よくわかる日本語学 (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)

  • ミネルヴァ書房 (2024年7月5日発売)
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本 ・本 (202ページ) / ISBN・EAN: 9784623096206

作品紹介・あらすじ

本書は、日本語学・国語学を専攻する大学生、またひろく一般読者に向けて書かれた、日本語学の奥深く豊饒な世界を堪能できる入門書。具体的な例をあげ、日常生活に潜むことばの法則を読み解く。日本語の定義から始まり、音声、形態、語彙、統語・意味、表現、言語行動、日本語史まで、第一線で活躍する執筆陣が、それぞれの項目について研究の最前線のエッセンスをやさしく、楽しく学べるように解説。

感想・レビュー・書評

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  • 2024年7月発売。
    日本語学の現況を知ることができる新しい本。

     「国語教育」は日本語母語話者を主たる対象とした、主に学習指導要領に基づく言語教育。対象者はすでにある程度話したり聞いたりすることができる。
     「日本語教育」は主に日本語を母語としない人を対象に語彙や文法事項を一から教える。

    言語学の一部としての日本語学の基本事項が説明されている。
    日本語のアクセント、表記、役割語とキャラクター、オノマトペ、方言、敬語などが各分野の研究から解説されている。

     言葉の使い方、文章の書き方は、個人・組織によってバイアスがある。普段、自分が使っている語彙・言葉使い・文章の書き方を洗い出す意味でも、日本語学の成果を見ておくことをオススメしたい。

  • 選書番号:638

  • タイトルの通り、日本語学についてよくわかった(気になれる)。「日本語の定義」からはじまって、「音声・音韻と表記」「形態論」「語彙論」「統語論・文の意味論」「文章・文体・表現論」という言語そのものを対象とした概説から、「言語行動・社会言語学・応用日本語学」「日本語の歴史」といった言語とその周辺との関わりの概説に移る。全テーマ、見開き1〜2ページに収まっているので、気になるテーマについての概要を短時間で確認できるのもありがたい。
    最後の「日本語の歴史」は、新しく知ることも多く面白かった。個人的な興味関心からすると、「10 形態の変化」(p164)なんかが、特に興味深かった。

    中学校で学ぶ学校文法は、いわゆる橋本文法が、現代日本語を分析する上では、矛盾があったり、一貫性に欠けていたりすることはよく言われる。ただ、それでも橋本文法を教える理由として、度々出されるものの一つが、高校以降の古典文法との連続性だと思う。
    「10 形態の変化」では、動詞の活用について、古典の動詞についても、日本語教育で使われる「子音動詞」「母音動詞」の分類を使って整理して、古典から現代への言語の変化を分かりやすく説明してくれている。日本語教育で使われる現代日本語文法から、古典文法への繋がりを考えるのに、とても参考になった。こういう言語の歴史的な変化に注目していけば、わざわざ現行の学校文法に、文法教育の教育内容は、こだわる必要がないのではないかという可能性が、少し見える。

    ちなみに、ページ数の割き方から分かるように、言語学と聞いたときに誰もが思い浮かべやすい「統語論」が大部分を占めている。6、7章で、「文章」「文体」「表現論」と、「言語行動」「社会言語学」「応用日本語学」が、それぞれ一章に詰め込まれていることからも分かるように、文よりも大きい単位を分析対象とする談話分析やテクスト言語学のような領域や、社会言語学的な領域の解説は、ものすごく薄く感じた。
    いわゆる文法のような、日本語自体の仕組みに関する現状の研究成果を初めて学ぶ人はもちろん、改めて見直したい人に、とてもおすすめ本。

  • ◆『よくわかる日本語学』で堪能する日本語の奥深い世界と歴史(2024/09/21 gooニュース) https://news.goo.ne.jp/article/10mtv/trend/10mtv-4170.html

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/718006

  • 【書誌情報】
    編者 金水敏
    ジャンル 文学・言語、文学・言語
    シリーズ やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ
    出版年月日 2024年07月
    ISBN 9784623096206
    判型・ページ数 B5・202
    定価 2,750円(本体2,500円+税)

     本書は、日本語学・国語学を専攻する大学生、またひろく一般読者に向けて書かれた、日本語学の奥深く豊饒な世界を堪能できる入門書。具体的な例をあげ、日常生活に潜むことばの法則を読み解く。日本語の定義から始まり、音声、形態、語彙、統語・意味、表現、言語行動、日本語史まで、第一線で活躍する執筆陣が、それぞれの項目について研究の最前線のエッセンスをやさしく、楽しく学べるように解説。

    [ここがポイント]
    ◎ 日本語学関係の諸分野(日本語学、言語学、方言学、日本語教育他)を専攻する大学生、関心を持つ他分野の研究者や一般読者に、日本語・言語研究の面白さと言葉の不思議さを伝える
    ◎ 第一線で活躍する研究者が、それぞれの項目について研究の最前線のエッセンスをやさしく、楽しく解説 
    https://www.minervashobo.co.jp/book/b647402.html

    【簡易目次】
    はじめに
    1 日本語の定義
    2 音声・音韻と表記
    3 形態論
    4 語彙論
    5 統語論・文の意味論
    6 文章・文体・表現論
    7 言語行動・社会言語学・応用日本語学
    8 日本語の歴史
    さくいん

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著者プロフィール

大阪大学大学院文学研究科教授。一九五六年大阪府生まれ。専門は日本語学(文法史)。著書に『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店、二〇〇三)、『日本語存在表現の歴史』(ひつじ書房、二〇〇六)、『役割語研究の地平』(くろしお出版、二〇〇七)、『コレモ日本語アルカ? 異人のことばが生まれるとき』(岩波書店、二〇一四)ほか。

「2018年 『時代劇・歴史ドラマは台詞で決まる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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