即興詩人: 口語訳

  • 山川出版社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (600ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634150102

作品紹介・あらすじ

文学史上最後の文語文といわれている森鴎外の雅文『即興詩人』(アンデルセン作)。安野光雅が5年の歳月をかけて完成させ、現代によみがえる19世紀の恋と青春の物語。

感想・レビュー・書評

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  • デンマークの童話作家であるアンデルセンが最初に発表した小説がこの『即興詩人』

    アンデルセンの憧れの土地であるイタリアを舞台に、即興詩人になる事を夢見る少年、アントニオが主人公で物語は進んで行く。
    とても詳しくイタリアの様子が描かれており、特にローマの描写は地図通りである。

    ただ、やはり読みづらくとも森鴎外翻訳の『文語体 即興詩人』をおすすめする。
    日本語の美しさを再確認できる。

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18355

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB04138962

  • 借りただけで読んでない、良さそうだけど長い⁉︎

  • 情景が美しく、また、物語が美しい。鴎外訳の文語文を読んでみたいと思う。

  • たとえ人生においてたった数日であっても、自分が行ったことのある場所(ローマ)が舞台となると思い入れ強く読める。

    今、ゆっくりと、大切に読んでいる。

    *********************

    読了。残り200頁に至っては、ある意味ハリポタと似ていて、今までの布石が次第につながりはじめてゆく。ついには、区切りもつけられなくなってしまい、時差ボケもあるが、夜を明かしてしまった。

    こんなに素晴らしい本が、必読書として取り上げられていない(少なくとも自分の周りでは)事に驚くと共に、是非とも多くの人々にお勧めしてゆきたい。

  • 劇的な人生を描いてるなぁと思った。

  • これにつきあえるだけの余裕が無い。テレビ、ドラマを見る気がしないのと同じ感じ。だから、一旦、返す。図書館。でも、また近いうちにまた借りて続きを読みたい。

  • (2013.11.06読了)(2013.10.27借入)
    誰かが「即興詩人」を推薦していたのと安野さんの口語訳が出ていたのを思い出して、図書館から借りてきました。どんな話なのかという事前の知識なしで取り掛かりました。
    「まえがき」によると「これは、だれもがこころを焦がした、恋の記憶なのです。」と書いてあります。青春の恋物語ということです。
    題名の通り、即興詩人のアントニオの物語です。舞台はイタリアです。
    最初の方は、ローマをうろうろしますが、ナポリに移り、ポンペイの遺跡やらヴェスヴィオ火山への登山の話なども出てきます。アマルフィへ行き、ローマに戻り、6年過ごしたのちにヴェネツィア、ミラノへと旅を続けます。
    イタリアを好きな方には、お勧めです。既にイタリアへ行ってきた方でも、これから行く方でも全然行く予定のない方でも結構です。
    主人公アントニオは、母子家庭で育った。六歳のときに、母は、馬車に惹かれて死んでしまう。馬車は、ボルゲーゼ家のものだったので、責任を感じたボルゲーゼ家は、アントニオの面倒を見ることになる。アントニオは、ベルナルドという友を得て、友情を育てるのだが、同じ女性を好きになり、決闘をすることとなり、友を傷つけローマを去りナポリへと向かう。ナポリでも友人を得て、支援者も得て、楽しく過ごすが、人妻に言い寄られて、危険を感じたアントニオは、ローマへと戻る。その時までには、ベルナルドは、命を取り留め、傷も治っているという情報を得ていた。
    ローマのボルゲーゼ家で、6年間過ごしたのちに、ヴェネツィアへと旅立つ。ヴェネツィアで良家の娘と知り合うが、財産めあてに言い寄っているといううわさに傷つき、ミラノへと旅立つ。ミラノで、ベルナルドと偶然出会い、和解する。
    なぜか胸騒ぎがするので、ヴェネツィアに戻ると…。
    ゆく先々で、善き友と、綺麗な女性にめぐり合うという、うらやましいような物語なのですが、結構ハラハラドキドキもあり、イタリアの観光名所めぐりもあり、楽しませてくれる物語でした。

