- Amazon.co.jp ・本 (94ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634342309
作品紹介・あらすじ
世界史上、都市は多様な人々とモノの交流する空間として存在し、それぞれの文明圏において独自の歴史的役割を演じてきた。本書は、中世ヨーロッパ世界で生まれた都市のイメージと特質をさまざまな角度からとらえ、中世都市とは何であったかを明らかにすることで、現代世界の「都市問題」を考え直す糸口を探る。
感想・レビュー・書評
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結構前に読んだ気がするので…記憶がちょっとあいまいです…。ただ…読みました。
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中世から近世への移行を考えるとき役立つ本。
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(目次)
都市イメージの再考
①中世都市の生成
初期の都市的定住地/中世都市の成立/初期の都市住民/コミューン運動と都市/南欧都市
②中世都市のコスモロジー
聖なる都市/悪徳の場としての都市
③中世の都市空間
中世都市の成長/都市空間/都市の生活条件
④中世都市生活の枠組みと人的絆
家族・世帯/職業集団の成立/職業集団の構造/商人の世界/兄弟団/大学/社会福祉施設/階層化された社会
⑤中世末期の都市と社会
都市と祝祭/都市社会の危機と変容/都市の自立と従属/中世末期の都市社会と文化
参考文献 -
資料を基に都市の概要を説明した本。挿話的なものは少ないが全体像がわかりやすかった。
「職業集団の構造」という章にある親方制度の説明と、女性が親方になり得た(限られた職種)という話と付表が面白かった。
「商人の世界」にあった、イスラム商人に学び、海上保険や為替、複式簿記、商業通信などを導入したイタリア商人が「神と利潤の名において」と会計帳簿に記していたという話も面白い。
「都市と祝祭」にあった「ブルッヘのトーナメント」の絵は、「中世後期には、都市の祝祭のおりに、大広場で騎士や都市貴族たちがしばしば一騎打ちの馬上槍試合をおこない、多くの観衆を集めた」という説明が添えられていて、ブルッヘ(ブリュージュ)の中心部らしき建物に囲まれた広場で、人垣の真ん中に槍を手にした甲冑姿の人物達が描かれていた。槍試合ってもっと郊外の野原とか、競技場のような場所でするイメージだったので意外だった。