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本 ・本 (150ページ) / ISBN・EAN: 9784624700973
作品紹介・あらすじ
いま、あきらかになる《システム》の原理
ソ連時代はタブーとされ、公表されなかったスタニスラフスキーとインド哲学・心身操法ヨーガとの関連を明らかにし、演技理論《スタニスラフスキー・システム》の「心身一体のバランスのとれた演技論」を再認識する、演劇人必読の書。
目次
日本の読者へ
著者より(ロシア語版序文)
はじめに
第1章 スタニスラフスキーの演劇活動に見られるヨーガ
1 ヨーガとの出会い
2 ヨーガとモスクワ芸術座・第一研究所
3 一九一〇―二〇年ごろのスタニスラフスキーの授業におけるヨーガ
(モスクワ芸術座とその第二研究所の俳優たちと)
4 オペラ研究所におけるヨーガ
5 ヨーガと晩年のスタニスラフスキー
第2章 スタニスラフスキーの著作物に見られるヨーガ
1 二〇世紀のヨーガとその古い起源
2 ラマチャラカとスタニスラフスキーのテキスト比較の試み
第3章 スタニスラフスキー・システムにおけるヨーガの要素
1 筋肉の解放
2 交流とプラーナの放射
3 注意力
4 心の視覚のヴィジョン(映像)
5 超意識
6 我あり
あとがき
訳者あとがき
感想・レビュー・書評
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出だしを読んでる状況だがスタニスラフスキー・システムの成立にあたってヨーガの影響がいかに大きかったか、またそれがスターリニズムという「文化大革命」によって徹底的に隠蔽されざるを得なかったかがよく理解できる。
しかしスタニスラフスキーの出会ったヨーガはインド直伝のものではなく、贋インド人ラマチャラカがアメリカで出版して大衆化したものだった。しかしこの場合ラマチャラカの非正統性を徒らに強調することはふさわしくないだろう。帝政末期のロシアには密教伝来の瑜伽行を受容する素地があった。それはカルムイク人との接触を経由して入ったチベット仏教の(しかし多分にラサとは切り離されて独自の発展を遂げた)伝統、ことに有機薬剤やホメオパシー治療の知識である。
その意味でスタニスラフスキーにヨーガを紹介したモスクワ大学の医学生デミードフがペテルスブルグのロシア・ブリヤート学院でチベット医学を学んでいたという報告(35頁)は重要である。ロシアでは帝政末期からカルムイク由来の仏教本草学がある程度知られ、研究されていたからである。詳細をみるコメント0件をすべて表示
著者プロフィール
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