人間と社会のうごきをとらえる フィールドワーク入門

  • ミネルヴァ書房 (2022年4月8日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784623093762

作品紹介・あらすじ

フィールドワークにはどんな魅力があるのか。書庫からストリートに出、さらには海外にも足を運んだ実際のフィールドワークを基に、その具体的な進め方や手法を学ぶ。身近な目標となる学生の体験も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 教科書めいた本なのに、理論的な解説はほぼなく、各研究者の持論が並んでいるようなかんじであまり得るところはなかった。
    フィールドワークが何か全く知らない初心者には良いのだろうか。
    改めて、問いを見つける、見出すことの難しさを思った。
    そしてそれは当初のものからフィールドワークしながら少しずつ形を変えて着地するのだということも改めて学んだ。
    取材と似ている。

  • ふむ

  • 最も新しい本なので、例えば情報教育フィールドワークやICT支援フィールドワークがあるかと期待して読んだが、従来のフィールドワークとそう変わらなかった。ただ、フィールドワークの実例を紹介した本なので、そこで述べられた研究法が役立つとも思われる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/771742

  • 序 章 フィールドワークとは何か――地球の裏側へ/足元へのはるかな旅から(新原道信)
     1 はじめに――いまだかたちをとらないうごきをとらえるために
     2 あるき・みて・きいて・よみ・しらべ・ふりかえり・ともに考え・かく
     3 そもそもフィールドワークをしてよいのか?
     4 謙虚に,慎み深く,低きより
     5 まず始めてみるための「覚え書き」
     6 フィールドワークの「道具立て」
     7 ひとまずのまとめ――フィールドワークとは何だろうか?
     8 おわりに――フィールドワーカーとの対話にむけて
     補遺:フィールドワークの重要事項


     第Ⅰ部 いくつものフィールドワークの道

    第1章 民俗学者・宮本常一の足跡をたどる旅から――あるく・みる・きく,そして記録する(木村哲也)
     1 旅の始まり
     2 白木山からの眺め
     3 「景観が語る」ということ
     4 “音”の記録は残りにくい
     5 フィールドワークと文字資料
     6 旅する土地が結び合う
     7 庶民に生きる「公正(フェアネス)」の感覚
     8 下調べは必要か
     9 聞き書きと編集の問題
     10 受け売りで話す人,誤りを話す人
     11 学問は「遊び」から生まれる

    第2章 環境,公害というフィールドから――書庫を介して外へ出る(友澤悠季)
     1 はじめに――本章の前提
     2 「フィールド」を定めるまで
     3 何と出会ったか
     4 「壁」を見ながら,作品を書く
     5 探究の行き先

    第3章 新宿・大久保の路地と小さな祭りから――フィールドを往還する(阪口 毅)
     1 はじめに――心の風景
     2 フィールドワークの始まり
     3 フィールドで何と出会ったのか
     4 フィールドワークの「終わり」
     5 おわりに――再びフィールドへ

    第4章 マニラのボクシング・キャンプから――〈関係史〉として社会をとらえる(石岡丈昇)
     1 なぜフィールドワークか
     2 事実はまだ現実ではない
     3 現れる勇気
     4 生活史へ
     5 二重写しで見る
     6 たどること

    第5章 中国の国境地域を生きるムスリムから――意味世界のなかにあって観察し記述する(首藤明和)
     1 うごきの原動力となったフィールドワークでの〈こだわり〉は何か?
     2 誰の,何と,どのように出会ったのか?
     3 いかなる〈智〉を伝えたいか――時間的持続と社会的合意に向けたうごきが構成する場

    第6章 イタリア国境地域の人びとの故郷喪失体験から――失敗と隣り合わせのフィールドノーツを書き留める(鈴木鉄忠)
     1 素人のフィールドワーク
     2 フィールドワークの始まりはどのようなものだったか
     3 どのような「壁」に直面し,どう乗り越えたのか
     4 フィールドの重要人物にどうしたら会えるか
     5 どのように信頼関係を築いたらよいのか
     6 おわりに――フィールドワークはいつ終わるか

    第7章 ニューヨーク・ハーレムのストリートから――ふれる・まじわる・かんずる,そしてかんがえる(中村 寛)
     1 シカゴ市サウスサイド,モスク・マリヤムへ
     2 ニューヨーク市ハーレムへ
     3 モスクからストリートへ
     4 おわりに――フィールドワークについて誰もが学校で習うこと


     第Ⅱ部 旅/フィールドワークする学生たち

    解説 旅/フィールドワークする学生たち――フィールドワークの作品が生まれる場を〈ともに〉する(新原道信) 
      
     1 はじめに――「見知らぬわが街/家族/わたし」の“社会学的探求”
     2 ゆっくりと,やわらかく,深く,耳をすましてきき,勇気をもって,たすけあう
     3 見知らぬわが街――両親の故郷への旅/フィールドワーク
     4 見知らぬ家族とわたしの歴史への旅/フィールドワーク
     5 根源的な悩み――生きることの旅/フィールドワーク
     6 おわりに――うまくいかない時のことも書き/描き遺していく

    第8章 都営「立川団地」でのかかわりから――プロジェクト型のフィールドワークをともに〈つくる〉(大谷 晃)
     1 はじめに――素朴な「疑問」や「違和感」から始める
     2 フィールドに行く前に――「事前調査」としてできること
     3 フィールドのなかでうごく――関係性に組み込まれるなかで後からわかること
     4 おわりに――フィールドの関係性をつなぎ,問いを立てていくという実践

    第9章 クアラルンプールでのヨガ実践から――「予想外の事実」を〈ふりかえる〉(栗原美紀)
     1 はじめに――個人的な経験に基づく問題関心
     2 クアラルンプールに行くきっかけ
     3 ヨガの先生たちとの出会いによる視点の変化
     4 おわりに――自分の内側にある「予想外」に気づく

    第10章 昭島市「八清住宅」と小河内ダムをつなぐ「歴史」から――「来し方」より資料と場所を〈よむ〉(鈴木将平)
     1 過去への視点
     2 「歴史」のフィールドワーク
     3 資料と場所を読んでいる「私」


    終 章 こだわり,出会い,すくいとり,うごいていく――人間と社会のうごきをとらえるフィールドワークへ(新原道信)
     1 はじめに――ごくふつうの“臨場・臨床の智”
     2 うごきの原動力となった「こだわり」は何か?
     3 誰の,何と,どのように出会ったのか?――フィールドにつかまれる
     4 どのように,〈あるき・みて・きいて・よみ・しらべ・ふりかえり・ともに考え・かく〉という営みをしているのか?
       ――“惑星社会のフィールドワーク”と“未発のコミュニティへのフィールドワーク”
     5 「生老病死」と向き合う“内なる惑星のフィールドワーク”
     6 “出会い”の意味を“すくい(掬い/救い)とる”
     7 日々を生きるデイリーワーク/フィールドワーク
     8 これからうごき出す若い人たちへ

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著者プロフィール

中央大学社会科学研究所研究員・文学部教授

「2020年 『地球社会の複合的諸問題への応答の試み』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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