五代友厚と北海道開拓使事件 明治十四年の大隈追放と五代攻撃の謎に迫る

  • ミネルヴァ書房 (2022年7月11日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784623094226

作品紹介・あらすじ

大阪発展の恩人、五代友厚の汚名を晴らす。明治十四年に官有物の払下げを出願したとされる五代は、不当に安く払下げを受けたものと激しく批判され、後世「政商」呼ばわりをされるに至った。果たしてそれは事実なのか?
本書では、当時の新聞記事だけでなく、一次史料によって五代の汚点とされる開拓使官有物払下げ事件が、どのような経緯で推移したのかを、洗い直すとともに、大隈重信が追放された明治十四年の政変の謎にも迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 基礎講座などでは開拓使長官黒田清隆が、同郷の実業家五代友厚らが関係する関西貿易社に不当に安い価格で払い下げようとしたと出題される

    この事件はひとえに黒田清隆が開拓使廃止を数年先延ばしを狙うが叶わないと知ったとき、安田定則ら配下の管理を下野させるかわりに急遽立ち上げた「北海社」一括で事業を継続させる=実質継続のための企てで、北海道的には事業採算伴わないものが数年面倒みたマイナスだけ残る

    同じころ五代友厚は関西貿易社を結成して対中国貿易を計画していたが、黒田清隆の一括引き取り提案を断っているが、岩内炭鉱と厚岸山林だけは正式申請している
    多くのマトメサイトも五代関西貿易社と安田北海社を混同しているが「五代は一切払い下げ談合に関わっていない」ことが分かっていない・・・18年に亡くなった五代は借金100万円あったという

    自由民権運動側も五代=黒田路線を追求して政権転覆に利用しようと企てていた
    寺島家文書(自由民権運動家動向)探偵書より
    「開拓使払下ケノ一件是ナリ、今日兵器ヲ用ヒスシテ政府ヲ転覆シ、革命ノ期ヲ望ミ、其ニ着手スルニハ好機会ヲ得ル」
    で、新聞各社がフェイクニュースした(´・ω・`)

  • 東2法経図・6F開架:210.63A/Su19g//K

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著者プロフィール

2022年7月現在
住友史料館研究顧問(前副館長)。元広瀬歴史記念館名誉館長

「2022年 『五代友厚と北海道開拓使事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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