理科は理科系のための科目ですか 個性ある授業づくりのための理科・物理教育を考える

著者 :
  • 森北出版株式会社
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784627161214

感想・レビュー・書評

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  • 高校物理では、何を教えようとしているのか、ということについて、著者の思想が書かれている本です。
    本の全体の主張としては、その科学的発見をしてきた人物には、宗教的あるいは社会的な背景があり、その観念の元に発見をしているわけだから、日本人が理科教育を受けることによって、日本人だからできる発見をできるような科学的な見方考え方を育むにはどうしたらよいか、考えるべきだ、というようなことが書いてあるように思いますが、これに関しては、私はちょっと賛同しかねるので、さらりと読み飛ばしました。

    後半は、力学と電磁気学の体系について、著者の考えが述べられている。
    特に電磁気学は、多くの高校生が苦手としているが、これは100もの公式が登場することにその原因があるとし、「原理」と「定理・法則」を分けて考えることだとしている。その上で、電磁気学をファラデーの「場」を意識した構成として教えることを提案している。その実は、マクスウェル方程式に基づいた分類になるのですが、なるほどわかりやすいかもしれません。

    覚え書きとして、「場」に関する4つの原理を書いておきます。

    ① クーロンの法則(→ ガウスの法則へ発展):電荷と電場の関係
    ② ビオ・サバールの法則(→ アンペールの法則へ簡略化):電流と磁場の関係
    ③ 電磁誘導の法則:磁場と電場の関係
    ④ 変位電流を含むアンペールの法則(→ 電磁波へとつながる):電場と磁場の関係

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著者プロフィール

立命館大学産業社会学部特別任用教授

「2022年 『今日からできる理科授業ICT活用』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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