- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634480704
作品紹介・あらすじ
ドイツ中部の農村とルールの炭鉱町を舞台に、ありふれた日常生活のなかに潜むナチズムへの道すじを鮮やかに読み解く。
感想・レビュー・書評
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すごく勉強したくなった
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日本人の社会学者の執筆でこれだけナチズムについて初いう際に文献だけで調べられたのは見事である。農村と炭鉱町をそれぞれひとつずつ取り上げて、そこがどのようにナチズムを受け入れていったかについて説明している。さらにユダヤ人についても、いきなりではなくてそれ以前のユダヤ人排斥運動と関連付けてもいる。こうした状況は戦争を受け入れた日本の農村と炭鉱町に共通のことがあるかもしれない。捕虜の強制労働についても記載している。
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うーん…ちょっと期待はずれ。「普通の人」の「なまの声」にこだわって書かれたはずが、どうにも無味乾燥な学術論文調になってしまっている。
他人が集めた証言を、さらに翻訳して用いているからだろうか。この上なく当事者的であるはずの証言がひとたび分析された時にかもし出す、この距離感は何だろう。標本よりも、それをプレパラートと高倍率のレンズ越しに覗いている学者の目の印象ばかりが強くなってしまっている。
タイトルや梗概からは、自分がまさしく1930年代のドイツにタイムスリップしたかのような気分を味わえる本かと思っていた。ところが同一化できたのは、戦後数十年を経て、当時の人々の証言を客観的に分析する遠い異国の学者の気分のほうだった。
なぜこうなったのか、私にはわからない。たぶん、著者にもわからないだろう。まったくふしぎなことである。
2017/5/29〜6/1読了 -
ナチスが大々的に宣伝した客船による海外旅行に参加できたのは、1934年から39年までに、およそ75万人だった。しかし労働者は、そのうち10万人にすぎなかったと言われている。労働者のための船旅と言いながら、実際に参加しているのは、経済的に余裕のある階層が中心であった。労働者の「歓喜力行団」の旅行の中心を占めていたのは、海外旅行よりも安くて、短い旅行の方だった。例えば1938年に歓喜力行団が取り扱った旅行者数は、ほぼ850万人であった。特に人気があったのはボーデン湖、ハルツ、ミュンヘンのオクトーバーフェストなどである。労働者にとって豪華客船による海外旅行はまだ夢でしかなく、実際には日帰り旅行か週末の一泊旅行がせいぜいのところだった。
ノルベルト・フライ, ヨハネス・シュミッツ「ヒトラー独裁下のジャーナリストたち」朝日選書
小俣和一郎「精神医学...
ノルベルト・フライ, ヨハネス・シュミッツ「ヒトラー独裁下のジャーナリストたち」朝日選書
小俣和一郎「精神医学とナチズム 裁かれるユング、ハイデガー」講談社現代新書
斎藤貴男「安心のファシズム 支配されたがる人びと」岩波新書
ヘルムート・プレスナー「ドイツロマン主義とナチズム 遅れてきた国民」講談社学術文庫
ズビニェク・ゼーマン「ヒトラーをやじり倒せ 第三帝国のカリカチュア」平凡社
これは、近い内に読みたいと思っている。
スティーヴン・バック「レニ・リーフェンシュタールの嘘と真実」清流出版
課題ラッシュが終わったらまず「黙って行かせて」を読もうと思っています*
課題ラッシュが終わったらまず「黙って行かせて」を読もうと思っています*
ラッシュかぁ~大変ですね。。。
Helga Schneiderの著作は、日本には「黙って行かせて」しか紹介され...
ラッシュかぁ~大変ですね。。。
Helga Schneiderの著作は、日本には「黙って行かせて」しか紹介されていませんが、「ゲーテの木」や「ベルリンの火刑場」等タイトルだけで見ても気になる作品があります。