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本 ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784634151024
感想・レビュー・書評
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新たな発見。仁徳天皇陵古墳みたいな有名な天皇陵は認識していたが、歴代の天皇全てに天皇陵がある(実際には所在不明、天皇と天皇陵の紐付けが困難などの例外はある)という事を本書で知る。そして、本書が凄いのは、図鑑のように一つ一つの天皇陵の位置や写真を掲載している所。まさに、資料集である。
ー そもそも天皇陵が所在不明となる場合がしばしばあるということであればこそ、なおさらこのような天皇陵の決定法は重要であるといえる。しかし、いわゆる古墳が天皇陵とされる場合には、特有の事情もある。たとえば、天皇陵と考えられる古墳に古来からの石標等があって、そこに埋葬されている人物の名が刻まれていればよいのであるが、そのようなことはない。つまり、我われの身道にある墓地の墓石にそこに葬られている人の名が刻まれているのとはおよそ事情が異なるのである。我が国の古道には、葬られた人の名が刻まれた墓誌が残されることはないのである。
実務上の不確かさは仕方ないのだろう。当てはめていく文献にしても、日本書紀とか古事記とか、探り探りにならざるを得ない。そのためなのか、本のタイトルには、「検証」がつけられる。
大正天皇、明治天皇の陵墓もある。当たり前だろうが、よりリアルに感じる。一般の立ち入りが許されない「聖域」として、宮内庁が管理する陵墓らしいが、実際には全てに墓守がいるわけでもなく、野ざらしの状態も少なくないという。更には、明治維新の大政奉還で天皇が再び国の中心となるまでの長期間、随分放っておかれた天皇陵もあったらしい。
読み物として以上に図鑑のように写真を眺めながら、歴史的価値や存在感を感じる読書だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「神武天皇の歴史学」が面白かったのでこちらも読んでみた。著者は成城大学教授。歴史教科書も出してる山川出版から出た専門書。研究書です。
初代の神武天皇から昭和天皇までの天皇陵全てを写真や図版などを駆使して解説していて貴重。江戸時代に仏式•火葬が主になる以前の天皇陵は、"ほんの数件を除いて被葬者が判明しない"という事実が非常によくわかる。
そして通読すると、太平洋戦争後、如何にして日本考古学協会による現況が形作られてきたのかまでが、流れとしてわかった。なるほど…という感じです。
初めて知ったのは、「國史大辞典」(吉川弘文館)の『天皇陵』についての項目の記述は6名で書かれているが、"考古学畑の研究者は1人だけ"だったという事実。あとの5名は、"宮内庁書陵部勤務経験のある研究者"だということ。なるほど…そういうことだったんだ。
個人的には無茶苦茶好きで面白いけど、あくまでも専門書なので⭐︎四つで我慢(笑)
私にとっては知的好奇心が刺激されまくる読書なので大満足です、はい。 -
初代から昭和天皇までの天皇陵を紹介している。
・一旦江戸時代に全部整備されている
・場所は奈良県に集中している
・誰のお墓かという点は議論の余地ある
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