どのアメリカ?:矛盾と均衡の大国 (セミナー・知を究める 4)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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本棚登録 : 23
感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623090723

作品紹介・あらすじ

アメリカとは何なのか。なぜ幾度も世界中の人々に迷惑をかけ呆れられながら、憧れの対象でもあるのか。過剰なまでに多様でありながら、時として一つにまとまる。平等を掲げているのに、差別がはびこる。しかしこの矛盾こそがアメリカをアメリカにしている。アメリカで青春時代を過ごし、ロイヤーとして働いた著者が、矛盾を常に抱えるアメリカ、だからこそおもしろいアメリカを読み解く。

感想・レビュー・書評

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    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/551153

  • アメリカ社会に錯綜する多様性について、著者自身の長い在留経験をもとに解き明かすサラッと読めるエッセイ。

  • 多様性の国、史上最大の大国、正義を押し付ける国。自由と平等、差別。多くの矛盾を抱えたアメリカ合衆国の実情に知るに最適の一冊。

    自由と平等、多様性の国。まとまりがないようで有事にはなぜかまとまる、つくづく不思議な国アメリカ。世界史上でも珍しい理念先行の人口の国。自由と平等そしてまた個々人の自由同士が対立する多様性の国でもある。

    本書は右に左に大きく触れ続ける超大国アメリカを、現地で弁護士としても活躍し大学教授を務める筆者が自らの体験を中心に語っている。阿川弘之のご子息、佐和子さんの兄。

    自由と平等を享受しているはずなのになぜか息苦しい。貧富の差も拡大の一途。人工国家の壮大な実験は、本書を読む限りアメリカの一部分。トランプ旋風も特殊な時代ではなくアメリカだからこそ起こりうる減少、アメリカだからこそ選ばれる大統領。

    日本から見ると欧米とひとまとめにしがちだが、日本とヨーロッパ諸国の方が実は似ていることにも気づく。

    アメリカの複雑な仕組みを、分かりやすく語る一冊。中国の台頭があってもアメリカの地位は変わることはないだろう。

    分かりやすく解説された一冊でした。

  • 様々な方面からアメリカとはどのようなものかを考える


    アメリカは広い。日本程度の広さでも南北で気候が違うのに、アメリカはさらに東西にも広い。
    そのため当然地理や文化、その他様々なものが違う。
    そのような多くの部分が異なるものをまとめるのはとても大変である。
    また、平等を謳っているのに差別があったりなど多くの矛盾もある。
    しかし、それをうまくまとめているのがアメリカである。
    本著ではそんなアメリカを様々な方面から紐解き、アメリカとはどのような国かを考える。

    テーマは、
    多様と異質
    まとまりとバラバラ
    個人と団体
    自由と平等
    競争と区別
    を対比して考えるものと、
    憲法
    19世紀、アメリカほぼ全域を旅したフランス人トクヴィルから見たアメリカ
    トランプ元大統領
    がある。

    読んで感じたことはますます深まる混沌と謎である。

    自由と平等を謳っているために、それを得るために競争が過熱し、格差が生まれる。

    本書ではアメリカで暮らすことを、「アメリカ人になりきるには、成功を信じつつ終わりのない道を生涯歩かねばならない」とあり、そしてそのことを
    山崎正和という人物の言葉を借りて”可能性の泥沼”と書いている。言いえて妙である。
    そして、結果得たそれは不安とせわしなさをもたらすという。事実アメリカ人の表情にはいつもある種の影のようなものがあるという。
    また、最近のニュースなどで上がってくるポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)を本著では、

    > 過剰なポリティカル・コレクトネスの傾向は差別をなくそうとするその意図とは逆にむしろ人種差別を容認するかのような昨今の風潮を助長しているように思われる。

    と考察している。

  • ぱらぱらと捲り読みをした時に、「この本なら読める!」という謎の天啓を得て読み始めた。
    著者の講演を元にし、全9章から成る本。
    著者がロイヤーとしてアメリカで働き暮らした実体験部分が面白かった。歴史に関する著述部分は、読みやすい部分とそうでない部分が混在している。
    トランプ政権までしか書かれてないので、今現在のアメリカについてもお話してくれるのなら、また読みたいと思った。
    トクヴィルの引用が多かったため、トクヴィルの本を読もうと思った。

  • 東2法経図・6F開架:302.5A/A19d//K

  •  評論集のような本。3分の2ほどは、著者自身の体験も交え、多様・異質、バラバラ・まとまる、個人・皆、孤独・群れる、自由・平等、区別・競争、と時には相反するような様々な米国内の姿を描く。ただ、著者が肌で感じた米は、ロースクール、法律事務所、私立学校と、社会の上層限定なんだろうなとは思う。著者がそれ以外の米社会に目を向けていないわけでは決してないが。
     残りの部分のうち、憲法の章は著者らしい。官の抑制という憲法の仕組みがありつつも民の横暴への規制の必要性、また共に建国理念である自由と平等の対立・矛盾。
     トランプ大統領の章では、分極化や、自由と平等への懸念の存在を挙げつつも、著者自身はなお米国の多様性には楽観的だ。

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著者プロフィール

2021年5月現在
慶應義塾大学名誉教授,同志社大学法学部前特別客員教授

「2021年 『どのアメリカ? 矛盾と均衡の大国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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