曽国藩: 天を畏れ勤・倹・清を全うした官僚 (世界史リブレット人 71)

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  • 山川出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634350717

作品紹介・あらすじ

清代の官僚であり、太平天国の乱の鎮圧に活躍した曽国藩は、読書・学問を愛し、天命に従い勤勉・倹約・清廉を旨とする生涯を貫いた。彼が生身の人間として中国の近代史をどう生きたかに迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 太平天国の乱鎮圧や洋務運動のところででてくる曽国藩の簡潔な伝記。決して大地主というわけではなかった家から科挙に合格、翰林院のメンバーとなり官界で活躍した彼の非常に真面目な人柄が伺える。

    https://navy.ap.teacup.com/book-recommended/572.html

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/543966

  •  中国での曽国藩観は、昔の善悪二元論から、改革開放後に再評価が行われているという。李鴻章と同じだろう。本書は宋学の求道者で勤勉・倹約・清廉という曽国藩の人間像を描くが、特に太平天国後は彼個人以上に社会全体をも取り上げる。過去漢人は2人だけだったという直隷総督就任のように漢人洋務派官僚主導への変化、民衆反乱の頻発、洋務派の「中体西用」論など。
     アヘン戦争終結時の手紙からは、講和は大国中華の夷狄への恩恵、とする認識がよく分かる。エリート官僚たる曽国藩にして、いやエリートだからこそ、そうだったわけだ。その後の主な功績は湘軍による太平天国討伐、洋務運動、教案処理というのは教科書どおりだが、李鴻章など後進人材の輩出もある。一方、湘軍解散後に救済されなかった兵卒が後に哥老会の拡大と反乱の主役になったというのが皮肉だ。

  • 曽国藩の人柄、小地主の家に生まれ心力労苦、沈思黙考、謹厳実直、刻苦勉励な生き方を生涯通した。生涯読書を忘れず、高位高官にあっても一族の驕りを戒め、中央官に居る時は借金で生活していた。敗戦時や困難事にあたる時にはよく遺書を書いた。
    太平天国という反乱を鎮圧したため造反有理の価値観からは悪し様に言われるが、その思想は体制派というより中国古来の儒教的価値観を保守しようとしたものであり、洋務派といった顔も中体西用によるものだった。本人は内省型でありカリスマ性や巷間の人気には乏しかったが、李鴻章や左宗棠といった人材を見抜き登用・活用する才に優れていた。
    中国近代化の揺籃の籠と言える人材。

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