- 本 ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634151536
作品紹介・あらすじ
皇帝、将軍、政治家、詩人、軍学者、食文化研究者――どれが真実の貌なのか?
三国時代の覇者・曹操の最新人物像を、政治・経済・軍事・思想・教養など14の気になるテーマから、最前線研究者たちが解き明かす!
感想・レビュー・書評
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何かと悪いイメージ、怖いイメージで語られることの多い曹操。
この本では最前線の研究者たちが14の曹操の実像に迫るテーマから最新の人物像を解き明かしています
政治家としての政治力、経済対策、将軍としての軍事力、人材登用への評価。
詩人としての才能、食材や料理の研究、兵法にも詳しく、音楽・囲碁・書も得意だったという面もとても意外で興味がつきません。
「曹操の有無は、中国が再び統一帝国を形成し得たか否かを問い直す必要が生ずるほど、中国史上に大きな意味をもつのである。」
時代の思想や権力を握る人たちの立場によって曹操の取り上げ方、伝えられ方、評価が変わって今に至るとのことだけれど、実際はどんな人だったのだろう。
中国語の勉強の中で、「说曹操曹操就到」(曹操の話をしていたらちょうど曹操がやってきたということわざで日本で言う「噂をすれば影がさす」)を知って、想像するだけでも恐ろしいシーンだし、やっぱりを曹操って怖いイメージなんだなっておもしろく思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書では陳寿の言う「超世の傑」を鵜呑みにするのは良くないとしながらも各執筆者から述べられる曹操の知識の広さと深さと時代の流れを変えた見識から見るに相応しいとしか思えぬ。
曹仁や曹洪、曹休といった人たち、今まで一族としか知らなかったが本書で祖父の兄弟の誰辺りからの子孫とか分かった。またキョウゲンの影響がかなり大きかった事も知れた。
本書にある通り孫子の注釈についても本当に実践している人だから当時でも説得力があったのだろう。目的は分からんけど2000年前にマニュアルを作成して軍の質を均一化に高めるという事をしている辺りやはり「超世の傑」。それでもミスったり駄目なところや悪党な部分も含めて魅力的な人物だと思った。 -
[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
三国志の曹操の多くの業績をまとめたもの
曹操が様々な分野で功績を残していることは知っていたが、改めてまとめられた本書を読むと時代を作った人だったのだということがよく分かる内容になっていた。 -
山川出版社 三国志学会 曹操 論文集。
曹操の政治力、軍事力、文学性など様々な視点から論じている。面白い。
曹操悪人説と曹操英雄説といった両極端の人間像が見えるのは、正統論のほか、素行の悪くても才能を認めれば登用する 唯才主義という異質な人材登用方針にあると思う。
兵法「孫子」の注釈、短歌行、料理本まで 著し、文学性の高さに驚く。
孫子の注釈
*兵は詭道なり(兵に常の形なし)
*敵が充実していれば備え、敵の長ずるところを避け、敵の気が緩むのを待ち〜敵に応じて変化する
*敵を計ることは心にあり、機微を察するは目にある
*風林火山=何もないところから攻め、利を見せず、速く、守る
両極の曹操像
*三国志演義=曹操悪人説〜奸絶の人〜やり方は間違っているが、その勢力は無視できない
*三国志正史=曹操英雄説〜非常の人(最上級の賛辞)〜後漢の後継 魏の創始者
唯才主義
*他人に仕えていた人、素行の悪い人でも才能を認めれば登用する
*山は土を受け入れるからこそ、どこまでも高くなり、海は水を受け入れるからこそ、どこまでも深くなる。人材収集も同様である
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三国志学会が曹操を解き明かす。
三国志学会なるものがあったのか。。。
それまでの曹操評価の変遷や、政治や軍事、儒教との関係などについての評価など、非常に多岐に渡る内容になっている。
特に中国史の変遷の中で曹操の政治手法を評価する部分が勉強になった。
三国志学会への入会を検討したくなる。。。
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三国志学会なんてあるんだね。曹操高陵が近年発見されたり日々研究は進んでいる。曹操の料理本というか博物・本草学本「魏武四時食制」残っていたら良かったのにね。相変わらず中国正史の改竄ぶりはすごい。
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東2法経図・6F開架:289.2A/C15s//K