ケマル・アタテュルク トルコ国民の父 (世界史リブレット人 086)

  • 山川出版社 (2016年9月1日発売)
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本 ・本 (116ページ) / ISBN・EAN: 9784634350861

感想・レビュー・書評

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  • 団体や人名が細かく書かれていて、知識が足りない自分には少し飲み込みにくかった。既に基礎がある人には面白いかも。

  • オスマン帝国末期からの革命運動、そして第一次大戦での敗戦後からの、アンカラ政府樹立、トルコ共和国の成立から、大統領時代の政策、その死までが描かれる。治安維持法や祖国への犯罪法、議会運営のやり方、政策の決定方法、なりふり構わぬ政敵の排除など、今の基準に照らし合わせれば独裁的、専制的と言われそうな側面もあるが、おそらく、そこまでしなければ当時のトルコをまとめ上げられなかったのだろう。祖国解放戦争を共に勝ち抜いてきた戦友たちも一人また一人と離れていき、イスメット・イノニュとの対立を最後に、身の回りに一人もいなくなってしまったというのも凄まじく。興味深かったのは、オスマン帝国末期の指揮系統の弛緩。普通に、命令を拒否して、とあるが、上からの指令が行き届かないのなら、何をもって、軍事、行政がうまくいくというのか。そしてオスマン帝国内で昇進しつつ、いつからケマル・アタテュルクがオスマン帝国を見限り、かわりとなる体制を志向したのか、と。/「来た時のように、引き揚げるべきだ」/ローザンヌ会議、ケマルの暗殺未遂事件たるイズミル事件の詳細。また、経済、宗教、文化政策、国制など、様々な分野で果たした業績についても触れられ、概観できた。

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著者プロフィール

 立教大学文学部教授。主な著作に、『イスラム都市の変容——アンカラの都市発展と地域構造』(共著、古今書院、1994年)、「青年トルコ人革命前夜——ニヤーズィ蜂起の歴史的意義」(『オリエント』第21巻第1号、1978年、所収)、「青年トルコ人とオスマン朝軍——将校の出自に関する問題を中心に」(『中島敏先生古希記念論集』下巻、汲古書院、1981年、所収)、「アブドゥル・ハミド2世の専制政治機構」(『日本中東学会年報』第3号、1988年、所収)、など。

「2007年 『イスラームの黒人奴隷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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