歴史とはなにか: 新しい「世界史」を求めて

  • 山川出版社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634151857

作品紹介・あらすじ

アジア史の東西(鈴木・オスマン帝国史、岡本・中国史)を専門とし、ともに世界史の通史(『文字と組織の世界史』鈴木、『世界史序説』岡本)に挑んだ二人のアジア史家が、「文明」と「世界史」のありかたや宗教、支配、生態的環境、国家・国民とは何か、様々な歴史トピックスについて20時間を超える白熱討論を展開! 
歴史を考えるヒントが盛りだくさんの1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 中東史と中国史の専門家による対談で、西洋史と日本史を揶揄する部分はあるものの、よく言えば「反主流」である中東史や中国史といった異なる観点から、「主流」である西洋史と日本史を相対化し、問題点を列挙しているとも言える。ただし、あくまでも日本人研究者であるという制約からは逃れられない部分はあるようには思える。総じて「ネイション・ステイト」を「世界史」的にどう考えるべきかということを大きなテーマとして語られている印象。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50265726

  • 歴史とはなにか。

    単純な問いに見えるが、1番難しい問い。

    それを世界史という観点から読み解いていこうという、対談形式の本。

    スケールがでかい。

    一回では理解がおいつかなかった。

    何回も読んで、自分のものにしたい。

  • 中国史とオスマン帝国史との比較の視点から、日本とはどんな国で、どんな歴史を歩んできて、そしてこれから歩んでいくのか、という、ものすごくスケールの大きな対談が展開されている。これを消化するにはあと数回は読まなければならないなと感じた。良い本。

  • テーマに沿っての対談形式。

    「文明」と「世界史」を考える
    「世界」の捉え方
    統合とアイデンティティ
    「宗教」を考える
    「支配」のあり方
    環境・文化・社会のあり方
    国家・国民・民族を考える
    中国、そして日本

    5文字世界=漢字、梵字、ラテン、ギリシア・キリル、アラビア
    ユーラシア大陸:北方=狩猟地域、中間=遊牧地域、南方=農耕地域
    漢民族でない中華民族はありえない。漢字、漢文を共有、科挙。清朝は満州人が支配者で漢人は臣民。

  •  オスマン帝国史学者と東洋史学者の対談。時折西欧世界も交えながら、国民国家形成以前のイスラム圏と東アジアを語る。両者とも、昔ながらの西洋中心史観には批判的だ。
     両地域を漠然と比較しながら読んでみた。対談を通じ、シャリーア又は儒教と世俗権力が一致しているという共通点が分かる。
     違いとして、イスラム圏では、一神教イスラムとそれに伴うアラビア語の広まりがありながら、多元的に併存というか、コアが曖昧な印象を受ける。広い範囲と統治したオスマン朝とて、トルコをイスラムのコアと呼べるのだろうか。他方で東アジアでは、中国の皇帝と天下というコアは一応あるようだ。一方でその内実では、日本にも天皇がいたりと、「建前」ではないところで色々なバリエーションがある。

  • 東2法経図・6F開架:204A/Su96r//K

  • 面白かった歴史の解説書の著者二人の対談とのことなので期待したが、自分の基礎知識が足りず楽しみきれなかったのが残念。歴史にある程度慣れ親しんでいる人向き。

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著者プロフィール

1947年生
1982年 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、法学博士
東京大学東洋文化研究所教授などを経て、
現 在 東京大学名誉教授

著書:
『オスマン帝国――イスラム世界の「柔らかい専制」』(講談社現代新書、1992年)
『オスマン帝国の権力とエリート』(東京大学出版会、1993年)
『オスマン帝国とイスラム世界』(東京大学出版会、1997年)
『世界の食文化(9) トルコ』(農村漁村文化協会、2003年)
『ナショナリズムとイスラム的共存』(千倉書房、2007年)
『文字と組織の世界史』(山川出版社、2018年)
『オスマン帝国の解体――文化世界と国民国家』(講談社学術文庫、2018年)
『文字世界で読む文明論――比較人類史七つの視点』(講談社現代新書、2020年)
『食はイスタンブルにあり――君府名物考』(講談社学術文庫、2020年)
『帝国の崩壊――歴史上の超大国はなぜ滅びたか』(編著、山川出版社、2022年)他

「2023年 『オスマン帝国の世界秩序と外交』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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