高校生のための人物に学ぶ日本の思想史 (シリーズ・16歳からの教養講座 1)

制作 : 佐伯啓思  公益財団法人国際高等研究所  高橋義人 
  • ミネルヴァ書房
3.67
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本棚登録 : 24
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623090341

作品紹介・あらすじ

日本を代表する碩学が日本の思想史を知る上で欠かせない夏目漱石、森鷗外、宮沢賢治、三浦梅園、西田幾多郎、太宰治を語る。その人物の思想史の中での位置とは何か。そして西欧思想との葛藤のなかで、いかに超克しようとしたのか。何より現代を生きるわれわれにとって、その思想はいかなる意味を持つのかを探る。未来を担う高校生に届ける教養講座。

感想・レビュー・書評

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  • たまーに佐伯啓思と検索かけてしまう私が、ナイスなタイミングで遭遇した一冊。

    日本の思想史とあるが、三浦梅園と西田幾多郎の他は、夏目漱石、森鷗外、宮沢賢治、太宰治とザ•文豪がラインナップされていて、ある意味、神。

    佐伯啓思の語る、夏目漱石の文明開化論と西田幾多郎はめちゃくちゃ分かりやすい。
    西田幾多郎の、ことば以前に純粋経験があることの意味。自分が認識する前の段階について、考える。

    森鷗外の『舞姫』は恋愛じゃない説も面白い。
    家族のために自己犠牲的な愛を捧げることの延長であって、西洋的な男女の身を焦がす恋愛への理解には至っていないと言われると、『舞姫』の唐突感が分かるように思う。
    けれど、森鷗外にとってエリスを描くこともまた同様だったんだろうか。ここは引き続き課題。

    宮沢賢治にとっての死の向き合い方から、コロナ禍に思いを馳せる。
    唐突な別れ、大切な人との別れを生きている人がどう受け入れていくのか。
    何度も何度も反芻しながら言葉を当てはめていく作業がきっと必要だったんだろうと思う。

  • 私は、これを読んでから佐伯氏の近著を数冊購入した。 
     『高校生のための・・・』と高校生向けに書いた体裁になっているが、私が高校生だった頃には理解できなかっただろう哲学、思想といった抽象的概念の世界のを紐解いてくれる本だ。
     電車の中で読んでタイトルを見られるのが恥ずかったので、持ち歩きには違う本を手に持ち、家で枕元に置いて夜読んだ。

     なかなか切り口が鋭く「日本の思想を理解してもらうために、西洋思想と対比させながら、日本の歴史上の人物の文献やら講演やらを利用する。しかも、読者が理解しにくそうな抽象度の高い所、経験が浅そうなところは幾つかの比喩を重ねてくれている。」
    でも、全編をとおすとやはり佐伯さんの“日本”という国を憂いている主張が背景に横たわっているのはしっかりつたわってくる。
     
     

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著者プロフィール

2020年12月現在
京都大学名誉教授・京都大学こころの未来研究センター特任教授

「2021年 『高校生のための 人物に学ぶ日本の思想史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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