ビットコイン・スタンダード:お金が変わると世界が変わる

制作 : J・モーリス 
  • ミネルヴァ書房
4.45
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本棚登録 : 92
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623090297

作品紹介・あらすじ

世界中で読まれているビットコインの基本書、待望の邦訳。資本主義化の政府債務状態にあって、個人の資産が国家と紐づいている現状は果たして健全といえるだろうか? ビットコインが提案する「健全な通貨制度」の理想を達成することで、個人と社会の関係性、資本蓄積の方法、交易のありかたはどう変化しうるのか。貨幣を通して人類の未来を問う。

感想・レビュー・書評

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  •  本書は全10章から成る。
     前半では、貨幣の機能、原始貨幣から金属貨幣、法定通過に至る歴史的経緯を説いた上で、人為的な通貨膨張政策が経済危機を引き起こすと痛烈に批判する。
     第8章から最終第10章まででビットコインが具体的に論じられるが、供給量の上限が設定され、P2Pネットワークにより管理権限を持つ中央組織を廃した、デジタル技術の特性を活かした新しい通貨であると、著者は高く評価する。
     特に第10章では、ビットコインについて指摘される問題点の一つひとつに対して具体的に答えているが、ブロックチェーンのことやアルトコインとの違いなど、大変勉強になる。

     本書は、ミーゼス、ハイエクのオーストリア学派の経済・金融思想に拠っており、徹底した反ケインジアン、反中央銀行の立場である。批判する表現もキツく、好悪の分かれる書だろうが、中国が暗号資産を禁止するなどの動きが見られる中、一読の価値があると思う。


  • お金がビットコインに代わることについて、過去貨幣ができた背景やその歴史などを理解したうえで、仮想通貨にする意義などを考えたかった。
    この本は貨幣の価値や意義はもちろん、貨幣の本質的な機能などについて歴史的背景も含めて述べられていて面白い。自分がなぜこうなるのかというところがきちんと説明がなされている感じ。

  • 通貨の役割、歴史からビットコインについて
    中立的な視点で書かれており
    通貨に関して理解を深めることができた。

    特に時間選好にかんする記述が印象に残った。
    時間選好の低い人は、自制心が高く目標達成に向けて合理的な判断をできる。

  • 東2法経図・6F開架:338A/A45b//K

  • ビットコインの理解を深める上で、必読の一冊ではある。という前提にたちつつ、著者のポジショントーク、法定通貨へのうらみつらみがややすごくて、少し、偏った考えのもと、不健全な法定通貨から、金本位制のような健全な通貨制度になれば、すべてうまくいく、といった論理展開はやや飛躍がみられる。
    ビットコインが法定通貨とは異なり、金本位制のような健全な通貨となりえる可能性の提示には大いに賛同しつつも、では、なぜ、不健全と言われる法定通貨がこのまで浸透したのか、不健全であることが、今後、健全と言われるような通貨制度に入れ替わるという保証やシナリオはみえないなとも思った。ビットコインをベースとした、新しい通貨制度は国民にとって、とても魅力的であるストーリーに感じつつも、その魅力的なストーリーが実現するかはまた別問題だなと。とは言いつつも、私にとっては、未だに、ビットコインが中長期的に社会神道する、新しい通貨であり、資産であると考えている。

  • いい本だった。2021年の象徴的な本に間違いなく入るだろう。

    ビットコインの本質をビットコインではないもの(主に法定通貨とそれが孕む課題)から論じる本

    ビットコインは複雑・高コスト・非効率だが、参加者間の信頼の排除に成功した信用0%,検証100%のシステム、という文言はビットコインの説明に使いやすそう。


    ビットコイン本はたいてい、ビットコインそのものの特徴や技術的要素の解説にとどまり、それがなぜ生まれたのか、それは現実世界にどういう意義があるのか(どういう課題を解決するのか)を説く本はあまりなかった。
    なので、関連する本を何冊も読み、自分なりに知識を結合して拙いながらも導くしかなかった。
    この本はパズルの最後の1ピースを埋めてくれるかのような気持ちよさと明快さがあった。

    読んだ多くの人には貨幣感に対するコペルニクス転回が起こるんじゃないんだろうか。
    貨幣といえば法定通貨を差し、それを軸に我々は経済取引を行なったり価値の貯蔵や尺度の判断をしていた。
    しかし法定通貨は特権的な組織や人が簡単に供給をコントロールできてしまう非常に脆弱なものであるとわかる。使うたびに曲がったり目盛が入れ替わる定規のようなものだ。

    カンティロン効果:貨幣膨張で儲かる人はそれを早期に受け取れる人のみ(トリクルダウンの上流)

    この本を読んで気になったことは次の通り、これは今後詰めていこう。

    ・資本主義的自由主義における自責と他責(=許容される政府の介入領域)の線引き、収集と分配のあるべき姿論

    ・本著では敵とされている法定通貨肯定者(ケインズ経済学支持者?)の言い分、主張。オーストリア学派経済学の骨子。

    ・ジュリアンサイモンの本 「究極の資源」
     金や原油の希少性は、物質の物理的量ではなくその入手に必要な「人間の時間」こそが物差しであると説く。

    —--------

    この本で言うケインジアン=タレブのフラジリスタ
    ・リバタリアン向き?

