民具学の提唱

  • 未來社 (1999年6月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784624200244

作品紹介・あらすじ

民具を通じ民衆の生産・生活に関する技術の発達を解明し、文化の始源、普及、定着、複合の姿を追求。人間の生態学的研究にまで迫る新たな科学としての民具学の確立を提唱。
目次
一 民具学の提唱
二 民具の定義と研究領域
三 民具の調査蒐集
四 民具の分類
五 民具と技術の記録
あとがき

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  • 1979年刊。「提唱」とあるとおり、民俗学の一部門(ただし、客観的物証を扱う意味では大きい)たる民具学の黎明、形成の過程。そして、問題点、すなわち「民具」の定義、分類方法、収集方法や展示の有りよう。既存の学問(例えば、考古学・建築史・美術史)との関係やその分析手法の援用の是非などを丁寧に詳述。民具学のパイオニアらしい悩みや努力が満載の一書。民具学の意義は十分理解でき、また権力者側から見た史学とは異質の視座が必要なのも確か。ただ、バブル崩壊を経た現代、果たして民具学が成立するか、そんな疑問はないではない。
    とはいえ、民具とは人間が生活において使用する道具であるという観点から、その分類法の基準に関し、人の動作の差異に依拠させたという著者の慧眼には、驚愕する。

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著者プロフィール

1907年(明治40)~1981年(昭和56)。山口県周防大島に生まれる。柳田國男の「旅と伝説」を手にしたことがきっかけとなり、柳田國男、澁澤敬三という生涯の師に出会い、民俗学者への道を歩み始める。1939年(昭和14)、澁澤の主宰するアチック・ミューゼアムの所員となり、五七歳で武蔵野美術大学に奉職するまで、在野の民俗学者として日本の津々浦々を歩き、離島や地方の農山漁村の生活を記録に残すと共に村々の生活向上に尽力した。1953年(昭和28)、全国離島振興協議会結成とともに無給事務局長に就任して以降、1981年1月に73歳で没するまで、全国の離島振興運動の指導者として運動の先頭に立ちつづけた。また、1966年(昭和41)に日本観光文化研究所を設立、後進の育成にも努めた。「忘れられた日本人」(岩波文庫)、「宮本常一著作集」(未來社)、「宮本常一離島論集」(みずのわ出版)他、多数の著作を遺した。宮本の遺品、著作・蔵書、写真類は遺族から山口県東和町(現周防大島町)に寄贈され、宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)が所蔵している。

「2022年 『ふるさとを憶う 宮本常一ふるさと選書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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