多モデル思考:データを知恵に変える24の数理モデル

  • 森北出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784627855014

作品紹介・あらすじ

世界約100万人の受講者を熱中させた、数理モデリング講義の書籍化!

「データ」を意味づけ活用するのに、「数理モデル」は不可欠だ。リーマンショック、COVID-19パンデミックといった世界規模の事象から、企業経営、個人の意思決定まで、「何が起こったのか」を理解し、「どうすればよいのか」を判断するには、「データ」と「モデル」の両輪が必要となる。

しかしモデル=現実ではない。モデルごとに異なる説明/予測/判断が出てくることもある。究極的には「すべてのモデルは間違っている」。

ではどうするか。社会、政治、経済、複雑系を縦横に扱う数理モデリングの第一人者スコット・ペイジ氏は、「組み合わせて使う」という処方箋を示す。モデルの多様な「用途」を意識し、単一のモデルにこだわらない態度――これを「多モデル思考(Many Model Thinking)」と名づけ、本書では「数理モデルの7つの用途」と、それを達成するためのミニマムセットとしての「24の数理モデル」を解説。多彩な「多モデル思考の実践例」を披露する。

「データに振り回され、モデルに騙される」から、「多モデルを使いこなして、データを生かす」へ。
現代人必須の教養を身につける一冊。

●数理モデルの7つの用途(=REDCAPE)

・推論(Reason):どんな条件がどんな結果を導くかを明らかにする
・説明(Explain):現象に検証可能な説明を与える
・デザイン(Design):制度、政策、規則の選択を助ける
・コミュニケーション(Communicate):知識や理解を伝達可能にする
・行動(Act):政策・経営判断・意思決定の指針を与える
・予測(Predict):未来の事象や未知現象を予測する
・探索(Explore):可能性を探り、仮説を精査する

●24の数理モデル:
・正規分布
・べき乗則分布
・線形モデル
・凹関数と凸関数
・価値と力のモデル
・ネットワークモデル
・ブロードキャスト、拡散、感染のモデル
・不確実性のモデリング
・ランダムウォーク
・経路依存性モデル
・局所相互作用モデル
・リアプノフ関数と均衡
・マルコフモデル
・システムダイナミクスモデル
・しきい値モデル
・空間/ヘドニック競争モデル
・ゲーム理論
・協力モデル
・集団行動問題
・メカニズムデザイン
・シグナリングモデル
・学習モデル
・多腕バンディット問題
・起伏地形モデル

感想・レビュー・書評

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  • この24の数理モデルを一人で書いてしまう人物がこの地球上に存在することを知り、驚愕した。しかも、章間で、幾つかの数理モデルが関連し合っており、数理モデル単体と連関の使いこなしに舌を巻いた。

  • 【書誌情報】
    『多モデル思考――データを知恵に変える24の数理モデル』
    原題:The Model Thinker: What You Need to Know to Make Data Work for You (Basic Books, 2018)
    著者:Scott E. Page ミシガン大学教授Ph.D.
    監訳:椿 広計  統計数理研究所所長
    訳者:長尾 高弘 (株)ロングテール社長
    装丁(カバーデザイン):小山巧(志岐デザイン事務所)
    定価:¥3,850
    頁数:432
    版型:A5
    ISBN:978-4-627-85501-4
    発売日:2020.11
    カテゴリー:情報工学 > 機械学習・最適化
         :確率・統計

    ◆世界約100万人の受講者を熱中させた、数理モデリング講義の書籍化!
     「データ」を意味づけ活用するのに、「数理モデル」は不可欠だ。リーマンショック、COVID-19パンデミックといった世界規模の事象から、企業経営、個人の意思決定まで、「何が起こったのか」を理解し、「どうすればよいのか」を判断するには、「データ」と「モデル」の両輪が必要となる。
     しかしモデル=現実ではない。モデルごとに異なる説明/予測/判断が出てくることもある。究極的には「すべてのモデルは間違っている」。
     ではどうするか。社会、政治、経済、複雑系を縦横に扱う数理モデリングの第一人者スコット・ペイジ氏は、「組み合わせて使う」という処方箋を示す。モデルの多様な「用途」を意識し、単一のモデルにこだわらない態度――これを「多モデル思考(Many Model Thinking)」と名づけ、本書では「数理モデルの7つの用途」と、それを達成するためのミニマムセットとしての「24の数理モデル」を解説。多彩な「多モデル思考の実践例」を披露する。「データに振り回され、モデルに騙される」から、「多モデルを使いこなして、データを生かす」へ。現代人必須の教養を身につける一冊。

    ●数理モデルの7つの用途(=REDCAPE)
    ・推論(Reason):どんな条件がどんな結果を導くかを明らかにする
    ・説明(Explain):現象に検証可能な説明を与える
    ・デザイン(Design):制度、政策、規則の選択を助ける
    ・コミュニケーション(Communicate):知識や理解を伝達可能にする
    ・行動(Act):政策・経営判断・意思決定の指針を与える
    ・予測(Predict):未来の事象や未知現象を予測する
    ・探索(Explore):可能性を探り、仮説を精査する
    https://www.morikita.co.jp/books/book/3402


