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本 ・本 (112ページ) / ISBN・EAN: 9784634350083
感想・レビュー・書評
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烏兎の庭 第六部 4.6.21
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto06/diary/d2104.html#0406詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
逸脱の…と捉えると、周囲の予想を逸脱した軍事的才能を見せ、皇帝コンスタンティウス二世の敷いたレールを逸脱し、反乱し皇帝位に登り詰め。当時の宮廷文化、政治文化、規範から逸脱した施作を展開。伝統宗教を復興する試みは、当初、信仰の自由、宗教的寛容の中で実現しようとしたものの、次第に、独自の哲学観、禁欲的生活信条が前面に押し出され、一般市民、キリスト教徒のみならず、伝統宗教を信仰するものの理解をも逸脱していった、と。ただ一度ローマ人らしくふるまったのがペルシア遠征であったが、成果をあげられず、死を招いてしまった、と。反乱の際には、従来、周囲におされ、止む無く、といったユリアヌス像が有力であったが、状況証拠や事後の展開から考えると、本人が積極的で、主導権をとり、周囲に認めさせたのではないか、という説も提示されているのだとか。巻末に思想面から研究をすすめられている中西恭子氏の論文があげられているが、単著にまとまると個人的にはうれしく思う。
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