    ・健全な壁が必要なのはわかる。では、富の再分配は、、? 富の再分配として許容逸れる行為とそうでない行為の差は?=自己責任のラインは?


    ・金本位を唾棄した国家、政府を非難してるけど、捨てる理由が何かあったはず、それはなんだろう。
    ・オーストリア学派経済学 が本著の思想に大きく影響しているっぽい。となると、これ自身がなんたるか学ばないとな。
    信用創造、失敗の許容、外部性

    ・時間選考という本質、視点の長期性
     投資、マシュマロ効果、貨幣価値、

    (アフリカで一時期貨幣として機能していたガラスビーズに対して)"ヨーロッパからの大量流入により、ビーズはビードマネーからイージーマネーに転落して市場性を失った。ビーズを保有するアフリカの人々の購買力は次第に低下し、彼らの資産はビーズを安価に調達できたヨーロッパ人に移転され、アフリカは貧困化した"

    給料を今するsalaryはラテン語で塩を意味するsalを語源とする

    "ネロはアウレウス金貨の金含有量を8グラムから7.2グラムに〜減らした。これにより状況は一時的に好転したが、しばらくすると人民の怒りを起点として価格統制、硬貨の悪鋳、物価上昇という悪循環が始まり、その後は悪循環がまるで季節が巡るかの如く規則正しく繰り返される破壊的スパイラルに陥った。"

    "国内ではハードマネーであっても、その国の貨幣は外国のハードな人駆逐される運命にある。その過程でインドと中国の間の大半を大学にばれてしまった。これは極めて重要な歴史的教訓だ。自分には無関係なものと切り捨てる人に伝えたい。あなたが所有する場合よりもハードな貨幣所有する人がいる場合、あなたの行く末は火を見るより明らか"

    銀行、中央銀行と言う限られた場所で金現物が集中すると、政府による干渉募集のリスクが高まる。金本位制で支払い決済に伴う近々別の色が不要になったことで、銀行と中央銀行は金10名以上のカフェ、すなわち、金の裏付けを書く貨幣を発行できるようになった。決済ネットワークの重要な経済、銀行の信用が通用するほど経ちました。銀行が貨幣を発行し始めると、政府は中央銀行を介して銀行の支配に乗り出した。

    第一次世界大戦を機に、市場の自由競争を勝ち抜いた財が貨幣機能を担う時代が終わり、政府が法令で適用をキャ右制する法定通貨の時代が始まった。

    法定通貨=フィアットマネー、フィアット=権威

    政府は法定通貨での納税を国民に義務づけることで、法定通貨を延命できるかもしれない、しかし、法廷タウかの価値崩壊を防ぐ唯一の方法は供給量の抑制だ

    資金調達方法として、紙幣増刷は増税よりずっとハードルが低い
    戦費調達が困難だったちめに、19世紀以前の戦争は小規模で期間も短かった
    政府は国民の財産を介して直接的に奪う代わりに、インフレを介して間接的に奪えるようになった

    経済状況は総消費量で決まると説くケインズ経済学
    目的に関わらず、支出は需要を産み失業者を減らすので善とする→戦争は景気回復の起爆剤という発想が肯定される

    有権者は経済学の法則を忘れてフリーランチは実在すると信じた。この幻想を支えたのが法定通貨である。他国にツケを払わせるドル増刷を財源とした財政支出拡大政策はアメリカ大統領選挙の必勝公式となった

    外国為替市場は1日の取引高が五兆ドルにも達するが、非効率な制度に起因する産物に過ぎず実社会になんの価値も提供しない。

    ハイパーインフレに苦しむ途上国の国民は資産を守るために自国通貨を売って耐久財、金、外貨などを買う。米国ドル、ユーロ、日本円、スイスフランのような準備通貨は闇市場を含めれば世界中どこでも入手できるためこうした人々の価値貯蔵需要を満たしている。

    アメリカ→国民の金保有を禁止して、買取を強制。そのご対ドル価格を切り上げて金をドルに変えさせられて国民から実質資産の横取りをした。
    中央銀行は国民には法定通貨の使用を強いながら、裏でこつこつと金の蓄えを進めている
    →発言でなく行動を見る

