ロシア農奴解放と近代化の試み (世界史リブレット 120)

  • 山川出版社 (2024年7月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (80ページ) / ISBN・EAN: 9784634349582

作品紹介・あらすじ

十九世紀半ばのロシア帝国は農奴制を基盤とする専制国家であった。皇帝となったアレクサンドル二世は、治世初期にクリミア戦争で敗北し、改革を開始した。なかでも農奴解放は司法、地方自治、軍制など社会全体の改変を引きおこし、すべての身分が参加する社会がつくられようとした。帝政の基盤である農奴制を、皇帝はなぜ廃止しようとしたのか。改革の内容とメカニズムはどのようなものであり、その限界はどこにあったのか。ロシア「大改革」の時代を描き出す。

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〈目次〉
「大改革」時代のロシア
①十九世紀前半のロシアと「大改革」への道
②ロシア農奴解放
③近代ロシアの形成

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〈著者略歴〉
1965年生まれ。
東京大学文学部卒業。
東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。
専攻、ロシア近代史。
現在、岡山大学大学院社会文化科学研究科准教授。

主要論文
Krest'ianskii pravoporiadok i politika iuridicheskoi integratsii krest'ianskogo sosloviia v poreformennoi Rossii (Petr Andreevich Zaionchkovskii: Sbornik statei i vospominanii k stoletiiu istorika, Moskva 2008)
「農奴解放の開始から大改革へ」(『ロシア史研究』90 2012)
Changes in Financial Policy in the Early Period of Alexander II’s Reign and the Great Reforms (『岡山大学大学院社会文化学研究科紀要』50 2021)

感想・レビュー・書評

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  • アレクサンドル二世によって施行された「農奴解放令」が実態はどのようなものだったのか、きっかけや施行に至るまでの官僚・貴族・皇帝の葛藤などをコンパクトに分かりやすく解説する
    農奴解放令に留まらず、アレクサンドル二世が行ったいわゆる「大改革」全般について解説が施されており、教科書の補助教材としても大変良いと思った

    これを読むと、逆に大改革以前の帝政ロシアがどれだけやばかったのか分かる
    一例として、当時の裁判官の任用はこんな感じ↓
    「ところが裁判官任用のための教育上の資格要件は定められておらず、法学の知識に欠けた裁判官はもちろんのこと、字を読めない裁判官も多かったといわれる。」p65

    80ページ弱という短い本とは思えないほどの内容で、このシリーズに感動した

  • 「大改革」時代のロシア:19世紀半ば・農奴解放を中心とする大改革時代の歴史
    十九世紀前半のロシアと「大改革」への道:
    近代ロシアの世界史的位置
    上からの革命の系譜
    農奴制時代のロシア社会
    クリミア戦争の敗北
    経済財政金融政策
    ロシア農奴解放:
    皇帝はいつ農奴解放の実施を決意したのか
    さまざまな提案
    農奴解放の第一歩
    サンクト・ペテルブルクやモスクワへ
    貴族の反発
    頻発する農民運動
    農奴解放令草案の作成
    近代ロシアの形成:
    農奴解放令の完成
    分与地買戻し金支払い方法
    ゼムストヴォ(地方自治体)の設置
    司法改革
    そのほかの「大改革」

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/718130

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著者プロフィール

東北大学教授

「2024年 『財政学をつかむ〔第3版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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