タロットの歴史 西洋文化史から図像を読み解く

  • 山川出版社 (2014年11月1日発売)
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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784634150621

感想・レビュー・書評

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  • 図像学の本として読みたいと思います。

    山川出版のPR
    未掲載
    ステラ・マリス・ナディア・オフィス オフィシャルサイト
    http://stella-office.com

  • タロットの歴史を簡単にたどるとともに、それぞれの図像にまつわる解説をおこなっている本です。

    タイトルは「タロットの歴史」となっていますが、最初にタロットの歴史の概観がなされているものの、本書の中心となっているのは大アルカナの図像の解説です。ヴィスコンティ版、マルセイユ版、ウェイト版のそれぞれについて、カラーの図番とともにわかりやすい説明がなされていて、ながめているだけでもたのしい本です。

    ただ、ヴィスコンティ版やマルセイユ版にかんしては、イコノロジーにもとづく解釈が可能だと思う一方、ウェイト版にかんしては19世紀以降の現代魔術ないしオカルティズムの内実に立ち入らなければ、その図像的な意味の理解はむずかしく、異なったアプローチが求められているように思います。本書ではそうした点についての配慮がじゅうぶんではなく、やや恣意的な解釈になっているような印象も受けます。

    とはいえ、タロットの図像にもとづく解釈に関心のある読者にとっては、興味深く読むことのできる内容だと思います。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00545267

  • 最古のミラノ公国のヴィスコンティ版からマルセイユ版、そして近代のウェイト版に至るタロットに描かれたアルカナのイラストに込められているであろう寓意を、歴史に残された人物の業績や神話伝承・宗教の絵画との関連で読み解いている。図版が豊富で根拠がわかりやすい。

  • 借りたもの。
    タロットを図像学、美術史の視点から絵解きする本。
    貴族の絵画、教養、娯楽であった絵札が、次第に世界各地に広がり、庶民に受け入れられるようになると、占いに使われ、神秘主義と結びついていった過程をわかりやすく解説。

    タロットの3つの系統――ヴィスコンティ版、マルセイユ版、ウェイト版――の成立と変容、絵札が同じような柄でも意味が異なる点を比較。
    ヴィスコンティ版が作られたイタリア・ルネサンス期の時代背景、情勢にはじまり、西洋美術史から垣間見るタロットの絵札に齎したイメージの原泉について。など。

    19世紀にカバラ数秘術等と結びつき、神秘性を増していったのだが、それらとは違う解釈が新鮮でもある。

    絵札毎に3つの版のカラー写真と解説、比較が成されており、眺めるだけでも楽しい。

    伊泉龍一『タロット大全―歴史から図像まで』( http://booklog.jp/item/1/4314009640 )の導入として適している。

    ただ、この本で少し気になる点もある。
    タロットが女性性、女性原理が重要なのは事実だが、対としての男性性、男性原理の血塗られた面(支配、闘争、ヒエラルキー主義)を強調しすぎていないだろうか……?
    もちろん、現実の暗い面は行き過ぎた(あるいは強すぎる)男性原理的なるものの暴走によって引き起こされてしまったのだが……その暴走を止めるものこそ、女性原理であるのも理解できる。
    ただ、もう少し男性原理の良い面と、強すぎる女性原理の深淵が何をもたらすかにも触れてほしかった。
    ……それはタロットの本題から大分離れてしまうか。

  • もう一度借りる。

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著者プロフィール

占術家、講師、執筆家。
著書に『タロット解釈実践事典』『タロット象徴事典』(国書刊行会)、『タロットの歴史』(山川出版社)など。
日本タロット占術振興会、日本易道学校でタロットと西洋占星術を指導中。

「2022年 『マルセイユ・タロット教室 タロット・マスターをめざして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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