    かつて貨幣は経済価値創造に対する報酬であった。しかし、政府管理下に置かれたことで、貨幣は政府への服従に対する報酬に変わってしまった。
    もしあなたが政府を支持しないなら、法定通貨で資産を保有することは合理的選択でない。銀行預金の差し押さえはもちろん、通貨膨張を介して資産を横領した上で忠実な国民に報酬として与えることもできる。

    価値は、価値を感得する人間がいて初めて存在するもの→価値の理解には人間の理解が必要不可欠

    貨幣適正は金属や物質に固有な特性に由来するわけではなく、金が貨幣の地位を獲得したのは健全な貨幣の基準を満たしたからに過ぎない(とミーゼスは考えていた)

    カンティロン効果: 通貨膨張の恩恵を受けるのはそれを早期に受け取る人たち。物価価格が膨張を反映する前に使えるから、受け取るのが遅ければ遅いほど物価価格に対する優位性はなくなる。
    この恩恵を受けられるのが富裕層でありとばっちりを喰らうのが低賃金・固定給で働く労働者

    時間選考(将来の消費より現在の消費を優先)の低下は文明化の起点であり、社会の協調、繁栄、平和の土台となる。

    "動物の時間選考は人間に比べるとはるかに高い。ほとんどの動物は目の前の本能的欲求を満たすために行動し、将来という概念を持たない"
    "人間は時間選考が低いため、本能的、動物的欲求を抑制し、将来を見据えた最善策を考えて合理的に行動できる"
    "時間選考が低下すると、より遠い将来の需要を見据え、長期的視点で生産活動を行うようになる。消費をするための商品ではなく、将来の生産に使うための商品、つまり、資本財を生産するという知恵を得る。"

    "金固有の物理的及び化学特性が供給の大幅増加が不可能なことを保証している。それが金を健全な通貨の代名詞とした"

    "今日の音楽という名の騒音は刺激の押し売りで無意味な快楽を与える"
    "価格は知識であり、情報である"
    金利も一つの商品価格。中央銀行が操作することで市場が歪められている

    "ミーゼスは社会主義経済が必ず失敗する根本的原因を説明している。一般的には単なるインセンティブ問題だと考えられているがミーゼスの見解は異なる、社会主義国家では働かないものは投獄または殺害される。ソ連で100年間に約一億人が政府に殺害された。このことからも、労働に従事するインセンティブは資本主義国家よりも大きい...ミーゼスは社会主義経済の致命的欠点として価格メカニズムが機能しないために正確な経済計算ができないことを挙げた。"

    "企業は銀行が顧客から預かった預金よりも多くの資金を借り入れられる。これは人々が預金するために先送りした消費の価値が企業が借りる資金価値よりも小さくなるということだ。先送りされる消費が十分でなければ、最終消費財生産から資本財生産への資本、土地、労働力の移行は起こらない。
    →トレードオフ・モラル崩壊、時間選好を高める。

    "政府財源は税金に限られる場合、納税者の同意が得られる先にしか予算がつかない"
    →納税者がまともな判断できない説
    "現在の有権者は政策の費用と費用対効果を事前開示する誠実な候補者よりも、フリーランチを約束する不誠実な候補者を支持する傾向がある。"

    "法定通貨の世界では、企業が重視するのは顧客満足ではなく、中央銀行というかへ供給間との関係構築である。低金利融資を受けられる企業は、受けられない生競合他社よりもはるかに優位に立っているからだ。カフェの健全性の変化に伴い企業の成功要因は社会への価値提供から低金利融資へのアクセスに変化した。これが信用創造とは無縁のゾンビ企業が無数にはびこる現代の経営実態のカラクリがある。その最たる例が政府機関だ。

    今世の中にある決済手段
    対面→取引人同士が同じ場所にいなきゃいけないと言う最大のネック
    第三者仲介→第三者の信用、手数料、時間がかかる

    "ビットコインネットワークの上の100%の減少と0%の信頼の上に成り立っている

    ジュリアンサイモン 「究極の資源」
    地球上に存在する様々な物質の絶対量は私たち人間が計り知れないほど多く、天然資源の絶対量そのものが生産量の上限となる事は無いどんな資源であれ、生産量の制限要因は人間が生産に費やす時間だ。この世で唯一希少資源と言えるのは人間に与えられた時間である。。人間は消費し尽くしたせいで地球が消滅した資源はなく、あらゆる資源の価格は過去のどの時点よりも現在の方が安い。技術の発展で時間当たりの生産コストが低下したためだ

    ビットコインとは演算能力解して電力を事実の記録に変換する技術とも言える

    ブロックチェーン技術採用の検討の是非
    非中央集権のメリットが効率低下とコスト増加のデメリットを上回るか
    分散性を維持できるノードを確保できるか

    ビットコインとは、検証を基盤とした複雑、非効率、高コストなシステムである。検証システムの中核にすえることで、ネットワーク参加者間の信用の廃止に成功した。ビットコインは検証100%、心を0%のシステムと言える。

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