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本 ・本 (96ページ) / ISBN・EAN: 9784634345805
感想・レビュー・書評
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TH1b
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正直ほとんど目新しいことはなく、何となく教科書的な内容でした。が、一つだけ目を引いたのは神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2世(言うまでもなくプロイセンのフリードリヒ2世とは別人)と彼の率いた第5回十字軍について取り上げていたことです。シチリア王でもあったフリードリヒ2世は13世紀当時キリスト教文化圏とイスラーム文化圏の交錯する場所の一つシチリアで生まれ育ち、ラテン語やアラビア語も解し、イスラームに対する態度も当時の常識では考えられないほどの理解を示し(限界もあるが)、第5回十字軍はアイユーブ朝のアル=カーミルとの話し合いによってイェルサレムを手に入れたことから「無血十字軍」とも呼ばれ、彼自身も「玉座の上の最初の近代人」と呼ばれています。まだ高校世界史においては彼の扱いは低いものですが、「文明の対立」が叫ばれて久しい今(これを唱えたハンチントンに対する批判も多く出てますが)、新たに取り上げられるかもしれない可能性の高い一人であることは間違いないと思います。
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