ドキュメント 気象遭難 (ヤマケイ文庫)

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  • 山と渓谷社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635047630

感想・レビュー・書評

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  • 羽根田治氏の"遭難"シリーズとして、私が読む4冊目となるが、実はこれが第1作だったということで、だいぶ順番前後してしまった。

    街中では何でもない天候の時でも、山では雨がポツポツきていたり風が強かったり、あるいは空模様が目まぐるしく変化したり…という経験は近所の低山であってもよくあることなので、日本アルプス等の山域では1つの判断ミスが命取りになり得る、というの容易に理解できる。
    この書中でもしばしば"観天望気"という言葉が出てくるが、日帰りならともかく、2日以上に渡りアタックや縦走をするスケジュールの山行に赴くのであれば、その能力は必要になってくるのだろう。
    と言いながら、生活のベースが山にある場合は別として、普段は街に暮らす趣味登山人が限られた機会にそのような知識を身に付けるのは至難であるようにも思うが…。

    読了して、中でも恐ろしいのは雷だと、個人的には感じた。
    いざ自分がその現場に居合わせたとして、適切に対処できる自信はもちろんまったくないし、こちらも著者が言及しているが、落雷に関してはケーススタディが少ないため、たとえプロのガイドであっても咄嗟に的確な判断ができるとは限らない、という実態があることが分かった。
    また、落雷には特有の後遺症があって、一命を取り留め回復したとしても、長年それに悩まされる人が多い、ということも初めて知った。

    山岳会に所属し、高い技術と豊富な経験を持つアルピニストたちが、進退窮まってもギリギリまで救助要請を出すかどうか迷い、さらには無事救助された後、懸念された通り山仲間たちが責め立てる…という現象が本当にあるんだなと驚くと同時に、あまりに非合理的と言える"山ヤ"のくだらないプライドに辟易した。

  • 冬山は怖いですなあ。生命に関わる要素が多過ぎる。どの事例もそんなに責められないなぁと思いながら読んだ。少し古いけどいろんなケースが丹念に描かれてて良かった。興味深いのがどのケースでもGPSについて全く記述が無いことで、1990年前後ならまだしも2000年前後でも全く普及してなかったことに驚く。今なら少しは違うのか?

  • 著者は当事者たちにインタビューを試みるも拒絶されたケースがかなりあって、その場合、事件直後のレポートに頼らざるを得なかったらしい。事件当時は相当叩かれて、マスコミ不信になったのだろうなと想像はつく。それでも、当事者を必要以上に攻撃することなく、論点をまとめ分かりやすく示した著者の努力に感謝したい。このような事例を我々が知っておくことは、山の気象を決して甘く見ないための他山の石として有効だ。

  • 読みやすく、4日ほどで読み切った。最近、山岳遭難にハマっているので楽しんでよめた。また、登山をするわけでもないが勉強になった。

  • ためになる

  • どの事例も、一読の価値あり。本当にいろいろなケースがある。こういう状況になりたくは絶対にないが、知っておかなくちゃいけない。まとめて下さり、また話して下さりありがとうございます。

    2017.8.6

  • トムラウシ大量遭難死の本を先に読んでいた。
    なるほど、同じコースで停滞温症
    リーダー格の女性だけがなくなるなど
    やや事情が違う

    早稲田の剣岳、二玉低気圧
    4人ビバーク3人死亡

    剣岳のベテラン遭難
    ヘリで救助求める
    ここで死んだら遺体回収で山岳会に迷惑

    落雷、突風、雪崩
    引きかえす勇気、停滞する勇気とはいうが・・・

    春・沿海州低気圧 谷川岳―雪崩
    春・春の嵐 伊那前岳―突風
    夏・雷 塩見岳―落雷
    夏・台風 トムラウシ山―低体温症
    秋・太平洋沿岸低気圧 立山―凍死
    冬・西高東低 剱岳―異常降雪
    冬・二つ玉低気圧 剱岳―暴風雪

  • 2017/4/5購入
    2017/9/21読了

  • 少し前に読んだ「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか」が面白かったので、同じ著者の登山ドキュメントシリーズを読み始めた。

    「トムラウシ山遭難――」と違って、1つの事例を色々な角度から深く追求したものでなく、計7つの事例の概要にとどまっている。
    よく言えば「軽く読める」、悪く言えば「深みがない」作品である。
    個人的には「トムラウシ山遭難――」のほうが作品として惹き込まれた。

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著者プロフィール

1961年埼玉県生まれ。ノンフィクションライター。長野県山岳遭難防止アドバイザー。山岳遭難や登山技術の記事を、山岳雑誌「山と溪谷」「岳人」などで発表する一方、自然、沖縄、人物などをテーマに執筆活動を続けている。おもな著書に『ドキュメント 生還』『ドキュメント 道迷い遭難』『野外毒本』『人を襲うクマ』(以上、山と溪谷社)、『山の遭難――あなたの山登りは大丈夫か』(平凡社新書)、『山はおそろしい――必ず生きて帰る! 事故から学ぶ山岳遭難』(幻冬舎新書)などがある。

「2023年 『山のリスクとどう向き合うか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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