南欧怪談三題 (転換期を読む 14)

  • 未来社
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  • Amazon.co.jp ・本 (161ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784624934347

作品紹介・あらすじ

『カルメン』で知られるP・メリメや『山猫』のG・T・ランペドゥーザ、A・フランスが織りなす、南欧を舞台にした選りすぐりの怪奇譚を軽妙な文体で訳出した一冊。日本の怪談では味わうことのできない異なる怖さと異様さが満喫できる。

感想・レビュー・書評

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  • 怪談とタイトルにはあるが、おどろおどろしい物語が展開するわけでなく、日本の怪談と違って恐怖は感じない。
    そもそもの感性の違いや宗教観も影響してるんだろうけど、恐怖のモチーフがセイレーンや女神像だったりどこか美しく神秘的だからだと思う。
    魔性というのだろうか、その魅力に取り憑かれた人が生と死の狭間で揺れ動く様はどこか幻想的でもあった。
    怪談とは話がそれるが、この本に収められた話は南欧を舞台にした話であり、ラテン系の登場人物ばかりで、それゆえに女性や性愛についての描写が濃いのには笑ってしまう。
    貝を女性器に例えて熱弁する教授や、男性陣がこぞって絶賛する女神像を嫌悪する女性たちなどなかなかに生々しいところが内容のシリアスさと相まっておもしろおかしい。

  • 「亡者のお彌撤」は舞台を日本に変えてもしっくり来そうな怪談話。「ヰギヱの女神」は「石の夢」の導入部がこの怪談ネタを使っていたのを思い出した。いずれも怪談話というよりは怪異譚。気楽にそこそこ面白い。

  • なかなか面白かったので、機会があったらメリメなんてきちんと読み直してみたい。

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著者プロフィール

1844-1924年。パリ生まれ。高踏派詩人として出発、その後小説に転じて『シルヴェストル・ボナールの罪』、『舞姫タイス』、『赤い百合』、『神々は渇く』などの長篇でフランス文学を代表する作家となる。ドレフュス事件など社会問題にも深い関心を寄せ、積極的に活動した。アカデミー・フランセーズ会員。1921年、ノーベル文学賞受賞。邦訳に《アナトール・フランス小説集》全12巻(白水社)がある。

「2018年 『ペンギンの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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