ヤマケイ文庫 アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~

著者 :
  • 山と渓谷社
3.88
  • (5)
  • (5)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 352
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635048781

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~』読了。
    アイヌ民族の末裔である著者がウウェペケレ(昔話)をまとめた話。
    登場するのは主に神さまやアイヌの人々や動物たち。そんな彼等に飢饉が起こったりお供え物をしたり狩りをしたり祈祷を唱えたり神になったり結婚したり恋したり死んだり殺されたりと色んな事が起こり面白かった。
    まるで三位一体論のような関係性で上もなければ下もない。
    人間と神と動物が対等な立場で接しているところが面白い。持ちつ持たれつという言葉が合うかもしれない。
    そして起こった出来事が教訓になって語り継がれて死んでいく人々。
    昔話のような幸せになりましたで終わらないところが面白かった。
    テレビとかでアイヌ語を話せる人がいないとか、アイヌ民族が消滅するとかを見聞きする。
    無くなっていい文化があっていいわけではない。
    人間の営みがどのようにして今に繋がれているかを知ることができてよかった。

    2022.3.23(1回目)

  • 祝文庫化!

    ヤマケイ文庫 アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~ | 山と溪谷社
    https://www.yamakei.co.jp/products/2820490450.html

  • 素晴らしく面白かった。

    炉端でばあちゃんや近所のおじさん、おばさんが口述で語り継いだ物語を和人の言葉で丁寧に書き起こしてくれている。

    物語ごとに丁寧な解説がつく。各物語には子どもたちへ伝えたい教養が詰まっている。


    アイヌは神々に対して対等な立場を取っていたなど、興味深いアイヌ文化に触れることが出来る。

    確実に失われていってる文化であることが惜しい。

    物語自体面白く、読み易いので非常におすすめ。
    とっても楽しい時間だった。

  • アイヌの人の語りを通して、アイヌ文化を知る。人と自然と神と。神様も自然も、崇拝するんじゃなくて、平等に対等に扱って共存していく。神様に対して人が怒ったりもする考え方が面白いな、と思う。ただ違う世界に住んでいるというだけ。だけど、互いに助け合っている。だから自然を大事にするし、裏切られるようなことがあれば怒りもする。
    人にとって都合良すぎない?とも思っちゃう話が多かったり、神様ってそんなのでいいの?!とか思っちゃうんだけど、そういう人間臭い感じも良かった。

  • 【電子ブックへのリンク先】
    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/muroran-it/bookdetail/p/KP00041938/
    学外からのアクセス方法は
    https://www.lib.muroran-it.ac.jp/searches/searches_eb.html#kinoden
    を参照してください。

  • 【学内から閲覧はこちらから↓】
    https://library.morioka-u.ac.jp/opac/volume/290187

    【学外からのアクセスはこちらをご確認ください】
    https://library.morioka-u.ac.jp/drupal/?q=ja/KD

  •  昭和の時代に、『まんが日本昔ばなし』という番組がかつてありました。アニメで日本の昔話を描く、素敵な作品でした。

     本作『アイヌと神々の物語 炉端で聞いたウウェペケレ』を読んで、そんな30年も40年も昔のアニメ番組を思い出しました。

    ・・・

     子ども向けテレビ番組を思い出したからと言って、このアイヌの話が子供だましかというと、全く違います。むしろ私は本作は実に素晴らしい作品だと思いました。はい、実に面白かったのです。

     一番いいなあ、と思ったのは自然との一体感。
     どのお話もクマを狩る、鹿を狩る(そして必要な分だけを狩る)など狩りの話がされており、生命の豊かな自然が謳われています。日本の場合でも八百万神なんて言いますが、アイヌの世界でもクマの神、火の神、川の神等々、生き物以外にも、人間を取り囲む多くの無生物にも神を認めています。
     特定の宗教にコミットせずに日本に生まれ育った私は、そうしたいわばホーリスティックな自然認識はなんとなく馴染み深く感じました。寧ろちょっと憧れました。読後早速、北海道に移住したいなあなどと口に出してみたところ、速攻で家内と娘に馬鹿にされました笑

     次に、神とアイヌとの関係が妙に対等で面白かったです。
     神には世の中の秩序を維持する役目があるので、何か混乱があった場合、アイヌはこれを非難するのです。逆にきちんと役目を果たさないのならば今後祀らない、あるいは他の神にチクるなどと脅したりする笑 神は神の方で、いやあこれこれの理由があってうまくできなかった、今後は気を付けるので一つまた祀ってほしい、そうすれば君の家を一生安泰にするべく守っていこうなどとうそぶき、両者互いにまとまる笑
     そう、どうにもほのぼのとした関係なのです!

     さいごに、死が自然に人間のまわりにある点が非常に感銘を受けました。
     先ほどから何度かクマの話をしていますが、クマを狩ったら、一定の儀礼にのっとり解体等し、いわゆる死後の世界へ「送る」。場合によってはクマの側から、このままだと罪を犯してしまうから今君が私を狩って「送って」ほしい、などの会話がなされます。また、話の主人公は、大体が話の最後にその年老いて、そして教訓じみたことを説き、そして亡くなったのでした、という話の構成を経ます。
     これらの描写から、アイヌでは死は当然の事として生の隣に自然に存在しているように感じました。まあ現代社会がいけないと言うつもりもないのですが、私も人生の半分以上が過ぎてますので、そろそろ死の受け入れ方も勉強しなければなあと感じてまして。自分もアイヌのような自然さで(もちろんアイヌにも個人差あるのでしょうが)いつか死を受け入れられるようになりたいなあと思いました。

    ・・・

     本書はまたまたKindleで50%オフで目に入ったものを衝動買いしたものでした。
     アイヌという固有の文化の豊かさを改めて実感しました。また同じ日本にこうした豊かな文化が存在することを嬉しく思った次第です。調べてみると筆者の萱野氏は本作以外にも多くの作品を残されていることを知りました。また機会を見つけて幾つか読んでみたいと思います。
     昔話や民話、神話などが好きな方、日本をもっと知りたい方などにはお勧めできる本です。

  • 388-K
    文庫(文学以外)

  • アイヌの神様たちの話、代々伝えられてきた昔話。
    語り方など決まり文句もあるらしい。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1926─2006年。北海道生まれ。アイヌ文化研究者。学術博士。長年アイヌの民具や伝承を精力的に収集・記録し、1972年には二風谷アイヌ文化資料館を開設、館長を務める。1994年、アイヌ出身者としてはじめて国会議員となり、北海道旧土人保護法撤廃・アイヌ文化振興法制定などに尽力。主な著書に、『ウエペケレ集大成』(アルドオ、菊池寛賞)、『萱野茂のアイヌ神話集成』(ビクターエンタテインメント、毎日出版文化賞)、『萱野茂のアイヌ語辞典』(三省堂)がある。

「2017年 『アイヌ歳時記 二風谷のくらしと心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

萱野茂の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
砥上 裕將
エラ・フランシス...
レティシア コロ...
川上未映子
恩田 陸
劉 慈欣
パオロ・ジョルダ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×