    【簡易目次】
    プロローグ [ii-iv]
    目次 [v-x]

    第1章 多くのモデルで考える人
    1.1 データ時代のモデル 003
    1.2 なぜ多くのモデルが必要なのか 005
    1.3 知の階層構造 008
    1.4 この章のまとめと本書の概要 013

    第2章 なぜモデルなのか
    2.1 モデルのタイプ 016
    2.2 モデルの7つの用途 017

    第3章 多モデルの科学
    3.1 独立した嘘としての多モデル 031
    3.2 分類モデル 033
    3.3 ひとつの大きなモデルと粒度問題 36
    3.4 一石多鳥 039
    3.5 まとめ 044

    第4章 人間の行動のモデリング
    4.1 人間のモデリングが抱える難しさ 050
    4.2 合理的行為者モデル 052
    4.3 ルールベースモデル 059
    4.4 認知的閉鎖、大問題、多モデル 062

    第5章 正規分布:ベル型曲線 
    5.1 正規分布:構造 067
    5.2 中心極限定理:論理 069
    5.3 分布についての知識の応用:機能 070
    5.4 対数正規分布:相乗効果 073
    5.5 まとめ 074

    第6章 べき乗則分布:ロングテール
    6.1 べき乗則:構造 077
    6.2 べき乗則分布を生成するモデル:論理 080
    6.3 ロングテールが内包する意味 083
    6.4 ロングテール化した世界 086

    第7章 線形モデル
    7.1 線形モデル 090
    7.2 多変量線形モデル 094
    7.3 大きな係数と新しい現実 097
    7.4 まとめ 098

    第8章 凹関数と凸関数
    8.1 凸関数 101
    8.2 凹関数 105
    8.3 経済成長モデル 106
    8.4 結局世界は線形ではない 112

    第9章 価値と力のモデル 
    9.1 協力ゲーム 115
    9.2 シャープレイ値の公理的な基礎 117
    9.3 シャープレイ値と代替用途テスト 119
    9.4 シャープレイ - シュービック指数 120
    9.5 まとめ 122

    第10章 ネットワークモデル 
    10.1 ネットワークの構造 125
    10.2 ネットワークの形成:論理 130
    10.3 ネットワークが重要な理由:機能 131
    10.4 ネットワークの頑健性 135
    10.5 まとめ 137

    第11章 ブロードキャスト、拡散、感染 141
    11.1 ブロードキャストモデル 141
    11.2 拡散モデル 143
    11.3 SIRモデル 146
    11.4 一対多 150

    第12章 エントロピー:不確実性のモデリング
    12.1 情報エントロピー 154
    12.2 エントロピーの公理的基礎 156
    12.3 エントロピーを使った4種類の結果の区別 157
    12.4 最大エントロピーと分布についての仮定 159
    12.5 エントロピーの肯定的で規範的な意味 160

    第13章 ランダムウォーク
    13.1 ベルヌーイの壺問題 163
    13.2 ランダムウォークモデル 164
    13.3 ランダムウォークを使ったネットワークの大きさの推定 167
    13.4 ランダムウォークと効率的市場 168
    13.5 まとめ 171

    第14章 経路依存性
    14.1 ポリア過程 174
    14.2 均衡化過程 176
    14.3 経路依存性かティッピングポイントか 177
    14.4 さらなる応用 179

    第15章 局所相互作用モデル
    15.1 局所多数決モデル 183
    15.2 ライフゲーム 187
    15.3 まとめ 190

    第16章 リアプノフ関数と均衡
    16.1 リアプノフ関数 191
    16.2 局所多数決モデルにおける均衡 193
    16.3 自己組織:ニューヨークとディズニーワールド 194
    16.4 純粋交換経済 196
    16.5 リアプノフ関数のないモデル 198
    16.6 まとめ 199

    第17章 マルコフモデル
    17.1 ふたつの例 201
    17.2 ペロン - フロベニウスの定理 203
    17.3 マルコフモデルの一石多鳥 205
    17.4 まとめ 208

    第18章 システムダイナミクスモデル
    18.1 システムダイナミクスモデルの構成要素 213
    18.2 捕食被食モデル 215
    18.3 行動の指針としてのシステムダイナミクスモデル 219
    18.4 ワールド3モデル 220
    18.5 まとめ 222

    第19章 フィードバックをともなうしきい値モデル
    19.1 グラノヴェターの反乱モデル 226
    19.2 ふたつの住み分けモデル 228
    19.3 ネガティブフィードバックをともなうしきい値モデル 233
    19.4 まとめ:モデルの粒度 235

