ファン・ボイ・チャウ 民族独立を追い求めた開明的志士 (世界史リブレット人 081)

  • 山川出版社 (2019年1月31日発売)
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本 ・本 (88ページ) / ISBN・EAN: 9784634350816

作品紹介・あらすじ

19世紀後半の反仏武装闘争である勤王運動を継承しつつ、20世紀初頭に新たな民族運動のかたちを模索し、日本留学運動である東遊運動を始めた開明的儒学者ファン・ボイ・チャウ。彼は日本滞在期に立憲的国民国家論を唱え、アジアの被抑圧民族の連帯をめざすようになった。
東遊運動が挫折し辛亥革命が勃発すると、チャウは中国で共和主義的なベトナム光復会を結成。第一次世界大戦後には仏越提携論を唱える一方、社会主義にも関心を寄せた。
1925年に逮捕され軟禁状態におかれるが、旺盛な執筆活動を続けた。
一貫して民族独立をめざし、晩年には儒教民本主義的な社会主義思想をいだくにいたるチャウの全生涯をたどる。

感想・レビュー・書評

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  •  儒教型知識人に始まり、暴力・排仏運動の路線へ。しかし90年代以降のベトナムでは、その暴力だけでなく改良主義、啓蒙的側面も再評価されているという。ドイモイの影響か。
     「東遊運動」はほんの数年間だったが、著者はチャウの立憲君主の国民国家ナショナリズム提唱に日本経験の影響を見ている。
     WWI後は社会主義にも関心を持つが、マルクス主義というより、東アジア的な儒教的民本主義思想だと著者はいう。儒教社会とホー・チ・ミン世代の過渡期の人物だったと理解した。

  • 東2法経図・6F開架:280.8A/Se22s/81/K

  • 今井先生こんなのも書いてるんだ。日本とのかかわりでこの人になるんだろうけれど、琉球とかラオスとか考えるとまたいろいろ違って見えるんだろうなあ。

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著者プロフィール

東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。専門はベトナム近現代史。著書に『戦争・災害と近代東アジアの民衆宗教』(共著、有志舎、2014)、『記憶の地層を掘る アジアの植民地支配と戦争の語り方』(共編著、御茶の水書房、2010)などがある。

「2016年 『神々の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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