大航海時代の群像 エンリケ・ガマ・マゼラン (世界史リブレット人 047)

  • 山川出版社 (2021年5月31日発売)
4.00
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 33
感想 : 3
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (120ページ) / ISBN・EAN: 9784634350472

作品紹介・あらすじ

大航海時代はレコンキスタや十字軍といったヨーロッパの中世的広がりの延長線上にある。騎士的精神をもって海路を開いた3人のポルトガル人の生き様を通して、大航海を担った人々の姿を描く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 現在のヨーロッパ経済を形作る切っ掛けとなった大航海時代の営みについて、薄い頁数に濃く纏められた一冊。
    大航海時代はアジアの物産を求めて拓かれた商業航路によるものと認識していましたが、どうやらそれだけが原動力ではなかったようです。
    当時を生きた立役者達の思惑は、個人的な宗教的使命感や立身出世が主だったようです。
    もっと夢のある冒険心からの行いを想像していたのですが、言ってしまえば世俗的な理由からヨーロッパ中心の貿易は始まったのですね。
    地球規模の動きとなったため日本やアメリカにも波及し、日本からは銀が大量に流出する結果となりました。
    残念なことに利己的に見えてしまう西洋文明に“発見”されることが、多くの国にとっての大航海時代だったのだと思います。

  • 中世的な拡大の流れの延長にポルトガルの海外進出を置き、「航海王子」ことエンリケと、東回りの航路でインドまで行ったヴァスコ・ダ・ガマ、そしてポルトガル出身者ではありましたがスペインの支援のもと世界周航にでたマゼラン、この3人の業績をとりあげ、大航海時代を担った人々、そして大航海時代のポルトガル王国を描き出そうとしています。
    https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2021/05/30/004033

  • 「エンリケ航海王子」像がどのように形成され実像がどうだったのか、マゼランがどのように航海に乗り出し、なぜ無謀な改宗要請、現地での戦闘に乗り出し戦死したのか、よくわかった。忠誠替え=主君の変更が割と頻繁で当たり前に受け入れられてたの意外。騎士道じゃないのかよ!と思ったが、日本の戦国時代と近しい心性?オスマン帝国がイスラム教の辺境として柔軟性を得たように、キリスト教の辺境世界だったからなのか。また大航海時代の動因として「経済」は過大評価できない、といった点も重要。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

京都大学教授

「2021年 『大航海時代の群像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

合田昌史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×