    第20章 空間/ヘドニック競争モデル
    20.1 空間競争モデル 240
    20.2 属性数を増やす 242
    20.3 空間競争のダウンズモデル 243
    20.4 現状効果、提案管理、拒否権 246
    20.5 ヘドニック競争モデル 248
    20.6 競合する商品のハイブリッドモデル 250
    20.7 まとめ 252

    第21章 ゲーム理論の3つのモデル
    21.1 標準型ゼロサムゲーム 256
    21.2 逐次ゲーム 258
    21.3 連続行動ゲーム 260
    21.4 まとめ 261

    第22章 協力モデル
    22.1 囚人のジレンマ 266
    22.2 ルールベース行為者の間の協力 271
    22.3 協力行動モデル 274
    22.4 まとめ 279

    第23章 集団行動問題
    23.1 集団行動問題 284
    23.2 公共財 285
    23.3 混雑モデル 289
    23.4 再生可能資源採取 291
    23.5 集団行動問題:解決されたものとそうでないもの 294

    第24章 メカニズムデザイン
    24.1 マウント - ライターの三角形 297
    24.2 多数決原理とキングメーカーメカニズム 299
    24.3 3種類のオークションメカニズム 300
    24.4 収入同値定理 303
    24.5 公共事業の決定メカニズム 306
    24.6 まとめ 310

    第25章 シグナリングモデル
    25.1 離散型のシグナリング 314
    25.2 連続型のシグナリング 316
    25.3 シグナルの使い方と価値 317
    25.4 まとめ 319

    第26章 学習モデル
    26.1 個人の学習:強化学習 323
    26.2 社会学習:レプリケーターダイナミクス 326
    26.3 ゲームにおける学習 328
    26.4 学習モデルの組合せ 333

    第27章 多腕バンディット問題
    27.1 ベルヌーイバンディット問題 338
    27.2 ベイジアン多腕バンディット問題 340
    27.3 まとめ 342

    第28章 起伏地形モデル
    28.1 適応度地形 345
    28.2 起伏地形 348
    28.3 NKモデル 350
    28.4 起伏地形と舞踏地形 353

    第29章 オピオイド、不平等、謙虚な姿勢
    29.1 多モデルで考えるオピオイド危機 356
    29.2 経済的不平等の多モデル解析 360
    29.3 世界へ 372

    注 [375-397]
    参考文献 [398-406]
    監訳者あとがき(統計数理研究所 椿 広計) [407-414]
    索引 [415-418]



    【Table of Contents】
    Prologue xi
    1 The Many-Model Thinker 1 (12)
    2 Why Model? 13 (14)
    3 The Science of Many Models 27 (16)
    4 Modeling Human Actors 43 (16)
    5 Normal Distributions: The Bell Curve 59 (10)
    6 Power-Law Distributions: Long Tails 69 (14)
    7 Linear Models 83 (12)
    8 Concavity and Convexity 95 (12)
    9 Models of Value and Power 107(10)
    10 Network Models 117(14)
    11 Broadcast, Diffusion, and Contagion 131(12)
    12 Entropy: Modeling Uncertainty 143(10)
    13 Random Walks 153(10)
    14 Path Dependence 163(8)
    15 Local Interaction Models 171(10)
    16 Lyapunov Functions and Equilibria 181(8)
    17 Markov Models 189(12)
    18 Systems Dynamics Models 201(12)
    19 Threshold Models with Feedbacks 213(14)
    20 Spatial and Hedonic Choice 227(16)
    21 Game Theory Models Times Three 243(10)
    22 Models of Cooperation 253(16)
    23 Collective Action Problems 269(14)
    24 Mechanism Design 283(14)
    25 Signaling Models 297(8)
    26 Models of Learning 305(14)
    27 Multi-Armed Bandit Problems 319(8)
    28 Rugged-Landscape Models 327(12)
    29 Opioids, Inequality, and Humility 339(18)

    Notes 357(26)
    Bibliography 383(28)
    Index 411

  • これを使いこなせる人は一体いるのか
    モデル説明の概略だけなので1章ごとに本来は1冊以上かけて
    理論
    プログラム実装
    実運用事例
    がほしいな
    『多モデル思考のサブテキスト』なんてあったらいいなと思ったら自分でブログを書くのが令和かー

  •  講義で話す雑談をまとめたような本。エピソードが多くて興味深いがこれで勉強するには向かない。え、マルコフ過程とか多腕バンディッドとか囚人のジレンマとか、現代人類なら当然頭に入って踏まえた上で社会生活送ってますよね?前石器時代じゃないんですよ?
    出てくるのは簡単な数学ではあるものの、大学受験までの数学がもし例え完璧であったとしても基礎知識としては足りない。
     全く別の話になるけれど、情報量基準について言及がなかったことについて、邦訳時にコメントがあったらよかったように思った。せっかく統数研の所長が監訳に入っているのだから

  • 東2法経図・6F開架:361.1A/P15t//K

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著者プロフィール

ミシガン大学 教授 Ph.D.

「2020年 『多モデル思考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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