ビスマルク ドイツ帝国の建国者 (世界史リブレット人 065)

  • 山川出版社 (2013年4月1日発売)
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本 ・本 (96ページ) / ISBN・EAN: 9784634350656

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  • ビスマルクはプロイセンのユンカーの家に生まれ、議会や新聞や協会といった政治の近代化手段の波に乗って出世を重ねていったが、その政治的スタンスは常に君主権の側にある保守的なものだった。
    プロイセンを中核としたドイツ帝国の統一は、デンマーク戦争と普墺戦争と普仏戦争によって達成された。いずれも国際情勢を巧みに利用して、戦争相手を一国に絞ることで勝利を勝ち取っていった。ビスマルクの政治術の基本的な性格は「ポリティクス・オブ・オルタナティブズ」常に複数の選択肢を手元に保持しておく政策と評される。
    ドイツ帝国成立後のビスマルクは、外交によって戦争を未然に防ぐビスマルク体制と呼ばれる国際秩序を成立維持させる。また内政では体制を維持するために、ムチとしては「帝国の敵」を位置づけて攻撃による統合を図り、アメとして社会保障を導入した。
    ビスマルクが作り上げたドイツ帝国は、近代化を推し進め特に工業生産は倍増していった。それは積極的な帝国主義政策を惹起し、ビスマルク引退後の拡大主義、そしてWW1による破局へと繋がることになる。

  • コンパクトにまとまっていて、ビスマルクについて知ることができたが、同じような値段なら新書を買った方がお得かな。

  • ふむ

  • 通史の形式なので、メリハリが効いていない。簡単に纏めすぎていて、逆に歴史好きにしか読まれないような内容。

  • ビスマルクの人生を辿りながら、北ドイツ連邦成立からドイツ帝国建国、その後の外交政策など、19世紀ドイツの一番面白いところが理解できる。とにかくシンプルに、肝心なところだけおさえてある印象。

    「知識はないが興味はある」人が、さわりを知るには良い本。ある程度詳しい人には物足りないはず。

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著者プロフィール

1946 年山形生まれ。
早稲田大学第一文学部西洋史学専修卒業。
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程史学
(西洋史)専攻単位取得退学。早稲田大学文学部助手、
専任講師、助教授を経て、現在、文学学術院教授。
主な著書は『ビスマルク/ドイツ帝国の建国者』
(世界史リブレット人、山川出版社、2013 年)、
『ビスマルク時代のドイツ自由主義』(彩流社、2014年)
主な訳書は、シュターデルマン『1848 年ドイツ革命史』
(創文社、1978 年)、ガル『ビスマルク/白色革命家』
(創文社、1988 年)。
論文には「グスタフ・シュトレーゼマンの防禦の外交について」
(『西洋史学』第92 号)、
「1879 − 80 年のベルリン反ユダヤ論争について」
(『ユダヤ世界と非ユダヤ世界』早稲田大学社会科学研究所)、
「トライチュケと『政治史』」
(『早稲田大学大学院文学研究科紀要』第29 輯)、
「19 世紀ドイツにおける歴史学と市民階層—
シュロッサー、ゲルヴィーヌス、そしてトライチュケ」
(『早稲田大学大学院文学研究科紀要』第52 輯)等がある。

「2016年 『ヨーロッパ史のなかの思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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