月の敗戦と占領期の教育改革(戦後教育改革)にあったことは明らかである。これは、「教科化」だけの問題ではない。道徳教育が対峙した教育勅語、愛国心といった歴史的な課題は、やはり1945年8月が端緒となっている。ある意味では、これらの課題に何らかの結論を見いだした時に、道徳教育における「戦後」がようやく終わりを告げることになるといえる。

     道徳の「教科化」は決して「平成」の時期における固有の課題ではなく、その起点は、一九四五年八月の敗戦と占領期の教育改革(戦後教育改革)にあったことは明らかである。これは、「教科化」だけの問題ではない。道徳教育が対峙した教育勅語、愛国心といった歴史的な課題は、やはり一九四五年八月が端緒となっている。ある意味では、これらの課題に何らかの結論を見いだした時に、道徳教育における「戦後」がようやく終わりを告げることになるといえる。    (「はじめに」より)
    https://www.minervashobo.co.jp/book/b508894.html


    【目次】
    はじめに


     第Ⅰ部 道徳の教科化をどう考えるか

    概 説

    第1章 戦後日本と道徳教育の展開
     1 戦後教育改革と道徳教育
     2 「道徳の時間」の設置と道徳教育
     3 「期待される人間像」と道徳教育
     4 臨時教育審議会以降の道徳教育

    第2章 「特別の教科 道徳」の成立過程(1)──教育改革国民会議から教育再生会議まで
     1 はじめに
     2 教育改革国民会議における道徳の教科化問題
     3 教育再生会議における道徳の教科化の議論
     4 文部行政・中央教育審議会における道徳教育の充実策

    第3章 「特別の教科 道徳」の成立過程(2)──教育再生実行会議から学習指導要領の改訂まで
     1 教育再生実行会議と道徳の教科化
     2 「道徳教育の充実に関する懇談会」の「報告」
     3 中央教育審議会答申「道徳に係る教育課程の改善等について」をめぐる議論
     4 「特別の教科 道徳」の成立と検定教科書
     5 「道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議」の「報告」
     6 「考える道徳への転換に向けたワーキンググループ」の議論
     7 おわりに

    第4章 道徳教育の本質を「考え、議論し続ける」
     1 「考え、議論する道徳」と「主体的・対話的で深い学び」
     2 道徳的価値と「多様な価値観」
     3 道徳的判断の構造
     4 道徳的諸価値の「自覚」と「考える」こと
     5 「考え、議論する道徳」と学校づくり・学力
     6 「考え、議論する道徳」を「考え、議論し続ける」

    第5章 「特別の教科 道徳」設置の意義と課題
     1 「特別の教科 道徳」の成立
     2 なぜ教科化する必要があったのか
     3 教科化問題は構造的な課題でもある
     4 道徳科の設置と「質的転換」
     5 道徳科設置の歴史的意義
     6 道徳科の課題
     7 歴史研究の必要性


     第Ⅱ部 教育勅語をどう考えるか

    概 説

    第6章 近現代教育史のなかの教育勅語
     1 はじめに
     2 「徳育論争」と教育勅語の渙発
     3 教育勅語観の諸相と「動揺」
     4 国民道徳論と教育勅語
     5 「日本精神論」と教育勅語の解釈変更
     6 戦後教育改革と教育勅語問題
     7 「教育勅語体制から教育基本法体制へ」の検討
     8 おわりに

    第7章 教育勅語問題における「国会決議」の意義
     1 はじめに
     2 「国会決議」の成立過程
     3 「国会決議」をめぐる教育基本法と教育勅語
     4 1946年「通牒」と「国会決議」の関連性
     5 おわりに


     第Ⅲ部 愛国心をどう考えるか

    概 説

    第8章 戦後日本と愛国心
     1 敗戦から1960年までの愛国心論の展開
     2 1960年代以降の愛国心論議
     3 「期待される人間像」(1966年)と愛国心
     4 高度経済成長と愛国心
     5 教育基本法の改正と愛国心
     6 教育基本法改正後の愛国心
     7 おわりに──愛国心問題のゆくえ

    第9章 戦後の道徳教育と国際理解教育
     1 はじめに
     2 戦後の道徳教育と国際理解
     3 「特別の教科 道徳」と国際理解
     4 道徳科における国際理解の課題

    あとがき
    資料編
    人名索引/事項索引

    コラム
     1 道徳の「専門免許」は必要だ
     2 教育勅語と田中耕太郎
     3 教育勅語批判の根拠を問う
     4 「愛国心はけしからん?」

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著者プロフィール

2022年4月現在
武蔵野大学教育学部・同大学院教授

「2023年 『総合的な学習の時間の新展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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