パレスチナ・そこにある日常

著者 :
  • 未来社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784624410919

作品紹介・あらすじ

家族を見守るような眼差しの向こうに、
パレスチナが、人びとが、生き生きと立ち上がってくる。
生き抜くことのせつなさと苦難の果ての希望も。――長倉洋海

戦闘や犠牲の一面だけじゃない。
そこには笑顔も夢もある。
私たちと同じ「生活」がある。
ガザ、エルサレム、ナーブルス、ラマッラー、そしてビリン……
パレスチナに生きる人びとのありのままの日常を伝えるルポルタージュ。
写真カラー&モノクロ95点。

「パラパラ、ピシッピシッという乾いた音が聞こえたのと、お父さんが『伏せろ! 早く!』と絶叫する声が聞こえたのと、ほぼ同時だった。私たちには何が起きたのかよく理解できないまま、あわてて外に駆け出た。お姉ちゃんの泣き声、お父さんの怒鳴り声、いつもは冗談を絶やさない明るいお母さんの青ざめた姿、子どもの恐怖と興奮。(中略)どうして普通の人びとの暮らしを破壊し、無差別にも見えるやり方で殺すイスラエル軍兵士を、テロリストと呼ぶことはないのだろう。」(「ガザ 日常のなかにある不条理」より)
「ポケットから先ほど摘んできた赤い花を出して『ママ、大好きだよ!』とママを抱きしめて頬にキスをするハムディ。照れくさそうに、そして嬉しそうに微笑むママとふたりの姿をカメラに収めた。」(「友として」より)

感想・レビュー・書評

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  • 最近のイスラエルによるパレスティナの圧倒的な攻撃を見て、改めて読み直してみた。

    読後感は悪い。
    そこにある日常、
    そこに潜んですらなく、明確に存在する不条理。
    人権を声高らかに主張する国々はたくさんあれど、純粋に理想に向かって実践しているわけではない。

    日常の中の喜びと希望、絶望、喪失感。

    現地のパレスティナ人と友人となり、その内実を我々に教えてくれる貴重な本である。

  • 村へとどまることが虐殺の対象になるという噂がパレスチナ全土をかけめぐり、パレスチナ人はパニックに陥った。イスラエルはパニックを起こすことが虐殺の目的だった。

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著者プロフィール

写真家。広島県府中市生まれ。大学在学中より世界の国々を歩き、その地に生きる人びとの「いとなみ」をテーマに撮影を始め、作品を発表。

「2023年 『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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