証言 天安門事件を目撃した日本人たち 「一九八九年六月四日」に何が起きたのか
- ミネルヴァ書房 (2020年11月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784623089925
作品紹介・あらすじ
中国現代史の転換点となった1989年6月の天安門事件に際し、当時北京にいた日本人は何を考え、何を見て、いかに行動したのか。事件から30年が経ち、関係者の多くが一線を退き引退しつつあるいま、支障なく証言することがようやく可能となった。天安門事件を契機に中国が世界第2位の経済大国にのし上がった今こそ、次世代に語り継いでおきたい事件の秘話・個人の体験を、永久保存版として残す。
感想・レビュー・書評
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多様な人たちの記憶と、それぞれの立場を反映した貴重な記録。読み応えがたっぷりある。
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事件当時は中国の他の都市に居住していた。デモがあり街は封鎖され、日本人は立て続けに帰国した。北京から遠く離れた所であっても、衝撃を受けたことを、30年たっても忘れられない。本書での証言は様々な立場で目撃した一部始終であり、実に生々しい。当時の情報から多くの誤解があったのを今更ながら知った次第。
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40人以上のリアルタイム体験(現地にいたとは限らずだが、中国にはいた人を含む)の追想集。様々な立場の人の発言は興味深い。
何故、必ずと言っていいほど学生が抗議行動を起こすのか?を初めて理解した。意外な事に、同事件では天安門に座り込んだ学生達にはほぼ怪我人すら無かったと思われること。社会人も普通に大きな不満を抱えていて、暴動は殆どが社会人によるものだった事。
情報統制や嘘など平気で行う政府・党。国が巨大過ぎる為か、北朝鮮ほど力づくで抑えるのではなく、嘘を信じさせる工作計画も周到である事を改めて知った。
国のトップとは別に、業界や会社レベルでは様々な親交が並行して紡がれ続けている点も、何だか不思議な気がしたが、大切な事だと思う。
中国の党やトップに対する思いとは別に、会社や個人まで混同(悪人扱い)しないようにすべきだとも思った次第。
