詳説 世界史研究

  • 山川出版社 (2017年12月3日発売)
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本 ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784634030886

感想・レビュー・書評

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  • 長年、勉強しなかったことにちょっとしたコンプレックスを感じていた世界史。40代後半にもなって、酔狂なことにこの世界史に手を出しました。
    でも、知れば知るほど面白い。これほんと。今ある現代はすべて過去の結果であるわけで過去を辿ることで現在が理解できると考えております。

    で、本書ですが、めちゃくちゃ教科書感満載です。というか教科書にしか見えません(実際教科書がベースだそうです)。だからか、興味があって購入し読み始めたものの、疲れてたりすると眠気が襲ってきます。そういう本です。

    さて本書の強みですが、何といっても網羅性だと思います。世界史の端から端までしっかり勉強できます。特に密度が濃く感じらるのは19, 20, 21世紀を扱う最後の3章。国民国家、エスニシティ、グローバリゼーション等にも言及があり、読みごたえがありました。

    また、所々で挿入されているコラムは歴史的事象を違った切り口から紹介しており興味をそそるものが多かったと思います。
    例えば倭寇について。倭寇という名とは裏腹に中国人の参画も多かったそうですが、その多くは自国での生活苦・困窮が原因であったとか。なんて書かれると中国の往時の政治体制にも興味が出ませんか? またフォードがT型で成功した後にGMに追い抜かれた理由の一つが、GMがレバレッジを利かせて(つまり借金して)多くのモデルチェンジを仕掛ける一方、ユダヤ人嫌いのフォードは銀行からの借り入れを拒み、失速することになったとか。なんて書かれると米国の金融史や陰謀論にも興味が湧きませんか? ま私だけかもしれません笑

    反対にイマイチだったのは、やはり文字なので、注意力を維持するのはなかなか難しいということ。ゴシックで強調とかはありますが、塾や映像授業のように「ここ大事」とかの注意喚起は当然ないので、これだけのものを集中して読むのには苦労します。まあ本がいけないわけではないのですが。

    ・・・
    ということで、世界史をヘビーに勉強してみたいという方にはお勧めできます。私は別途子どものために契約した「スタディサプリ」の世界史を見つつ、資料集として帝国書院「最か新世界史図説 タペストリー」も横に置いて読みました。

    まあこれだけ読んで偉いわけでも褒めてもらえるわけでもありませんが、自己満足度はかなり高いです。おかげで家庭内でのウンチク垂れが増えたと思うのですが、家族の皆が受け流すのが上手(というか聞いていない)なので助かっております。

    もし皆さんが世界史を高校時に学ばれていないのであれば、是非この機会に世界史を学ばれてはいかがでしょうか。そこにはまさに「世界」が広がっています!

  • 世界史を学びなおすために読んだ。単なる事実の羅列ではなく、その背景を考察して意味を考える手助けを与えてくれる。高校で世界史を真面目に勉強しなかった僕でもそうなのだから、きっと高校レベルでもきちんと世界史を学んだひとならより一層楽しむことができるだろう。

  • 一般教養として、世界史の通史を一通りおさえようと購入。
    記述はかなり詳細で、読み始めは読解に苦労しましたが、繰り返し気楽に読み流しました。何度も読むうちに、とても味わい深く、思想書というか哲学書のように感じます。読むたびに理解を深める楽しみがあります。
    高校の検定教科書「詳説 世界史B」と構成は同じ。運転中などにオーディオ・ブックを聴いて、イメージを膨らませています。

  • 西洋史の割合が大きく、従来のヨーロッパ中心史観による世界史の残滓のようなものは感じられるが、それでも少ない分量ながら西欧や中国以外にもページを割いており、マシにはなっている。比較的よくまとまった内容。各所にコラムが配され、出来事や人物をさらに掘り下げてくれている。近年の説などを反映した記述もある一方、すでに疑問を呈されるようになった従来説をそのまま載せている箇所も一部見られるのは残念。とはいえ地図や図版も多く、また教科書よりも詳細に事物の背景や流れの説明がされているので、世界史のおさらいには非常に良い。

  • 本のデザインがとても気に入っています。
    ニュース、書籍、コテンラジオで学んだことを復習するために読んでいます。

    フランス革命、産業革命、資本主義、など。

  • やはりこの程度は教養として必須でしょう。
    もちろん通読用です!

  • 1/18

  • 世界史の学び直しの教材として使用中。

  • 参考図書

  • 世界史の通史を学習する時に,常に脇に置いておきたい本。

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著者プロフィール

木村靖二 (きむら・せいじ)
1943年、東京生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。東京大学大学院博士課程中退、同大学助手、ミュンヘン大学留学、茨城大学教養学部講師、同助教授、立教大学文学部助教授、同教授を経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授。現在、東京大学名誉教授。専門、西洋近現代史・ドイツ史。著書に『二つの世界大戦』(山川出版社世界史リブレット)、『第一次世界大戦』(ちくま新書)などがある。

「2022年 『兵士の革命 1918年ドイツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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