それでもパレスチナに木を植える

  • 未来社 (2016年11月28日発売)
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本 ・本 (230ページ) / ISBN・EAN: 9784624411022

作品紹介・あらすじ

絶望とわずかな希望のはざまで

前著『パレスチナ・そこにある日常』から6年、分離壁・入植地の増大、不当な逮捕・拘束はさらにエスカレートしている。
“自分にできることなどなにもないのではないか”と挫けそうになりながらも彼の地の人びとに魅せられ通いつづけるカメラマンと、彼女を大きな愛で受け入れる「家族たち」との交流をとおして、「パレスチナ問題」の現実を描く。

感想・レビュー・書評

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  • それでもパレスチナに木を植える [著・写真]高橋美香 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/531418

    それでもパレスチナに木を植える - 高橋美香 著・写真|未來社
    http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022

  • パレスチナのことに関心を抱いている日本人は少ないかもしれません。でも、ぜひ読んでもらいたい一冊。

    パレスチナに生きる人々と一緒に生活をし、その彼らの日常を伝えている。
    でも、その日常は私の日常とは大きく違う。死が隣りあわせと言っても言いすぎではない状況下に置かれている。

    それでも、もてなす心を忘れず、またお互いを気にかけながら日常を生きている人々はすごい。この本に収められているパレスチナの人々の笑顔も素適。

    パレスチナの為に何もできない私だけど、知ることだけはこれからも続けていきたいと思った、そんな一冊。

    それにしても、イスラエルの残虐な行為が、人権無視の行為はあまりにも酷すぎる。


    この本を読んで、同時に思ったのは沖縄のこと。そして、もしかしたらパレスチナで起きていることが、身近で起きないとは決して言い切れないのではないかとも思えた。

  • 作者はよくここまでパレスチナの人たちに溶け込めるなと感心する。そして地元の人たちとともに闘う。イスラエル兵の嫌がらせの数々が凄まじい。放水車が発するのは水道水かと思ったら、家畜の糞尿と化学薬品の混ざった汚水である。人はどこまで残酷になれるのか。
    スムード 不屈、立ち向かうこと
    アウトポスト 入植者が無理やり土地を占拠し、イスラエル兵やボーダーポリスがそこをガードするため入植が既成事実化し、後からイスラエル政府がそこを入植地と認めること

  • ヨルダン川西岸の人々と暮らしを共にしてきた著者が、その「いとなみ」を見つめた1冊。国際政治を俯瞰して不条理を語るのではなく、地に足をつけて、人々の言葉や表情などを拾い上げて丁寧に描いている。デモ参加者に放水される汚水、イスラエル軍によって息子や娘を失った母の心境、入植反対運動が引き起こした村の分裂など、その土地やそこで生きる人を知らなければ書けないことが大切に書かれていると感じた。

  • 前作、「パレスチナ・そこにえる日常」の後続本。
    最近のパレスティナ状況から、改めて読み直した。

    日常の大部分を占めている不条理。
    国家間の公然たるイジメ。
    終わってもなく、終わりも見えず、終わりとはどういう状態なのかもわからない。終わりをゴールに掲げ、実質的に動いている国・機関も見えない。

    そんな中、より追い詰められているパレスティナ。
    パレスティナの日常を知るための、貴重な著者であり、書籍である。
    そして、自分が何をできるか、しようか考えざるを得なくなる。

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著者プロフィール

写真家。広島県府中市生まれ。大学在学中より世界の国々を歩き、その地に生きる人びとの「いとなみ」をテーマに撮影を始め、作品を発表。

「2023年 『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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