安禄山 「安史の乱」を起こしたソグド人 (世界史リブレット人 018)
- 山川出版社 (2013年6月1日発売)


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本 ・本 (104ページ) / ISBN・EAN: 9784634350182
感想・レビュー・書評
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ユーラシア史の観点で安禄山を再評価した本。安禄山や安史の乱について説明をしていくよりは、安禄山の立場や、彼が勢力を拡大するために糾合した諸勢力を、中央アジアの歴史とリンクさせて説明している。従って安禄山という人物について知るというよりは、安史の乱を諸民族の動向とつき合わせて説明するとどうなるか、という新たな切り口の内容であった。最終的に突厥とウイグルの争いが安禄山と唐の関係にまで入り込んでくるという指摘は妥当性を感じた。中央アジア史を見る上では、実は血統主義が中国史よりも濃く反映されるのかもしれない。
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薄い本なのですが、中身が濃く、専門家でないものにとってはなかなか理解しづらい本でした。
最期はなんだかとても悲惨で、どうも精神的にも尋常ではなかったのかなと思いました。
あと顔真卿について興味がわきました。 -
安禄山個人というより、その時代のユーラシア世界・民族と唐との関わりについての本。まず当時、幽州(現在の北京)の人口の20%以上が非漢人、また営州(遼寧省)にもソグド人コロニーがあったのが意外だった。西部の長安周辺ならともかく。
乱の理由として著者は、楊国忠との対立、河北と関中との対立の歴史、特に唐代の河北は次第に「胡化」していたとの背景を挙げる。実際、安禄山はソグドはもちろん突厥、契丹など多くの非漢人を配下に入れていた。唐側にも高句麗系の節度使、ウイグルはじめトルコ系、大食なるアラブ系など多くの非漢人がいた。
また乱の後も節度使は残り、特に多くは非漢人からなる「河朔の三鎮」は半独立勢力として唐を苦しめる。更に著者は、遼、沙陀系王朝、更には中央ユーラシアの各征服王朝にまで安禄山の遺産を見る。 -
安禄山個人についてというより、7世紀以降のユーラシアの全般的な変動の中で安史の乱を捉える。文献リストあり。
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2015/9/26
安禄山という名前はなんとなく聞いたことはあったが、何をした人なのかは知らなかった。しかもソグド人だったとは。安史の乱も知らなかった。大陸には昔からいろんな民族がダイナミックに興亡しているんだな。島国育ちの日本人とは感覚が違いすぎるのだろう。ロマンティックである。
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