科学哲学からのメッセージ:因果・実在・価値をめぐる科学との接点

著者 :
  • 森北出版
4.00
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 44
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784627973510

作品紹介・あらすじ

科学と科学哲学を架橋する、科学哲学からの試み。

「因果とは何か」、「そもそも科学は何を知るのか」、「科学者は“価値”をどこまで語ってよいのか」。科学哲学はこうした問いを掲げながら、必ずしも科学そのものとは交わらない独自の発展を遂げてきた。
本書は、本来あるはずの科学哲学と科学の接点を探るべく、「因果性」「実在/反実在」「価値判断」の三つの問題群に着目。専門外の読者も想定し、分野内部でどんな論争が繰り広げられてきたのか、そこで一体何が問題にされてきたのかを案内する。
さらに「ジカウイルスと小頭症」、「IPCCによる気候変動の人為起源説」、「地震学者たちの責任と価値判断」など、具体的かつ広範な事例を取り上げ、科学・技術の実践のなかにすでに科学哲学的問題が存在していること、そして「統計哲学」の視点から開ける新しい眺望を見る。

――分野をまたぐ科学哲学の役割を確信し、誠実な研究を重ねてきた国内屈指の科学哲学者による、初の単著。

【推薦の言葉】
「これまで『科学と証拠』『科学とモデル』など重要な科学哲学書の翻訳を手掛けてきた松王政浩氏が、ついに長年の思索と研究の成果を一冊の書籍にまとめた。本書は、因果について、実在について、科学と価値の関わりについて、異なる視点を持つ哲学者と科学者がいかに協働すべきかという問いに著者独自の解答を示す。本書は科学と哲学のよりよい関係をめざすすべての人への著者からの熱いメッセージである。」
――伊勢田哲治(京都大学)

「科学哲学というのは科学を上から見て論じるのだろうと勝手に思い込んでいたが、科学と科学哲学は対等な立場で対話するのだと松王さんはいう。しかも、科学哲学の主要な論点と学説の系譜をこれだけ見通しよく示してくれた上で、対話をしましょうと手を差し伸べてこられたら、科学は科学哲学との対話に喜んで応じるしかないではないか。それによってお互いに得られる気付きは豊かであるはずだ。」
――江守正多(国立環境研究所)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • じっくり読む時間がなくほぼ第一章しか読めなかったが,第一章は自分のバックグラウンドと関連があったのもあり読みやすく,とてもおもしろかった.
    因果をめぐる研究者の思想の流れ,そしてウッドワードの介入説はとてもよかった.

  • 【書誌データ】
    『科学哲学からのメッセージ――因果・実在・価値をめぐる科学との接点』
    著者:松王政浩 北海道大学教授博士(文学)
    定価:¥4,950
    頁数:384
    版型:A5
    ISBN:978-4-627-97351-0
    刊行日:2020.11
    カテゴリー:工学・技術一般、技術者倫理

    ◆科学と科学哲学を架橋する、科学哲学からの試み。
     「因果とは何か」、「そもそも科学は何を知るのか」、「科学者は“価値”をどこまで語ってよいのか」。科学哲学はこうした問いを掲げながら、必ずしも科学そのものとは交わらない独自の発展を遂げてきた。
     本書は、本来あるはずの科学哲学と科学の接点を探るべく、「因果性」「実在/反実在」「価値判断」の三つの問題群に着目。専門外の読者も想定し、分野内部でどんな論争が繰り広げられてきたのか、そこで一体何が問題にされてきたのかを案内する。
     さらに「ジカウイルスと小頭症」、「IPCCによる気候変動の人為起源説」、「地震学者たちの責任と価値判断」など、具体的かつ広範な事例を取り上げ、科学・技術の実践のなかにすでに科学哲学的問題が存在していること、そして「統計哲学」の視点から開ける新しい眺望を見る。

    ――分野をまたぐ科学哲学の役割を確信し、誠実な研究を重ねてきた国内屈指の科学哲学者による、初の単著。

     【推薦の言葉】
    「これまで『科学と証拠』『科学とモデル』など重要な科学哲学書の翻訳を手掛けてきた松王政浩氏が、ついに長年の思索と研究の成果を一冊の書籍にまとめた。本書は、因果について、実在について、科学と価値の関わりについて、異なる視点を持つ哲学者と科学者がいかに協働すべきかという問いに著者独自の解答を示す。本書は科学と哲学のよりよい関係をめざすすべての人への著者からの熱いメッセージである。」
    ――伊勢田哲治(京都大学)

    「科学哲学というのは科学を上から見て論じるのだろうと勝手に思い込んでいたが、科学と科学哲学は対等な立場で対話するのだと松王さんはいう。しかも、科学哲学の主要な論点と学説の系譜をこれだけ見通しよく示してくれた上で、対話をしましょうと手を差し伸べてこられたら、科学は科学哲学との対話に喜んで応じるしかないではないか。それによってお互いに得られる気付きは豊かであるはずだ。」
    ――江守正多(国立環境研究所)
    https://www.morikita.co.jp/books/book/3391

    【目次】
    はじめに [i-v]
    目次 [vi-vii]


      第Ⅰ部 科学哲学は何を問題にしてきたか

    第1章 因果性 002
    1.1 因果性は必要な前提か? 007
    1.2 因果の定義をめぐって 010
    1.3 本章のまとめ 060


    第2章 実在論/反実在論 062
    論争の出発点としての「実在論」と、証明責任の所在 069
    22 反実在論者による批判 075
    2・3 実在論の応答的展開 084
    24 反実在論者の証明責任 110
    2・5 本章のまとめ 132


    第3章 価値判断 134
    3.1 R・ラドナーの「科学者としての価値判断」 139
    3.2 価値判断をめぐるラドナーへの対抗的議論、擁護論 147
    3.3 マクマランによる拡張的議論とその批判 161
    3.4 ダグラスによるラドナー再評価と「実践的」問題への視点 177
    3.5 本章のまとめ 187


      第Ⅱ部 科学哲学と科学の接点

    第4章 因果論と因果の発見 
    4.1 科学における因果 193
    4.2 科学哲学における多元論論争 220
    4.3 多元性をめぐる第三の解釈 228
    4.4 本章のまとめ 238


    第5章 実在論論争と科学の実践 
    5.1 気候変動科学における理論の確からしさ評価 244
    5.2 実在論論争を手がかりとする人為起源論の推論 268
    5.3 人為起源論評価の見直し 278
    5.4 実在論論争の見直し 295
    5.5 本章のまとめ 304


    第6章 価値判断と科学者の規範 
    6.1 科学者の実践的価値判断から 307
    6.2 ダグラスの価値判断「役割配置」再考 339
    6.3 価値判断と規範 350
    6.4 本章のまとめ 357


    おわりに(二〇二〇年九月 松王政浩) [-361]
    参考文献 [362-368]
    索引 [369-373]

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

北海道大学教授 博士(文学)

「2020年 『科学哲学からのメッセージ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松王政浩の作品

ツイートする
×