ヤマケイ文庫 山怪 弐 山人が語る不思議な話

著者 :
  • 山と渓谷社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635048842

感想・レビュー・書評

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  • 田中康弘『山怪 弐 山人が語る不思議な話』ヤマケイ文庫。

    今月のヤマケイ文庫は、山の不思議を集めた作品が3冊も同時刊行と何とも贅沢。

    『山怪』の第2弾。今回も数ページの山と山里の怪異掌編が多数収録されている。事件の現場となった山に見る幽霊、火の玉に狐火に、山中で聞こえる謎の声、狸や狐に化かされた人、大蛇に座敷わらしにヒバゴン。山と山里は怪異や不思議の宝庫なのだ。

    似たような話が多数並ぶ。多くの怪異は田舎の噂話が人から人へと伝聞されて、地理的範囲も次第に拡がっているのではなかろうか。例えば本作に収録されている『ミミズ素麺』。岩手県南でも似たような話を聞いたことがある。ある日、山里の集落で酒を伴う寄り合いがあった。寄り合いも終わり、御開きになるが、一人の呑兵衛爺さんがなかなか家に帰って来ない。心配した家人が探しに行くと、爺さんは田んぼの中に座り込み、何やら話ながら泥団子を食べていたという。狸か狐に化かされたのだろう。おっと、この逸話は前作のレビューにも書いていた。

    座敷わらしなどは、岩手県遠野市や二戸市の金田一温泉が有名だし、エクソシストや祈祷師の話なども、同じ岩手県南の一部の地域には、今でも悪魔祓いという風習が残っているし、よくぞ似たような話が全国各地にあるものだと思う。

    本体価格800円
    ★★★★

  • とても怖い
    マタギの人の話をまとめたもの。
    現代の不思議な話や怖い話

  • 前作はほとんど狐の仕業による話が多かったけど、今回は霊的な話も結構あって面白かった。
    不思議な出来事を何かと理由をつけて否定するよりも肯定する方が面白い。

  • この巻にはヒバゴンの章がありますが日本の山にはUMA系が少なめなのが少し残念。

  • これも面白かった。

  • 読後感は爽やかw 山人の皆さんから聞いた話を、大げさに盛ることなく(たぶん。そう信じてるw)ありのままの摩訶不思議な話を、私たちに伝えてくれる感じが好き。
    でも、神隠しと呼ばれる、人が忽然と居なくなってしまう話は不思議だなあ。生還した人は「誰かに呼ばれた」と言うけれど、たとえば現代の山で起きる行方不明事件もそういったことなんだろうかと考えてしまう。
    私みたいに霊感もなければ繊細な神経も持たない、何もない人間が山へ入っても、そういったことに遭遇することはあるんだろうか?
    多分ぜったい遭わない自信はあるけど、わざわざ試す気にはなれナイ…

  • 相変わらずの面白さだった。
    海バージョンも欲しいけど、全く違うものになりそうだ。

  • 民俗学という見方ではなく、あくまで地元の方から聞いた話が淡々とつづられている。そういうものなんだろうなと、自然とスッと話が胸に入ってくる。最近では「都市伝説」なんて形で都会版不思議な話が語られることがあるけれど、これからもずっと本著のような「山の不思議」が語り継がれるといいなと思う。

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著者プロフィール

長崎県佐世保市出身。
佐世保南高校→島根大学農学部→日本写真学園
雑誌、冊子等の撮影、執筆を生業とする。
秋田県の阿仁マタギとの交流は20年に及び“マタギ自然塾”としての活動を行う。
狩猟採集の現場から「地の力」とそこに暮らす人々の生活を常に見つめてきた。
「マタギ 矛盾無き労働と食文化」は阿仁マタギの里での生活を活写。
熊、ウサギ、岩魚、山菜、キノコと山の恵みを享受してきたマタギの暮らしを追った。
今は引退されたり、亡くなられた多くのマタギ達との様々な体験が記録されている。

「2023年 『完全版 日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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