    【目次】
    まえがき
    一 思い出のピアッツァ・バルベリーニ
    二 カタコンベと聖歌隊
    三 美しい女の子と、はじめての即興詩
    四 ジェンツァーノの花祭り
    五 スペイン階段のベッポ
    六 夜のコロセウム
    七 カンパーニャの荒野
    八 水牛
    九 ボルゲーゼ家
    十 ダンテの『神曲』
    十一 わが友、ベルナルド
    十二 かわいい修道女
    十三 ユダヤ人居留地区
    十四 ユダヤの乙女
    十五 舞踏会
    十六 カーニヴァル
    十七 オペラの歌姫
    十八 おかしなオペラ
    十九 即興の詩
    二十 カーニヴァルの終わる日
    二十一 恋のイバラ
    二十二 親友と恋
    二十三 アラチェリ教会
    二十四 アヌンツィアタのこと
    二十五 イースター
    二十六 決闘
    二十七 絶望の逃走
    二十八 山の隠れ家
    二十九 ナポリへ行く
    三十  留守番と賛美歌
    三十一 テルラチーナへ
    三十二 ポンティネからテルラチーナまで
    三十三 イトリ・ガエタまで
    三十四 ナポリの貴婦人
    三十五 すばらしい自然
    三十六 考古学者夫人のサンタ
    三十七 絶望の手紙
    三十八 希望の日まで
    三十九 ポンペイとエルコラーノ
    四十  ヴェスヴィオ
    四十一 カジノ
    四十二 はじめての舞台
    四十三 ヴェスヴィオの恋の炎
    四十四 ある士官の影
    四十五 恩人との再会
    四十六 いましめの言葉
    四十七 ペストゥムの少女ララ
    四十八 アマルフィのできごと
    四十九 たつまき
    五十  夢幻の洞窟
    五十一 遭難
    五十二 ローマへ
    五十三 招かれざる教師
    五十四 フラミーニアの君
    五十五 エリザベッタ
    五十六 ドメニカ
    五十七 さらばローマ
    五十八 老女フルヴィア
    五十九 ヴェネツィアへ
    六十  水の都ヴェネツィア
    六十一 嵐の海
    六十二 ローザとマリア
    六十三 しおれたバラと白鳥
    六十四 アヌンツィアタの手紙
    六十五 ヴェネツィアからミラノへ
    六十六 ララとマリア
    六十七 グロッタ・アッズラ
    あとがき

    ●ユダヤ教徒(140頁)
    そのころローマの町には、ユダヤ教徒が自由に住むことはゆるされず、特別居留地区が設けられ、その住む場所をきめて囲いこみ、夕暮れになるとその門を閉じ、番兵を置いて人の出入りを禁じていた。
    ●追剥(298頁)
    ローマとナポリの間ほど、追いはぎに便利なところはないだろう。奥が知れぬほどつづくオリーブの林、所どころに開ける自然の洞窟から、昔、ひとつ目の巨人が築いたという長壁の遺跡まで、身を隠し人をうかがうのに都合のいいところばかりである。
    ●生きる(330頁)
    時は駆け足で過ぎていく。そして人はめいめい自分の重荷を背負って生きるのだ。心配するな。鉛のような重さもあれば、玩具にたがわぬものもある
    ●即興詩(536頁)
    わたしも父の顔を知らず、おさなくして母を失った。知らず知らずのうちに、自分の生い立ちを、この残された子どもたちに重ねていたかもしれない。人それぞれに人生があり、どのような境遇にも負けずに生きていかねばならぬことを、いつしか、自分に言い聞かせて歌っていたのだ。
    (2013年11月6日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    文学史上最後の文語文といわれている森鴎外の雅文『即興詩人』(アンデルセン作)。安野光雅が5年の歳月をかけて完成させ、現代によみがえる19世紀の恋と青春の物語。

  • 詩人アントニオが、歌姫アヌンツィアタへの恋を抱きながらローマ・ナポリ・ポンペイ・ヴェネツィア・ミラノとイタリア各地を巡る様とイタリアの自然が美しく情緒ある文体で書かれた、とても綺麗な本だった。
    当時の人はこの本を片手にイタリア各地を巡ったらしいが、なるほどそうしたくなる気持ちも分かる。「原作を越えた」と評された流麗な文語体は流石に現代人の自分には読み辛く、今回口語訳されたことで読んでみた。結果、自分ももう一度イタリアへ行くときは、必ずこの本を持って行こうと決心したw
    惜しむらくは、描かれた自然の美しさを想像することはできても胸を焦がす程の激しい恋愛をしたことがないので、主人公アントニオの気持ちでイタリアへ気持ちを巡らせれなかったことw恋愛から縁遠くなって流石に危機感を覚えてきたので、無理にでも新しい出会いを求めてみるのもいいかもしれないなw

  • イタリアの物語。安野光雅の絵とともにやわらかい口語訳で町と時代の空気が伝わってくる。森鴎外の文語訳もいつか読みたい。安野光雅は森鴎外と同郷の津和野人。安野光雅美術館のある津和野、もう一度行きたい。

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著者プロフィール

デンマークの作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen、1805年~1875年)。

「2022年 『即興詩人 初出影印版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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