町のなりたち (日本民衆史 5)

  • 未来社 (1968年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (242ページ) / ISBN・EAN: 9784624221058

作品紹介・あらすじ

〔日本民衆史5〕農村国家として出立した日本の古代社会は、律令国家になってはじめて都市の形成をみる。西欧型社会とはいちじるしく異なる日本の町の形成と性格を具体的に明らかにする書物。
目次
一 農村国家
  二 律令国家の成立
  三 町の概念
  四 駅・農民の流離
  五 大陸渡来者
  六 町の発生
  七 貨幣流通
  八 市の成立
  九 定期市
 一〇 宿・散所・河原
 一一 社会保障
 一二 親方子方
 一三 職人と町
 一四 町の生まれる素地
 一五 城下町づくり
 一六 武士のための町
 一七 城下町と農村
 一八 町の自治
 一九 門前町と宿場町
 二〇 港町
 二一 商業農家集落
 二二 都市国家へ

 あとがき

感想・レビュー・書評

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  • (01)
    柳田國男の「都市と農村」の延長にある仕事といえるかもしれない。全編を通じて農村や村との関連から「町」の成立が描かれている。ここでも「村のなりたち」と同様に古代の駅制や渡来人から説き起こし、仮設と常設の市、宿場町、城下町、門前町といった類型とその成立をダイナミックなモデル(*02)で説明している。また、商業だけでなく、工業を担う職人と町の関係も読み取ることができる。

    (02)
    交通や流通の節として、そして農村からの浮浪の一時停滞として、機能性からも町の成り立ちを説いているが、こうした町が、自治的で自律的な町へと変質する機会が少なかったことも、著者は、執拗とも言えるぐらいに、そしてややその限界に対して不満そうに、語っている。それは最終章で近現代の都市を語る口吻にも通じるものがある。

  • 町のなりたち

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著者プロフィール

1907年(明治40)~1981年(昭和56)。山口県周防大島に生まれる。柳田國男の「旅と伝説」を手にしたことがきっかけとなり、柳田國男、澁澤敬三という生涯の師に出会い、民俗学者への道を歩み始める。1939年(昭和14)、澁澤の主宰するアチック・ミューゼアムの所員となり、五七歳で武蔵野美術大学に奉職するまで、在野の民俗学者として日本の津々浦々を歩き、離島や地方の農山漁村の生活を記録に残すと共に村々の生活向上に尽力した。1953年(昭和28)、全国離島振興協議会結成とともに無給事務局長に就任して以降、1981年1月に73歳で没するまで、全国の離島振興運動の指導者として運動の先頭に立ちつづけた。また、1966年(昭和41)に日本観光文化研究所を設立、後進の育成にも努めた。「忘れられた日本人」(岩波文庫)、「宮本常一著作集」(未來社)、「宮本常一離島論集」(みずのわ出版)他、多数の著作を遺した。宮本の遺品、著作・蔵書、写真類は遺族から山口県東和町(現周防大島町)に寄贈され、宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)が所蔵している。

「2022年 『ふるさとを憶う 宮本常一ふるさと選書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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