近代日本の「知」を考える。 西と東との往来 (21) (叢書・知を究める)

  • ミネルヴァ書房 (2023年1月31日発売)
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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784623095308

作品紹介・あらすじ

近代日本を形作った知識人はどのような道を歩んだのか。本書は、東京一辺倒な日本の知性史へのアンチテーゼである。あえて西に視座を置き、学術に限らず、文学、美術、政治と幅広く29人を選ぶ。主著の一節を手掛かりにその知識人の生き方と人生そのものを探る「知」の列島地図。お互いに絡み合い交錯する近代日本の「知」をしなやかで精緻な言葉で描く。

感想・レビュー・書評

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  • 〇先人たちの残した本は、いまに生きる知と教訓の宝庫なんだなぁ、と実感。普段読めない本もナナメ読み!
    著者の宇野重規氏は、東京大学の教授であり、かの「学術会議で任命されなかったうちの1人」である。
    種々物議を醸したかの件であるが、
    帯にも

    もっともっと日本の『知』に自由な風を!

    という文章が躍る。
    その文章の通り、知の巨人と言うべき人々の本や発言をもとに、それに対して宇野先生がコメントする形式で構成されている。

    私が読もうと思ってなかなか出なかった巨人たちも多く、そこから少し紹介したい。

    ◇鶴見俊輔
    日本の哲学者・思想家の代表と言えばなぜかこの人を思い浮かぶ。2015年に逝去したとき、こぞって多くの出版社やメディアが特集を組んだり追悼の出版・販促をしたりしていたのをよく思い出す。
    政治から一定の距離を取りつつも、市井の人々の生活に基づく運動や思想を分析し提起し、そして増幅させて社会を広めようとしてくれた人なのだ、と宇野氏は教えてくれる。

    ◇三木清
    うっすらと知ってるか知らないか微妙なところの人。
    ただ、面白かった。
    京大哲学科出身で海外留学し世界の哲学の流れをつかむ。その後日本に帰ってきて治安維持法での検挙の憂き目にあい、しかし、岩波書店のブレインとして活躍した、というのだから、もっと知っていてもいい人だと思った。「人生論ノート」では、死・幸福・孤独・希望を、彼の視点で丹念に伝えてくれるそうだ。

    ◇与謝野晶子
    みなが知っている彼女だが、弟が戦地に行くときの歌で有名だが、肉感的な歌もありつつ、夫を慮っての行動も多く、人間的だからこそ読めた歌なのかもしれない、と思う。

    3名しかここでは挙げなかったが、すでに読んでたらおそらくもっと面白かったであろう宇野氏の論考を、大事に心の奥にしまっておきたいと思う。

  • 東2法経図・6F開架:281A/U77k//K

  • 広報誌連載記事の書籍化で、約30名程度の「知識人」を紹介。内容的にはかなり軽め。知性に関して西とか東にコダワルというか分類することに意味があるのかどうか、少々疑問に感じるところもある。

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著者プロフィール

東京大学社会科学研究所教授

「2023年 『法と哲学 第9号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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