死後体験

  • 未来社
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784624100322

作品紹介・あらすじ

もしもこの課題が、人は死後も生きているという証拠を広く検討することだとするならば、最も証拠となりそうな有望な領域は、研究者が「臨死」体験と名づけてきた領域、すなわち、臨床的には死んだ状態に陥いりながら、なお生き返ってその体験を語った人びとの回想ではないかと思われた。おそらくこうした人たちは、完全に死んだわけではないから、表記上は「近似」死者と書くべきであろう。だが、より深い疑問はこうした人たち、あるいは歴史を通して同じような主張をした人たちが、はたして本当に死んだ後の世界をかいま見たり、体験したのだろうか、という点である。

感想・レビュー・書評

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  • 何をもって生と死を別つか、現代の高度医療をもっても本質的な答えは恐らく生きている者にとって永久的に曖昧なものであるのでしょう。ウィルツ博士の言葉に死を通り過ぎても相変わらず人間であることに変わりはないとあるように、霊的に人間らしい瞬間とは、恐らくその時そのものなのかもしれない。人の価値観とは個をもっていて初めて存在されるものであるが、一般的常識にある利害とは時に反転し得る事を忘れてはならないと、事の全てに静かに訴えかけている意見に触れた貴重な一冊でした。

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著者プロフィール

1949年、長野県生まれ。東北大学大学院文学研究科宗教学専攻博士課程単位取得退学。宮城学院女子大学専任講師、弘前大学教授、筑波大学教授などを経て、現在は駒澤大学総合教育研究部教授。博士(文学)。専門は宗教学、とくに民俗・民衆宗教の宗教学的研究。おもな著書に、『悪霊と聖霊の舞台』(どうぶつ社)、『民間巫者信仰の研究』(未來社)、『近代日本の民衆キリスト教』(東北大学出版会)などがある。

「2019年 『増補 死者の救済史 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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